藤枝東高物語(105)
藤枝東 清水商破ってプリンス首位堅持2012年06月09日の日記から
藤枝東高物語(106)
藤枝東不可解な裁配でプリンス3連敗2012年09月016日の日記から


対清水商戦で決勝ゴールをあげたDF新村(がんばれ藤枝東高より)

プリンス東海L13節の9月8日の四中工戦の会場、東員町スポーツ公園


この数年間の静岡県高校サッカー界は成績の観点からすれば静岡学園の1強時代
に在ると言っても過言ではないと思います。清水商を含めて2強時代と言う人も
おりますが公式大会での優勝回数は静岡学園が清水商を圧倒しており同等扱い
には無理があります。藤枝東OBの私からすれば藤枝明誠、藤枝東も含めて4強時
代と言いたいですが更に無理があります。理由は下表で一目瞭然と理解出来ます。
過去3面間の静岡県高校サッカー有力4校の公式大会成績

確かに、静岡学園、清水商、藤枝明誠、藤枝東の4校は公式大会で優勝に絡んだ
シード校に指定されており、4強という言葉の是非はともかく上位有力校である
ことに異論は有りません。そこでこの4校の静岡県の高校サッカー公式行事4大
大会(新人戦、総体、プリンス東海、選手権)の成績を優勝(◎)、準優勝(○)、
ベスト4(●)で表示したのが上表です。

4大大会のうちプリンス東海は東海4県に跨るリ−グ戦ですので参考に留める
ことにして残りの三つの直近3年間での静岡県公式大会に絞ってこの4校の成績
に注目してみます。静岡学園は9回ある決勝戦のうち実に8回も進出して何と6回
も優勝しているのです。言い換えれば県大会の2/3優勝で占めていることになり
まさに1強に相応しい堂々たる戦績です。

一方の雄と目される清水商は、9回ある決勝戦のうち確かに7回も進出しており
ますが優勝は2回に留まっております。つまり優勝回数は静岡学園の1/3でしか
なく、両雄とは言えても2強とは到底言えません。藤枝明誠も9回ある準決勝戦
のうち8回も進出しておりますが一度も決勝進出できずベスト4で終わっており
ます。藤枝東は9回ある準決勝戦のうち6回進出してうち2回決勝進出し1回優勝
しております。

そこで、優勝=5点 準優勝=3点 ベスト4=1点と加点して総合評価すると以下にな
ります。

1位: 静岡学園   5点X6 + 3点X2 +1点X0 = 36点
2位: 清 水 商   5点X2 + 3点X5 +1点X1 = 26点
3位: 藤 枝 東   5点X1 + 3点X1 +1点X4 = 12点
4位: 藤枝明誠   5点X0 + 3点X0 +1点X8 =  8点

この評価では、静岡学園は清水商とは互角に近いのですが、藤枝東と藤枝明誠
には相当な格差を付けております。そして藤枝明誠がこの3年間決勝戦にすら
出場していないのは意外なことで、世評とは裏腹に藤枝東にも差を付けられ4校
中最下位の位置付になっております。

この感覚が藤枝東ファンに実感できないのは、下表に示すとおり3年近くにわた
って東が明誠に5連敗していたことによるものと思います。
明誠の東に対する強さは韓国の日本に対する強さに相通ずるところがあるように
思えてなりません。しかし、プリンス東海の初戦の藤枝東快勝でピリオドが打た
れたことと思います。
                  
                 過去3年間の対藤枝明誠戦の戦績
09-04-11 プリンス東海第1節  ●藤枝東0-3○ 藤 枝 明誠  藤枝総合運動公園
10-01-24 新人中部2次T準 々  ●藤枝東0-1○ 藤 枝 明誠  藤枝総合運動公園
10-11-03 選手権 決勝T1回戦  ●藤枝東0-3○ 藤 枝 明誠  富 士 運 動 公園  
11-01-30 新人中部2次T決 勝  ●藤枝東1-2○ 藤 枝 明誠  藤枝明誠グランド
12-01-29 新人中部2次T決 勝  ●藤枝東2-4○ 藤 枝 明誠  藤枝東高グランド
12-04-07 プリンス東海第1節  ○藤枝東2-0● 藤 枝 明誠 藤枝総合運動公園

