バリ島旅行記(特別編)


日本人観光客がしてはいけないこと

・街中でタクシーに乗ること
料金は日本の1/10程度で安いのですが、殆どがメーターを倒し日本人とみると法外な料金をふっかけてくるので乗らない方が無難。また満員になるまで発車しないタクシーもあるので要注意。どうしても乗らざるを得ない場合は事前に行先を告げて交渉し料金を確認しておくこと。ホテルマンに頼んでメーターを倒さないタクシーを呼んでもらうのもいい。ギャレリアやプラザ・バリのようなDFSショップに行く場合はタクシー代が無料になる場合が多いので覚えておくと便利です。

・左手で現地の人の身体に触れること
イスラム教もヒンズー教も左手は不浄とされているので、左手で人の身体に触れたり食べ物を持つと嫌な顔をされるので気を付けたい。ヒンズー教では排泄物を極端に汚いものとし排泄後に左手を使って水洗する習慣が有ることも影響しているのかも知れません。それならホテルにウオッシュレットが常備されてもよさそうですが一切見かけませんでした。と言うことはインドネシアでは左利きの人はいないと言うことになるのでしょうか。

・牛肉の料理を求めること
イスラム教では豚を汚いものとして絶対に口にしないことは有名ですが、ヒンズー教では牛は教義ににより口にすることが禁じられており、現にガイドのDedyさんは牛肉は一度も食べたことがないのでどんな味がするのか判らないと言っていました。双方に共通してOKなのは鶏肉だけですが、私は父親から鶏は二本足で神の仕えているので食べてはならないと厳命され食べないようにしております。

・物売りの誘いに応ずること
バリに来て誰でも驚き、閉口するのは物売りの多さとそのひつっこさです。 我々が宿泊したヌサ・ドア地区は物売りの立ち入りは禁止されているのでよかったのですが、クタやレギャンのような繁華街、キンタマーニのような観光地には大勢の物売りが日本人とみると強引に売り込みをかけてきます。うかつに誘いに応ずるような態度をとろうものならどこまでも追いかけて来ますから絶対に応じてはいけません。ブランド品の殆どはニセモノです。

滞在中にガイドさんから聞いた面白い話

・貧乏人は火葬できないので仮土葬するとのこと
ヒンズー教では人は死後、肉体滅んでも魂は再生して生まれ変わるので、生死は解脱のない限り永遠に繰り返されるとの「輪廻転生」を基本教理としております。 火葬は3日間村を上げてお祭りとして行なわれ、大変費用がかかるので貧乏人はその費用を工面できないため、仮土葬しておき、お金が貯まったら遺体を掘り起こして火葬するのだそうです。

遺灰は2個の椰子の実に入れ、1つは川に、1つは海に流すことにより魂が浄化され昇天すると言うのです。 こうして魂は遺体を焼いた煙となって昇天し雨となって地上に降り、根から水分を吸収して成長した植物はやがて穀物や果実を実らせ、人に食べられて精子となり、母胎内に入り新たな生命を誕生させ、そして死んで火葬にされて再び煙となって昇天すると言う「輪廻転生」により永遠に生死を繰り返すと言うのです。

どの母胎内に入るかは、魂に付着してその人の生前の行為により魂に働き掛けている「業(ごう)」によって決まると信じられております。悪行を重ねた人はその「業」により犬や豚やチャンダーラ(賤民)の母胎に入るとされております。 しかし、人間に生まれ変わったとしても永久に輪廻転生を断ち切れませんが、信心は苦行と悟り切り解脱できれば輪廻転生を断ち切って魂は二度と死ぬことのない素晴らしい世界=ブラフマン(宇宙を支配する原理/梵)の世界に行けます。つまり死者の魂には次の3つの段階が有ることになります。

1.火葬されず遺体のままの人の魂で地上をさ迷っている。
2.火葬された死者の魂で輪廻転生を繰り返している。
3.解脱し祖霊となった魂で不死の世界に留まっている。

・毎日お供えすること
魂が輪廻転生するので、バリ島にはお墓は有りません。しかし 屋敷の中や村の中の祠(ほこら)に毎日お供えするのです。 また、家や店の前に、ご飯、雑穀、花をを皿に盛って置いてあるので踏見つけないよう気をつけねばなりません。 バリ島の生ゴミの相当部分をこうしたお供え物が占めるのと、経済危機の折り食べ物を捨てるのは如何なものかと問題になったそうです。

・雨具は持たないとのこと
バリ島では1年の半分が雨期で雨が多いのですが、現地の人たちは雨具を持って外出しないそうです。 我々が二日目に経験したスコールは物凄く傘のような雨具は全く役に立ちません。直ぐ止んで晴れてきますので雨宿りさえすれば問題ないし、小雨なら気温が高いので濡れても直ぐ乾いてしまうので雨具は要らないと言うわけです。

・トイレにホースのようなものが有るのは
妻があるレストランのトイレに入って困っていました。 ペーパーが無く、栓の付いたホースのようなものが有るものの使い方が判らないと言うのです。 前にも触れたようにヒンズー教では排泄物を嫌い排便後に肛門を左手で水洗いするので特にペーパーは要らないのだそうです。 バリ島の人は、トイレには汚い場所を好む幽霊が住んでいると信じているので夜トイレにいくのを恐れるそうです。彼等によれば家が清潔な限りこの幽霊は家に入れず、その幽霊が汚いトイレに住んでいる限りはイレは幽霊が住み易くなるよう汚くしておく必要が有るのです。


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