トリインフルエンザの恐怖(1)
(インフルエンザに関する解説(4 ))

トリインフルエンザが昨年末から韓国、日本、ベトナム、タイ、台湾、中国、インドネシア、カンボジア、ラオス、パキスタンと東南アジア一帯で発生し、特にベトナムでは7人が感染し6人が死亡したとして、連日マスコミで大々的に報道されております。トリインフルエンザについては、先日この日記でも採り上げましたが、最近の報道はやや過剰に問題視する傾向が有り、不必要に我々を不安に陥れているように思えてなりませんので、再度採り上げてみたいと思います。

この問題を理解するには相当の専門知識を必要とし、こと人の健康、生命に関わるだけに、軽率に論ずることは出来ませんので、私なりに勉強してみましたが、所詮門外漢故に納得いくまで理解し、自信をもって意見を述べるまでには至りませんでした。従って以下の私の意見は正確さに欠け、かなり独断が入り込んでいることを前もってお断りしておきます。比較的判りやすく、冷静に解説している報道として、NHKの例が有りますので、これをご紹介しておきます。

私が強調したいのは、次の3種類の危険について過大に危険視していることです。

1.鳥を食べて感染する危険
2.鳥から人に感染する危険
3.人から人に感染する危険

まず有り得ないことですが、仮に感染した鳥が流通したとしても、75度C以上の温度に1分間以上曝せばトリインフルエンザウイルスは死滅しますので、充分加熱して食べるならば感染することはないとされており、これまでに鶏などを食べてトリインフルエンザに感染した事例はまだ報告されておりません。ここで、まず有り得ないと言い切りましたのは、これまでの事例では鶏などが感染してから病状が顕れたり、死んだりするのが早く、しかも集団で確認されますので、食肉として市場に流通する前に回収される可能性が大きいからです。従って、1.の危険については冷静に対処すれば充分危険は回避出来るものと思います。

トリインフルエンザが人類によって確認されたのは100年以上も前の1902年とされておりますが、それは鶏を飼育するようになったから判ったことで、飼育してなかった紀元前にも存在していたのではないかと思うのです。何故ならば、人間の間で広がっているインフルエンザもトリインフルエンザが人間にうつり、人間の間で流行するようになったものだと考えらているからです。

トリインフルエンザは基本的には人間、動物、鳥に共通ですが、通常はその間には越えることの出来ない垣根が有り、鳥の間で蔓延しているトリインフルエンザが人間や豚などの動物に感染することは基本的には無く、逆に人間の間で蔓延しているヒトインフルエンザが鳥や豚などに感染することはありません。それは、インフルエンザが生き物の細胞の中に侵入して大量に自分のコピーを作って感染を広めていきますが、そのコピーが正確なため他の生き物の細胞の中に侵入できないからです。

ところが、1997年に香港でトリインフルエンザに18人が感染して6人が死亡したことが報告され、鳥から人にトリインフルエンザが感染することが初めて確認され、最近ではベトナムで鳥インフルエンザに7人が感染し6人が死亡したと報道されたため、人間に感染する新種のトリインフルエンザではないかと騒いでいるように私には思えてなりません。しかし、WHOの調査では、感染した人はほとんどが感染鳥との直接的に接触が有ったとされておりますので、おれが事実ならば人間に感染しやすい新種とも思えませんで少し騒ぎ過ぎではないかと思います。従って、2.についても、家畜市場や養鶏場に近づいたり鶏糞に触れたりすることをしなければ危険は回避できると思います。3.については明日の日記にまわします。


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