藤枝東高物語(71)
藤枝東OB、山田の活躍で明大優勝 2010年01月11日の日記から
藤枝東高物語(72)
藤枝東OB 中山久しぶりのゴール 2010年01月12日の日記から


2006年 清水商との準々決勝で2得点を挙げた時の山田大記選手

昨年末のある日、何気なくNHKにチャンネルを合わせたところ、天皇賞予選で明治大がJ1のモンテディオ山形を破ったことを取り上げ、勝利に貢献した選手の一人として山田大記選手に焦点を当てておりました。山田大記という名前はどこかで聞いた覚えがあることからネットで調べたところ、母校藤枝東出身であることが判り合点がいきました。

そこで、当サイトの「藤枝東高物語」をレビューしてみたところ、2006年11月4日付「藤枝東高物語(23)(清水商を破って準決勝進出)」で、山田大記君について「・・・2得点したのに冷静だった山田君、1年生の時に国見にPKで負けて号泣した原田君を中心に、打倒浜名、打倒静学か橘 を期してもらいたいものです・・・」と記載されておりました。実は、3年前のこの年、清水商に山田大記君の大活躍で勝ったものの静岡学園に敗れ優勝を逃していたことから、選手たちについて積極的にフォローしていなかったため、山田大記君のこともすっかり忘れていたのでした。

確かにこの年、山田大記君は県選抜に選ばれてはおりましたが注目度は、DFでU-16代表の原田圭輔君や県選抜の三上佳貴君の方が高かったようでした。従って、彼が明治大にい進学したこともさほど話題にならず、私の記憶からは完全に去っておりました。明治大に進学した彼は、1年生でレギュラーとして名を連ね、2年生で頭角を現しMFとして活躍しましたが所属する関東大学リーグでは5位に終わり、4位までに出場権が与えられるインカレ(全国大学サッカー選手権)に出場できませんでした。ところが、3年生になった昨年、明治大のエースとして大活躍した結果、明治大は関東大学リーグで3位としてインカレ出場を果たし、更には天皇杯で大学代表として出場、2回戦でJ2の湘南ベルマーレ、3回戦でJ1のモンテディオ山形を破り、大学チームとして初めてJ1チームを破るという大金星を挙げてNHKに取り上げられたのでした。

結局、天皇杯は4回戦でJ1のアルビレックス新潟と対戦しその状況がテレビで全国放送され私も観戦しました。山田選手も活躍し中盤でパスを回し、新潟に16本のシュートを浴びせながら枠を捕らえ切れず3:1で敗れたものの大学サッカー界の躍進をアピールすることに貢献しました。また昨年、彼は関東大学リーグでの活躍が認められて、ベルグラードで開催された第25回ユニバーシアードの日本代表に選ばれました。日本は、山田選手の活躍もさることながら、フランスに勝った後、福岡大三年生の永井謙佑(3年)がブラジル、タイ戦で連続ハットトリックを演じて連破し決勝Tに進出してからセルビアを破った後、準決勝でイタリアに敗れたものの3位決定戦でイギリスを破って銅メダルを獲得したのでした。

大学サッカーは高校サッカーに較べてメディアの注目度が低く、最大イベントの全国選手権で、高校は一回戦から出場校の地元で、国立での準決勝・決勝戦は全国に夫々生中継されるのに対して、大学は地元は勿論、準決勝・決勝戦も全国生中継は有りません。ただ、今年は5日遅れの今日の深夜、テレビ朝日の特別の配慮で、51年ぶり二度目の優勝を狙う明治大と大学二冠のひとつ総理大臣杯で初優勝を果たしインカレ初優勝で初の大学二冠を狙う福岡大とのインカレ決勝戦が録画放映されましたので観戦しました。

明治大は準決勝で先発した4バックのうち、左膝負傷のDF蛭田達也(4年)が欠場し、ほかにもDF2選手が出場停止という苦しい状況でしたが、エースMF山田大記(3年)の負傷が癒えインカレ初先発、一方の福岡大には既にJクラブに内定している4人に加えて前出の永井謙佑選手が居りますが、その永井が日本代表のアジア杯予選イエメン戦(6日、イエメン)メンバーに招集されたため欠場し、今大会初出場となるU-18日本代表FW清武功暉が代わって出場しました。

両MFの精度の高いキックから決定機をつくる福岡大に対し、明治大は中盤の底に位置するMF小林裕紀(3年)のスペースへ落とすボールや、山田大記の意外性の高いパスで前進して優位に試合を進め、前半43分、自陣でボールを奪うと前線へ飛び出したFW山本紘之(3年)へ縦パス。絶妙な胸トラップからPAへ侵入した山本はそのまま柔らかいタッチの左足シュートで飛び出してきたGKの頭上を射抜いて先制ゴールを決めました。福岡大は前半ロスタイム、左サイドのライン際を強引に突破したMF市川稔(3年)が右足シュート。そのこぼれ球を藤田が右足でゴールへと叩き込んで同点としました。

追いついた福岡大は後半開始から今大会スーパーサブとして2得点をたたき出しているFW高橋祐太郎(4年)を投入し、一気に勝ち越しを狙うものの、山田と小林を経由するパスや、豊富な運動量で前線をかき回すMF都丸昌弘(4年)らから決定機をつくり出す明大が徐々に試合を支配し、後半19分、明大は左サイドから強引にPA内を突進した山本のシュートのこぼれ球をFW久保裕一(3年)が左足シュート。DFの股間を抜けたボールはそのままゴールへと吸い込まれて2:1と再びリード。

