藤枝東高物語(41)
藤枝東、ジュビロユースに勝利! 2008年6月29日の日記から
藤枝東高物語(42)
対グランパスユース観戦記 2008年7月05日の日記から


ジュビロユース戦決勝ゴールのMF小林(但し画像は静岡学園戦)
(がんばれ藤枝東より転載させて頂きました)


暗い照明、観客席無し等の劣悪な環境下の試合会場

高校サッカーの三大イベントは、春先から始まる高校総体、同じく春先から夏にかけて行なわれるJFAプリンスリーグU-18、そして年末の高校選手権です。高校総体と高校選手権は県予選を、JFAプリンスリーグU-18は各地区予選(当地の場合は、愛知、岐阜、三重、静岡の東海地区)を経て全国大会に出場することになっております。

このうち、高校総体は東海大翔洋が県予選で優勝し7月29日から埼玉で行なわれる全国大会に出場することになっております。現在は、JFAスプリンスリーグU-18(東海地区大会)(以下プリンスリーグ東海と略)がヤマ場を迎えております。このリーグ戦は、東海4県の10のユースのチームが9回戦総当りで戦い3位以上に、9月から始まる高円宮杯全日本ユースサッカー選手権 (U-18)大会への出場権が与えられます。そして、高校サッカー最大イベントの高校選手権の県予選は9月7日から始まります。

JFAプリンスリーグU-18は、2003年より始まり、毎年3月から8月にかけて全国9地域で行われ、高校とクラブユース年代の双方が参加して18歳以下の真の日本一の座を争う大会です。プリンスの名称は2002年に薨去された前日本サッカー協会名誉総裁高円宮憲仁親王を記念して付けられております。そこで、プリンスリーグ東海で3位以内を見込める4チームの成績を下表に掲げてみました。

6月28日の日記 「藤枝東、ジュビロユースに勝利!」に掲載しましたように、母校、藤枝東がジュビロユースに勝利したため、絶望視されていたJFAスプリンスリーグU-18全国大会への出場の望みが、今日のグランパスユース戦に勝利すれば繋がることになりました。そして、その試合が我が家から名鉄、地下鉄を乗り継げば1時間半程度で行けるトヨタスポーツセンターで夕方の18:15から開催されるとのことでしたので、何としても応援しようと意気込んで自宅を4時過ぎに出ました。今にして思えば、これが苦難の観戦記の始まりでした。

三好ケ丘駅は、名古屋市営地下鉄沿線の駅ですが、名鉄豊田線の駅でもあります。名古屋市内から地下鉄パスで乗車しているので、自動改札でシャットアウトされて不快な思いをするのが嫌なので駅員に聞いたらOKとのことでしたのでそのまま出ました。ところが、下車した人でトヨタスポーツセンターに行きそうな人は一人も居りません。駅出口にトヨタスポーツセンターへの案内表示が有りましたので、安心してその方向に進んでいきました。

どこかで、この駅から10分との案内を見た覚えが有りますので試合開始時刻まで40分ほどあることから充分余裕は有るもの悠々と目的の方向にゆっくりと歩いていきました。目標のトヨタスポーツセンターへの案内表示は、駅出口以降、全く見掛けませんでした。


順位 チーム名 ロゴ 勝点 得失点差
ジュビロユース 18 6 0 1 +15
グランパスユース 17 5 2 0 +9
静 岡 学 園 15 4 3 0 +10
藤  枝  東 12 3 3 1 +3
方角は判っていたのですが、その方向に通ずる大きな道が二つ有りました。選択に迷いましたが右の道を選んで山道を登っていきましたが、地図にある途中の老人保養施設が行けども行けども見当たりません。どうやら、道を間違えたようなので引き返して左の道を再び登っていきました。すると、目当ての老人保養施設が左手に見えてきましたので、ほっとして更に登っていきました。やがて、トヨタスポーツセンターの本館らしい大きな建物が見えてきました。


今日、ヤマハスタジアムで行われたプリンスリーグ東海の7回戦で現在4位の藤枝東が、6戦6勝でダントツ1位のジュビロユースを1:0で破る大金星を挙げました。この試合、藤枝東は、村松、大井涼の2トップ、海野、蓮池、藤田、小林の4MF、太田、岡崎、マーク、高嶋の4バック、GK木村で開始され、立ち上がりこそ押し込まれましたが、中盤からほぼ互角の展開になりました。そして、後半のロスタイム寸前に、主将のMF小林がフリーキックを直接決め、これが決勝点となりました。