藤枝東が静岡学園を苦手にしていると人は言いますが、上表の静岡学園の圧倒
的な戦績からすれば県内の他校全てが静岡学園を苦手にしているのであって、
何も藤枝東に限ったことではありません。ただ、苦手意が強いのは次に示すよう
に藤枝東はこの3年間、失点13、得点2で5連敗を継続しているからです。
藤枝明誠や静岡学園など特定校に対して3年もの間、5連敗もするのは恥であり、
選手諸君は勿論、監督、コーチ等指導者たちは何を考えているのでしょうか。
          
          過去3年間の対静岡学園戦の戦績
09-02-15 新人戦準決勝      ●藤枝東1-3○ 静 岡 学園  藤枝市民グランド
09-06-27 プリンス東海第7節  ●藤枝東0-3○ 静 岡 学園  富士総合グランド
10-05-29 県総体準々決勝   ●藤枝東0-2○ 静 岡 学園  藤枝明誠グランド
11-06-05 県総体  決 勝   ●藤枝東0-2○ 静 岡 学園   エコパ
11-11-20 県選手権準決勝   ●藤枝東1-3○ 静 岡 学園   エコパ  

一方、清水商に対しては下に示すように互角の戦いをしております。
要は選手の気の持ち方次第であることの何よりの証拠だと思います。
静岡学園、藤枝明誠にも同じように接すれば過去3年間のようなぶざまな成績を
残すことはないと思います。

          過去3年間の対清水商戦の戦績
10-10-23 選手権 2次リーグ   ●藤枝東1-2○ 清  水  商  湖西運動公園
11-02-27 新人戦 決 勝 戦   ○藤枝東2-1● 清 水 商  日本平運動公園
11-05-29 県総体 準決勝戦   ○藤枝東1-0● 清 水 商  愛鷹多目的競技場
12-05-27  県総体 準決勝戦    ●藤枝東1-3○ 清  水  商 富士総合運動公園

まえがきが長くなりましたが、今日のプリンス東海第8節の清水商戦を迎えるに
当って私の思いを披露してみました。
この試合は生観戦、テレビ観戦のいずれもしておりませんのでその経過は判りま
せんが、速報でDF新村の決勝ゴールで1:0で勝利したことを知りました。

これで藤枝東は勝点18でプリンス東海1部で堂々の首位を突っ走っております。
静岡学園の全国リーグ昇格で、言わば鬼の居ないプリンス東海1部、清水商も藤枝
明誠も下位で喘いでおります。まさに今年は優勝の絶好のチャンスです。
意外と強敵は、浜松開誠館、帝京大可児かもしれません。
この2校には自信を持って戦えるはずです。 がんばれ 藤枝東! 

高校3年は人生の岐路ともなる大切な時期です。部活で活躍する3年生選手にとっては2年間で積み上げてきた実績を生かす総決算の場です。野球、サッカー、ラグビー、バレー、バスケット等で全国優勝を果たしたメンバーの大半は3年生選手でした。藤枝東がサッカーで全国大会で準優勝した2007年のイレブンの殆どはやはり3年生選手でした。

その折りのベスト11を下記しましたが錚々たるメンバーです。決勝で対戦した流経大柏の大前君と河井君は今では清水エスパルスで同僚、村松君はロンドン五輪壮行試合、NZ戦で1:0の勝利寸前のロスタイムに致命的なミスを犯しGKの権田に胸ぐらを掴まれるシ−ンがTV画面に映し出され話題になり、藤田君は慶応の主将として大活躍するなど記憶に新しいところです。