福大は後半26分、藤田の左FKを途中出場の前山恭平(4年)がニアサイドでそらす。これが鋭くゴールを捉えるが明大GK高木駿(2年)がスーパーセーブ。福大は直後の右CKからCB牟田雄祐(1年)が放ったヘディングシュートがポストをかすめ、38分には決定的な左クロスから途中出場のFW石津大介(2年)が左足シュート、43分には前山がフリーで再び決定的な右足シュートしたものの明大の守護神が立ちはだかるなど、福岡大のロスタイムの猛攻を凌いだ明大が2:1で勝利し、約半世紀ぶりに大学日本一に返り咲いたのでした。

この試合での山田大記選手

明治大優勝を告げる国立競技場の電光掲示板

彼は、ドリブル突破と足元の高い技術が持ち味の逸材で東京、横浜、鹿島、浦和、磐田が獲得に動いておりますが、中学時代にジュビロ浜北でプレーし、藤枝東出身者が多く在籍する磐田が有力のように思われます。中山雅史、山田暢久、長谷部誠に続く藤枝東出身の日本代表として、山田大記選手が2014年にW杯開催地ブラジルに行くことも夢ではないと思います。是非、今年も彼の活躍で明治大が関東大学リーグ、総理大臣杯、インカレの三冠を制することを願うものです。 がんばれ!山田大記君 


エコバの電光掲示板に表示された両軍メンバー

1月10日(日)、エコバスタジアムで行われた名波浩引退試合に、なんと2002年日韓W杯以来の4万人越えの43,077人の大観衆が詰めかけました。その理由はこの試合に動員された選手の顔ぶれが凄かったからです。ヒデ、ゴン、カズの黄金トリオに井原、秋田、森島、奈良橋、相馬、高原、藤田、奥、山西、北澤、澤登、岡野、城、福西・・・W杯フランス大会に出場した元日本代表を中心に構成されたチーム「AZZURRI GIAPPONE」とジュビロ磐田の現役、OB選手から構成されたチーム「STELLE JUBILO」が前後半45分ハーフで戦うという形で引退試合が行われました。

日本代表組の「AZZURRI GIAPPONE」は前半早々、ヒデから名波へ、名波から浮かしたパスをカズへ、そしてゴンゴールと思いきやオフサイド、ヒデのキラーパス、名波のパスも見事、カズのポジショニングの良さ、ゴンは相変わらず外しまくりながらも走りまくり、名波のセンタリングから秋田のヘッドとカズの2ゴールで3点を挙げたのに」対し、「STELLE JUBILO」は川口信男の1点のみで、前半終わって3-1で日本代表組のリード。

後半は、名波とゴンが「STELLE JUBILO」に移って、高原と名波がゴンにパスを回す展開が続きました。前園に4点目を決められ4:1になった後、ゴンがゴール手前でシュートしようとしてGKと衝突して転倒、主審のKY的判定でPK、これを名波が難なく決めて4:2.更に名波の浮き球にゴンが素早く反応し落ち着いて右足を振り抜いて待望のゴン・ゴール。キャプテンマークを巻いた両手を広げ、歓喜しておりました。久しぶりのゴンゴールで4:3。

終了直前に高原が同点シュートを決めた後のロスタイム、桜井和寿(ミスチル)のドリブル突破から、高原が繋ぎ、山西がクロスを入れると名波が見事なボレーシュートを決め5:4で「STELLE JUBILO」が勝ち、名波の引退試合に自ら有終の美を飾りました。フル出場の名波は、主人公に相応しい2得点2アシストの見事な活躍でした。

現役、OBのJリーガーたちのプレーも見事でしたが、名波氏の友人として出場した4人のタレント芸能人「桜井和寿 (Mr. Children)、脇田寧人 (ワッキー、ペナルティ)、土田晃之(タレント)、矢部浩之 (ナインティナイン)」のプレーも見事でした。選手たちのプレーの邪魔にならないように、派手なパフォーマンスでメモリアルゲームの主旨を妨げないように、それでいて元高校サッカー選手としての技量を発揮させるなど観ていて爽やかでした。特に、桜井和寿さんの名波の決勝ゴールに繋がったドリブルは実に見事で、Jチームからオッファーが出るのではと思わせるほどでした。関連動画参照。

また、「STELLE JUBILO」の現役組には藤枝東OBのMF成岡翔、DF大井健太郎が先発出場し、現役らしいプレーを見せてくれました。最後の挨拶で、名波氏は、「本日は、名波浩引退試合!並びに、鈴木秀人引退試合!並びに、札幌でがんばれ!ゴン中山メモリアルマッチ!・・・桜井さん、矢部さん、ツッチー、あと一人忘れましたが・・・」と笑いを誘っておりました。

ところで、今日のメンバーを観て、何か足りないないような気がして、ふと思い出しました。ノブこと武田修弘です。ゴン、ノブ、カズの日本代表静岡トリオのことは、「静岡トリオのこと」で紹介しておりますが、あの「ドーハの悲劇」の因をなしたとされるノブの痛恨のパスミスのことがまだ尾を引いているのでしょうか。また、ラモスも顔を見せてなかったのも、このことに関係有ったのかもしれませんが、カズ、ラモス、ノブ、キタのヴェルディ・カルテットも観たかっただけに残念でした。

国歌を口ずさむヒデ、キタ、ゴン、カズの豪華な顔ぶれ

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