風邪とインフルエンザ
(インフルエンザに関する解説(1))

先日、「かぜは人類最大の恵みか」と言うタイトルの日記を書きましたが、誤解が有るといけませんので、ここで言う「かぜ」は、当たり前のことですが、インフルエンザではないと言うことを改めてお断りしておきたいと思います。逆にインフルエンザは人類最大の不幸、少なくとも人類最後の疫病なのかもしれません。

英語では、かぜのことを 「cold」、インフルエンザを 「flu」 と言って明確に区別しております。しかしその症状に共通点が多いので素人が自分で正確に区別して診断することは難しいので、私は明らかに異なる点が有ればかぜとみなして休養して自然治癒を待ち、判らない場合は直ちに医師の診断を受けることにしております。

インフルエンザが流行している時期は医院や病院の待合室でインフルエンザウイルスに感染する確率が高いと考えこの時期に不要不急に医院や病院に行かないようにしております。診察を受けたら逆に酷くなった事例をよく耳にするので間違っているかも知れませんが勝手にそのように信じているわけです。

かぜは正確には「風邪症候群」と呼ばれ同じ症状を示す多くの病気の集合体で、この症状を引き起こす病原体は200種以上有り、その90%以上がライノウイルスやコロナウイルスなどのウイルスと言われております。インフルエンザウイルスもかぜ症状を引き起こすウイルスのひとつですからインフルエンザもかぜの一種とも言えます。

普通のかぜの症状は、のどが痛む、鼻がむずむずする、水のような鼻汁が出る、くしゃみや咳が出るなどが中心で、全身症状はあまり見られず、発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することも滅多には無いようです。一方、インフルエンザは38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強い点が普通のかぜと 少し違いますが、のどの痛み、鼻汁などの症状は普通のかぜと共通で区別できません。インフルエンザの怖い点は、気管支炎、肺炎などを併発し、重症化することで高齢者や幼児の場合は死亡に到るケースも有りますので注意が必要です。

普通のかぜなら、通常の健康的な生活をしておればまず罹ることはないと思われますが、インフルエンザは 飛沫感染と呼ばれる方法で感染しますので、いくら健康的な生活をしていても、インフルエンザに感染した人に近づけば、その人の咳やくしゃみによって撒き散らされた空気の中のウイルスを吸い込んで感染してしまいます。

例え、吸わなくてもそのしぶきが付着したもの、例えば電話の受話器やつり革、カラオケのマイク、タオルなどを触ったりすることによって感染し、感染して2日間くらいで症状が現れ、その後1週間くらいは他人にうつす恐れが有ると言われておりますので、インフルエンザの疑いが有るのに無理して出勤したり、登校することは反社会的行為と言われる由縁です。

インフルエンザウイルスは湿気や高温に弱い、逆に言えば乾燥した冷たい空気中では強く長生きしますので、インフルエンザは冬場に、まずは寒冷地から流行することになります。今年も北海道から流行する兆しが見え始めているようです。昨年SARSが中国での小正月の民族大移動を契機に広がったように、日本では年末の帰省による大移動を機会にウイルスが広がるため1月から2月頃が流行の最盛期となっております。 特に寒くて乾燥した空気によって上気道の粘膜の抵抗力を弱まりますので、のどの炎症から病状が顕在化することが多いように思われます。

インフルエンザの予防法には一般的な予防法とインフルエンザワクチンによる予防法が有ります。一般的には 人ごみを避け、外出後はうがい、手洗い、洗顔を励行、室内の湿度を保ち、 睡眠、食事を充分とって体力を維持することにつきます。一方、最近はワクチン接種が2,000円前後で出来るようになり、その効果もあがっているようです。但し、副作用の心配が有りますので事前に医師とよく相談して、特に高齢者や幼児はインフルエンザに罹ると重症になる恐れが有りますのでワクチン接種が奨められるようになりました。


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