FW松田純也 3年 細江中 U-18県選抜 得点王 ベスト11→同志社大
FW岡崎太一 2年 藤枝中 →関西学院大
MF河井陽介 3年 青島中 U-18県選抜MVP アシスト王 ベスト11→慶応→清水エスパルス
MF平井大樹 3年 焼津中
MF藤田息吹 2年 藤森中 →慶応大
MF小林勇輝 2年 浜松東部中 →明治大
MF石神幸征 3年 服織中 U-18県選抜 ベスト11→筑波大→水戸ホーリーホック
DF鳥羽亮佑 3年 橘中 U-18県選抜 ベスト11→筑波大
DF小関教平 3年 六合中 優秀DF立命館大
DF村松大輔 3年 焼津中 ベスト11→湘南→清水エスパルス(U23日本代表)
GK木村誠志 1年 高師台中 新人王→退学

ところがプリンス東海で、浜松開誠館戦から今日の橘戦まで下記に示すように1、2年生を多く起用してから3敗1分と惨憺たる成績で一気に首位から3位に脱落してしまいました。この4戦で実績豊富な3年生の白井、田口、相佐を出場させない理由が理解できず不可解な裁配と言わざるを得ません。体調不良、進学事情、監督方針のいずれかと思われますがいずれも納得出来ません。(左か対戦日、勝敗、対戦校FW MF DF GKの順、名前右の数字は学年)

9/16△常葉橘 新村1 小谷1 櫻井2 宮永3 渡辺3 白井3 熱川2 安藤2 西川3 大村2 大泉3
9/08●四中工 新村1 小谷1 櫻井2 藤原1 北嶋3 渡辺3 川本1 西川3 原田2 大村2 長沢1
9/02●ジュビロ 相佐3 櫻井2 田口2 白井3 宮永3 渡辺3 山内3 西川3 安藤2 新村3 大泉3
7/21●開誠館 田口2 小谷1 新村1 藤原1 北嶋3 渡辺3 川本1 西川3 安藤2 原田2 大泉3

体調不良なら止むを得ませんが、3人も揃うのは不自然で仮に事実としてもこの時期に体調不良を起こすなど自覚が足らず選手失格です。次に、監督方針が事実なら来年の無い3年生が居る高校サッカーでは有り得ないことで、もし事実なら教育者、監督失格と言わざるを得ません。最後に残るのが進学事情ですが、もし事実なら藤枝東高物語(97)から引用し次の一文を選手諸君に送りたいと思います。

                − 東高選手諸君へ −

五輪ベルリン大会で逆転ゴールして優勝候補スウェーデンを破り「ベルリンの 奇跡」を演じた松永行 W杯で日本人で初得点した中山雅史 日本最高の右ボラ ンチとなった長谷部誠等、それぞれの世代で日本を代表する名選手たちが駆 けまわった千南原のグランド、先輩たちの尽力で今や人工芝になったそのグラ ンドで練習に励む時、君たち選手諸君はそんな栄光が秘められいることに思い を馳せることが有りますか。

かって、天皇杯が開かれ、昭和天皇が観戦に来られたこのグランドは、サッカ ー選手を志す全国の少年たちにとって聖地であり、君たちが着ている藤色のユ ニフォームは憧れでした。時代は移り、他校も力をつけてきたことから、かっ てほど栄光を刻むことは少なくなったとしてもその伝統は連綿と伝えられてお ります。伝統は誇りをもたらしてくれます。君たちが苦境に陥った時、その伝 統や誇りが苦境を切り開くこころの支えとなるはずです。藤色のユニフォーム に憧れながら東校に入れなかった少年たち、藤色のユニフォームを着ることが 出来ても試合に出られない選手たち、こうして県外や国外から応援しているフ ァンやOBたちのことを思えば、弱音を吐いたり、手抜きしたり、意気消沈した りすることなど出来ないはずです。そんな藤色のユニフォームに誇りを抱いた ことが有りますか。

君たち選手諸君が藤色のユニフォームを着て一丸となってこれから選手権に挑 むことは今しかできません。そのことで進学や就職に支障を来すことが有った としても、後にいくらでもカバーできます。一心不乱にサッカーに打ち込むこ とは、君たちの人生に輝きを与え、後の人生を切り開く力をもたらしてくれる ことと思います。
 


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