藤枝東高物語(65)
母校藤枝東、選手権県予選敗退2009年11月14日の日記から
藤枝東高物語(66)
清水商vs藤枝明誠の決勝戦に 2009年11月28日の日記から


来年の活躍が期待される一年生FW安間(今日の飛龍戦で)
(「がんばれれ藤枝東高」より)

母校、藤枝東は今日行われた決勝トナメント一回戦で飛龍高校に5:3で惨敗しました。
藤枝東が負けた試合の中で、今日ほど酷い試合は知りませんし、今日ほど弱い藤枝東
は知りません。スコアからすれば、一昨年の流経大柏戦の4:0の敗戦の方が点差も大き
く内容も一方的でしたが相手はこの試合で勝ち全国選手権大会で優勝したチームです。
しかし、今日の相手は少なくとも私は今日までその存在すら知らなかった高校です。

ところが、この飛龍高校についてネット検索して調べてみたところ、意外な事実が
判明しました。この高校の前身はは戦前の昭和17年(1942)に設立された私立の高等女
学校で、1948年に「沼津学園高等学校」に改称、2003年に現行の「飛龍高等学校」に
校名変更されております。
スポーツ系の部外活動が盛んで、特に男子ソフトは全国総体優勝2回、全国選抜優勝4
回、レスリング部は全国選抜優勝1回、水泳部は県総体20連勝、県新人20勝、東海総体
優勝9回、北京五輪に卒業生3人出場の全国区の名門校、そして野球部も夏の県大会で
ベスト4に4回の実績を持ち、問題のサッカー部も今年のスルガカップ県ユースリーグ
Aリーグで優勝し、来年から東海プリンスリーグ(2部)に昇格しております。

沼津学園時代は県選手権で1次T(トーナメント)で敗退が続き、2次L(リーグ)出場
を果たせませんでしたが、平成17年度に初めて1次Tで3連勝して2次Lに出場し、
初戦で藤枝東に4:1で敗れ決勝Tへの出場を逃しております。そして、今年になって
1次Tで3連勝、続く2次Lでも総得点17で3連勝し、今日初の決勝Tで藤枝東を5:3
で破り、4年前の雪辱を果たし、来年の東海プリンスリーグ(2部)では、藤枝東と1部
昇格を競うことになるわけです。平成17年度以降の、同校の選手権戦での全成績を
以下にリストアップしてみました。12勝7敗1分の堂々たる成績でした。
従って冒頭で同校を「存在すら知らなかった高校」と評したのは県外に居住する私
の無知に依るもので、静岡では常葉学園に次ぐ私立の強豪校でしたので、今日の
藤枝東戦での勝利もあながち大番狂わせとも言い切れないように思えます。

平成17年度1次Tで相   良5:0〇 加藤学園2:0〇 吉 原 工2:1〇 静岡3:1〇
平成17年度2次Lで藤 枝 東4:1● 清 水 商2:1● 磐 田 北3:2●
平成18年度1次Tで袋 井 商3:1〇 清 水 東4:0●
平成19年度2次Lで常 葉 橘4:2● 暁    秀2:1● 吉 原 商7:1〇
平成20年度1次Tで伊 東 商7:0〇 浜松湖南1:0●
平成21年度1次Tで御殿場南5:1〇 浜松湖南2:0〇 島 田 工4:1〇
平成21年度2次Lで暁    秀2:2△ 浜 松 南6:0〇 オイスカ9:0〇
平成21年度決勝Tで藤 枝 東5:3〇

今日の試合は「がんばれれ藤枝東高」の「試合速報」でチェック、現地で観戦して
おりませんので、試合状況をコメントする資格は有りませんが、ネットでの選評に
私感を交えて次のように纏めてみました。

前半開始10秒、ロングパスを受けた飛龍の一年生FW澤上が藤枝東のDFの裏に抜け出
して先制ゴール。速報での、ゆうさんの「前半14秒失点」のメッセージの「失点」
が「得点」の誤記ではないかと一瞬疑ったほどに驚きの先制ゴールでした。
まさに全国区クラスの驚異の一年生ストライカーです。

果たして、藤枝東のDF陣はこの事実を事前に察知して対処していたのでしょうか。
その僅か3分後、現地のゆうさんから「前半3分失点。0-2」が速報板に表示されて
疑っていた失点が誤記でないことを確認しました。
なんと、またもやFW澤上がMF滝口のロングパスを受けて、藤枝東のDF陣を翻弄す
るかのように2点目のゴールを決めました。まだ経験の浅い一年生FWに3分間で2点
も取られるようなDF陣では静学、清商、明誠クラスには勝てません。

この先制ダブルパンチにうろたえた藤枝東は、前半9分にも澤上のスルーパスに
対応できず、反応したFW川口にポスト直撃のシュートを受ける有様、それでも
前半10分に、先制点に余裕を持ち過ぎたのか飛龍のGK光安がバックパスの処理を
誤って藤枝東のFW柴田にゴールを決められ2:1になった時点で、これなら充分勝機
は有ると思ったその25分後、ドリブル突破したMF遠藤がペナリティー内でDF加藤
をフェイントでかわしてゴール右隅に決め3:1となった時点で敗戦を覚悟しました。

前半ロスタイムで得たPKもセーブされるなど、飛龍にもミスが多かったのに藤枝
東にはミスに付け込む力が無かったようです。
後半22分、右からのクロスをFW澤上が流し込んで飛龍4点目。これで澤上は
ハットトリック達成。これで澤上は1次トーナメントから7戦連続15ゴール目を
マークしたことになります。更に後半29分には、ドリブルでゴール前まで持ち込ん
だMF杉山が個人技で藤枝東DF陣を翻弄して5:1となって事実上試合終了。
後は、余裕を持った飛龍が控えの2選手に交代、藤枝東も2選手に交代した結果、
藤枝東得意のパスが繋がるようになり、後半33分に蓮池、39分に大井が得点し
5:3と迫ったものの序盤の大量失点が響いて逆転できず3連覇の夢は断たれました。