この結果藤枝東に、3位に上がって全国大会に出場できる可能性が残されることになりました。もし、7月5日(土)に豊田市のトヨタスポーツセンターで開催される8回戦でグランパスユースに勝ち、更に最終戦で藤枝明誠に勝ち、一方グランパスユースが最終戦でジュビロユースに負けると藤枝東が勝点18となり、グランパスユースの勝点17を上回り3位になるからです。

ジュビロユースは現在勝点18で、残り2試合を連敗しても4位以下のチームで勝点18以上を確保できるのは藤枝東のみで、得失点差で大差で上回るため3位以内が事実上決定しております。静岡学園は7月5日(土)の首位のジュビロユース戦に負けても最終戦の磐田東には勝算が立ち1勝1敗が順当と思われますので勝点18になり、グランパス、藤枝東の動向に関係なく3位以内に入るのはほぼ確実と思われます。

従って、7月5日(土)の藤枝東、グランパスユースの勝者が3位以内に入るものと思われますので、この一戦を現地の会場で観戦することにしました。会場のトヨタスポーツセンターは自宅から名鉄線で1時間半程度で行けますので、ナイター戦ですが楽に日帰りできます。
がんばれ! 藤枝東

到るところに名古屋グランパスの球団旗がはためいていました。左折してトヨタスポーツセンターの構内に入っていきました。歩いているのは駅から私一人だけでした。奥の方に向かって行く車が数多く私の横を通り過ぎていきましたので、ここへのアクセスの基本は車で、駅からの徒歩は不向きであることが後で知ることになりました。

更に、構内の大通りを奥の方に歩いて行くと「サポーター専用入口」と表示を見かけましたので道路を横切ってその階段を入っていくとやがてストイコビッチ記念碑がが見付かりました。しかし人気が無いのを不思議に思いながら、名古屋グランパスの練習場と思しきスタンドを見渡すと、選手も観客も誰一人居ません。試合開始まであと20分ですから早すぎるわけが有りません。日時が間違ってないことは確認済みですので、場所を間違えたようです。
「サポーター専用入口」の表示のある階段

ストイコビッチの記念碑

また階段を下りてもとの場所に戻り、微かに応援のと思われる歓声が聞こえてくる方向に向かって歩いていくと、やがて大きな駐車場が目に入り、チラホラと静岡ナンバーの車が駐車していたことから、ここが目指す会場と確信しました。森を突き進んでいくと赤と黒のユニフォームのグランパスユースの選手たちが練習している風景が目に飛び込んできました。しかし、驚いたことに観客席は有りません。 更に驚いたことに、スコアボードもアナウンスも売店もトイレも有りませんでした。

観客席無く全周高いネットで覆われたグランド

携帯用の椅子に座って観戦する藤枝東サポーター

従って、この事情を知っている地元の人たちは、上の画像に見られるように、バッグに入れて持ち込んだ携帯型の椅子に座って観戦しておりました。結構、このバッグ重たそうですのでこれをも持って駅から歩いてくるのはしんどいこともあって車で来るようでした。33度の今年一番の酷暑の中、迷いに迷って汗だくになってやっと辿り着いた会場で、疲れた身体を休める間もなく、蚊の襲撃に怯えながら立ちんぼで観戦するしかありませんでした。

どうやら、この会場はグランパスユースの練習場のようでした。一方の名古屋グランパスの練習場は下の画像のように観客席も整備された立派なグランドで、プロ野球で言えば、一軍のナゴヤドームに対する二軍のナゴヤ球場のようなものですが、それにしても差が酷すぎるように思いました。芝の状態はさほど悪くはなかったようですが、照明の暗さには、不慣れな藤枝東の選手たちは戸惑ったことと思います。

