バリ島のこと


昨年10月に予定していたエジプト旅行がテロの影響で中止になって以降、しばらく海外旅行は差し控えておりましたが、ここにきて落ち着いてきましたので、これまで経験したことのないリゾート型の海外旅行をすることにしました。行き先はおよそ11,000の島からなる多島国家インドネシアの中心地区ジャワ島の東側に隣接するバリ島です。バリ島が在るインドネシアは人口2億で、中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4位の大国であること、氷河時代はインドネシア周辺の海は干上がって島々は繋がって「スンダ大陸」を形成し、「ピテカントロプス・エレクトゥス」と呼ばれる原人たちが住み着いて人類進化の一大舞台となっていたことは案外知られておりません。

1602年のオランダ東インド会社の設立から、1945年の独立まで3世紀半に渡ってインドネシアがオランダによる植民地支配を受けたことがその原因になっているように思います。日本軍が、インドネシアを3世紀半に渡って支配してきたオランダをたった1週間で全面降伏させたことがインドネシアの人たちを驚かせ、勇気を与え、独立への気運が芽生えさせ、そして日本敗戦によって永年の夢が結実し独立を勝ち得ました。そのため3年半に及ぶ不幸な日本占領時代が有ったにもかかわらず、日本に対して尊敬にも似た好意を持つインドネシア人が多いように見受けられました。

9世紀中頃から仏教に代わってジャワ島を中心にヒンドゥー系の王朝が栄えましたが、15世紀後半にイスラム教徒によりバリ島へ追われた結果、バリ島には他の地方には見られないヒンドゥー教独特の文化が栄え今日に至っております。バリ島の面積は東京都の約2.5倍、人口は約300万でその大半がはバリ人のヒンドゥー教徒で、バリ語を日常話しますが国語のインドネシア語も学校で教育されているとのことでした。気候は熱帯湿潤気候で最高気温が30〜33度、湿度80%前後と高温多湿の気候ですが、5月から10月にかけてはやや低温で晴れた日が続く乾季、11月から4月にかけては毎日のようにスコールが降る雨季です。

特にここを選んだ特別な理由は無いのですが、敢えて言うならば、2億の国民の大半がイスラム教を信奉するイスラム国家でありながら他宗教に寛容で、特にこのバリ島はインドネシアで唯一ヒンズー教主体の地区ですのでヒンズー教文化と言うものを肌で味わえるのではないかとの期待感です。もうひとつ、随分昔の米画で人気喜劇俳優ボブホープの珍道中シリーズの中に「バリ島珍道中」と言うのが有りまして、子どもごころにその素朴なバリ島の情景に憧れたことも理由になっているように思います。インドネシアの人たちは日本が太平洋戦争でこの国を侵略したのにも拘わらず日本人に対して、インド、パキスタン、アフガニスタンと同様に尊敬に近い親近感を持っているようです。

以前、東チモール問題でインドネシアが外国から平和維持軍を受け入れる際、隣国同然のオーストラリアからの派遣申し出を断ってまでも日本の自衛隊派遣を熱望した経緯からも事実だと思います。先日の東京でのアフガン復興支援会議が成功を収めたのもアフガニスタン、パキスタンの当事国が日本に対して好印象を持っていると言う事実も見逃せないことと思います。 その共通した理由はインド、パキスタン、アフガニスタンは英国、インドネシアはオランダ、ポルトガル等の白人の植民地支配を受けて苦悩していたところへ日本軍が侵攻してきた結果としてその植民地支配から開放されて独立するきっかけが得られたことにあるように思います。バリ島は、インドネシアの群島を成す数千の島々の一つでヒンズー教文化とユニークな芸術、儀式を持つインドネシア最大の観光地です。 バリ島の面積は東京都の約2倍で約280万人が住んでおります。

ングラ・ライ空港の北側から州都デンパサールにかけて古い観光地サヌール、若者の街クタ、レギャンそして空港の南側からムブル岬にかけてジンバランと政府によって開発された一大リゾート地ヌサ・ドウアが位置しております。我々が泊まるホテルはこのヌサ・ドウアのシェラトン・ヌサ・インダと言うAクラスのホテルで貧乏人の我々にとっては分不相応とは思いますが、ダイビング、水泳、踊り見物、グルメ、ショッピングを楽しんでこようと思います。

インドネシア(薄紫色)とバリ島(赤い矢印の先)

インドネシアのジャワ島とバリ島(赤い矢印の先)

バリ島の全体図


目次に戻る 次 頁 へ
Pー1
inserted by FC2 system