明らかに実力は、飛龍が勝っており、特にFWとDFで格差が見られたようです。
パス廻しでは藤枝東、ドリブル突破では飛龍に分が有るように思われました。
正面スタンド前に整列しようとする両校選手たち
(From mitsuzawa northeastより)

選手権県予選・決勝トーナメントの戦績表

故郷、静岡での高校サッカー選手権・県予選で、三連覇を目指した母校、藤枝東は先々週土曜日の決勝トーナメント一回戦で、開校以来二度目の決勝トーナメント進出を果たした飛龍(2003年に沼津学園から現在の校名変更)に、開始10秒で先制点、開始3分で2点目を取られるという失態を演じ、それでも前半に1点を返して2:1にするも、その後3点を追加され後半終了間際に2点を返すも時すでに遅く、結局5:3で惨敗してしまいました。

敗因は、ハットトリックの飛龍の澤上は全国クラスの一年生FWで前評判も高かったのに藤枝東の対応が不充分だったこと、開始10秒での先制点でDF陣が動揺し冷静さを失なったことに尽きるように思われますが、明らかに力は飛龍が勝っておりました。その飛龍は、思ってもみなかった2連覇中の強豪、藤枝東を破った勢いで先週土曜日、快晴の草薙球技場で一昨年の決勝戦で藤枝東と対戦して2:0で負けたものの2005年県予選優勝校の常葉橘と準々決勝戦を戦いました。

常葉橘は、兄弟校の常葉菊川が中日ドラゴンズ出身の佐野氏などプロ経験者をスタッフに迎えて2005年のセンバツ、明治神宮大 会で優勝したのと同様に、元日本代表でヤマハ、ジュビロ磐田の初代監督経験をもつ長澤和明氏を監督に迎えてから強くなり、2005年には県予選で初優勝を果たし、今年は静学、清商、明誠とともに特別シードされた、今や押しも押されぬ静岡の強豪校です。

尚、余談ですが、長澤和明氏の幼少だったお嬢さんが、氏の自宅によく出入りしていたヤマハ、ジュビロ磐田で氏の教え子だった藤枝東OB中山のお嫁さんになりたいと言いと言ったのに対し中山がOKしたとの逸話が以前週刊誌で報じられたことが有りましたが、その中山はその後、J1最高得点(157)、W杯日本初得点という日本サッカー史上燦然と輝く記録ホルダーとなり、一方のお嬢さんは今や押しも押されぬ大女優、長澤まさみとなり、また長澤和明氏は昨年から浜松大学サッカー部監督として活躍されております。

この試合も直接観戦しておりませんので、ネット検索で得た情報を基に纏めてみました。この試合も、先週の藤枝東戦でハットトリックを演じ、目下1次トーナメントから7戦連続15ゴール中の驚異の一年生ストライカーのFW澤上が、前半21分に得たFKで見事に常葉橘の壁をかいくぐって先制ゴールし、飛龍が藤枝東戦と同様に優位に立ちました。ところが、常葉橘が、27分にFKからのこぼれ球を二度に渡って拾いFW宮ヶ原が押し込んで橘が同点に持ちこみました。

そして34分、左サイドでパスを受けた澤上がパスを受けるとドリブル突破して鋭角の位置からのシュートは僅かに枠外に外れてしまいました。結果論ですが、もし27分にこぼれ球を飛龍が処理してシュートを防ぎ、34分の澤上のシュートが枠内に入っていたら2:0となってこのまま飛龍が押し切っていたかもしれません。結局、前半は1−1で終了しました。

後半も前半の流れを引き継いで常葉橘がやや有利に試合は展開し後半19分、常葉橘のMF松下がドリブル突破したボールを飛龍の選手が倒しPKと判定され、MF松下がを決めて常葉橘2:1と逆転。ところが、その3分後の22分、今度は飛龍のCKボールを常葉橘選手が頭でクリアしようとしたところ誤って自陣に入れてオウンゴールとなり、再び2:2の同点になりました。その後、ゴール正面に飛んだり、オフサイドに判定されるなど飛龍にとって惜しい場面も有りましたがそのままで10分ハーフの延長戦に入りました。

延長前半9分、常葉橘のMF小野寺が上げたCKからのボールをMF松下が頭で合わせて決勝ゴール。常葉橘がそのまま逃げ切って逆転勝ちしました。まさに、実力伯仲の好ゲームでした。これで、飛龍が藤枝東を破ったのは決してフロックではなく実力に依るものであることが立証されたわけです。一年生ストライカー澤上を擁する来年飛龍は、静学、清商、明誠、常葉橘などの強豪校を脅かす台風の眼になるような予感がします。

ところで、冒頭の対戦図にありますように、こうして飛龍を破った常葉橘は、今年心境著しくプリンスリーグ東海で勝点22で並びながら得失点差で優勝を逃して惜しくも3位になった藤枝明誠と準決勝を戦い、2:1で敗れ、一方、伝統の静清対決の静学対清商が3:1で清商が勝ち、来週土曜日のエコバでの決勝は、藤枝明誠と清商の間で行われることになりました。藤枝明誠は2年ぶり、清商は9年ぶりの決勝進出となりました。私としては、藤枝勢の三連覇ということで藤枝明誠を応援したいと思います。


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