観客席も整備された名古屋グランパスの練習場

試合は、村松(11)、大井涼(9)の2トップ、海野(12)、蓮池(14)、藤田(10)、小林(6)の4MF、太田(2)、岡崎(5)、マーク(3)、高嶋(4) の4バック、木村(1)のGKのスタメンで開始されましたが、体格、高さ、スピードに優るグランパスユースが終始ボールを7:3ぐらい の割合で支配し続け、試合開始早々から守勢一方でしたが、前半9分藤枝東の左サイドからのパスがよく繋がってグランパスユースのゴールエリア内でのボールの奪い合いが続きオウンゴールにより藤枝東が先制しました。更にCKなどで蓮池、村松、大井涼等が絡んでシュートが2回ほどポールに当たるなど攻勢が続きましたが、残念ながら得点には到りませんでした。 その後も、グランパスユースにボールを支配されながらも無得点に抑えましたが前半34分に同点ゴールされ1:1のまま前半を終了しました。

後半になって藤枝東の選手に元気の無いシーンが目立つように

しかし、後半になると情勢は一転して、藤枝東の選手の動きが悪くなり、早々に逆転ゴールを許してしまいました。グランパスユースの選手たちは藤枝東の選手に較べて体格も動きもよく、その上GKを中心によく声が出ており、応援団の歓声と相俟って藤枝東を圧倒しているように思えました。一般と同じく45分ハーフで行なわれるこの試合の後半が始まった7時16分頃は陽も沈んで照明塔の明かりが目立つようになりました。しかし、デジカメのシャッタースピードを最小限にして撮影したのに暗く映っている冒頭の写真から判るように照明があまりにも暗すぎたように思えました。

グランパスユースの選手たちは、この暗さの中で普段練習してますからそれほど暗く感じなかったと思いますが、藤枝東の選手には相当、暗く感じられたように思えました。実際に暗さに比例するかのように失点が増え続け、結局6:1という大差で藤枝東は負け、この時点で、藤枝東が3位に上がって全国大会へ出場する望みは消えました。

私がこの会場に来るのに2回も順路を間違えたこと、観客席が無くて立ち続けて疲れたこと、排尿を我慢し続けたこと、食事を取れなかったことは個人的なことですから、敢えて文句は言いません。しかし、このような重要な試合をあのような暗い照明のTS第2会場で行なうのに割り切れない思いを抱きました。この日、TS第1会場(名古屋グランパスの練習場)は空いておりましたし、TS第2会場もU15 U13 の試合のどちらかを午前中に回せば、この試合は4時キックオフ可能だったはずです。来年以降は主催者側にこの点、配慮頂きたいと思います。また、トヨタ自動車には、TS第2会場にせめて1,000席ぐらいの観客席とトイレを用意して頂くよう零細株主の一人としてお願いするものです。

現在のプリンスリーグ東海U-18の上位6チームの成績は下表の通りになっております。今日、各地で行なわれた試合結果で、下表の赤字の3位までの3チームの全国大会出場が決まっております。ただ、2008日本クラブユースサッカー選手権(U-18)のグループリーグがJリーグ傘下の24チームによって7月25日(金)から7月29日(火)まで行なわれますが、もしここでグランパスユースとジュビロユースのいずれかが決勝Tで優勝または準優勝すれば、4位が全国大会へ繰り上げで出場できます。更に、両チームが優勝または準優勝すれば5位が繰り上げで出場できます。従って藤枝東、磐田東、四中工、藤枝明誠の4チームに4位または5位になって全国大会に出場できる可能性が僅かですが残されております。

7月12日(土)に行なわれるプリンスリーグ東海U-18最終戦で、藤枝東が藤枝明誠に勝てばその時点で藤枝東の4位と藤枝明誠の7位決定。 磐田東は藤枝東が負けた場合にのみ静岡学園に勝てば4位決定、四中工は藤枝東が負け、磐田東が負けて常葉橘に勝った場合のみ4位決定、藤枝明誠は磐田東、四中工がともに負けて藤枝東に勝った場合のみ4位決定します。グランパスユースとジュビロユースには是非とも、クラブユース選手権で頑張ってもらって4位を繰上げて欲しいものです。その意味で、7月12日(土)の対藤枝明誠との藤枝ダービーに勝って、来る選手権に弾みをつけて欲しいものです。


順位 チーム名 ロゴ 勝点 得失点差
グランパスユース 21 6 2 0 +14
ジュビロユース 18 6 0 2 +14
静 岡 学 園 18 5 3 0 +11
藤  枝  東 12 3 3 2 -2
磐  田  東 11 3 2 3 +4
四  中  工 11 3 2 3 -5
藤 枝 明 誠 9 3 0 5 -9

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