雑感記

第 3 章 日本人の三つの欠点

多くの日本人が意外と気づいてない欠点として次の三つが有ると思います。

1.日本人の英会話は先進国、いや後進国中の最低レベルであること。
2.日本人のインターネット普及率は先進国中の最低レベルであること。
3.日本人の経済知識、投資意識は先進国中の最低レベルであること。

1.について

国際的な英語検定試験のTOEFLの国・地域別平均点が日本は164ケ国中155位で、中国、韓国、台湾 より下であることは勿論、アフリカの後進国より下であることはショックです。 香港、シンガポール、フィリピンの小学生達が流暢に英語を話すのを聞いていると我々日本人が中学、高校、大 学で英語を3年から10年も習ったのは一体何だったのでしょうか。 今や英語は国際共通語で、情報通信、科学技術、経済、芸術、スポーツの各分野で使われており特にインター ネットでは標準言語になっております。
日本では英語の読み書きが受験科目になっているため、聞く話す英会話が軽視されてきたことにも原因が有る ように思います。 中学・高校の英語教師の殆どがたどたどしい英語しか話せないのが実情です。 英会話塾がいくら盛んになっても根本的な対策にはなり得ないと思います。

2.について

日本人の携帯電話、ゲーム機、ビデオカメラの保有率は世界有数なのに、同じエレクトロニクス製品のパソコン の保有率は先進国中で最低なのは何故なんでしょうか。 答えは簡単で、その必要性を感じないからだと断言できます。 たしかに、ネットサーフィンで買い物をしたり、電子メールで友達とやりとりする程度では生活に密着してないの でそれ程必要性を感じないと思います。
更に携帯電話を使って電子メールすることが盛んになるとそのパソコンも要らなくなり保有率の増加は望めなく なる恐れも有ります。 米国の株式市場での個人投資家の比率は日本の7%に対して40%と圧倒的に多く、そのためパソコンで株式 情報を検索したりネットで株の売買をするので、パソコンは生活手段としても欠かせない手段になっております。 更にはクレジットカードの普及、国民総背番号制の実施、確定申告の全員実施などの社会事情がパソコンの 普及を促進していると思われます。 その反面、日本では現金支払いが多く、国民総背番号制も国民の抵抗が強く基本法案は成立したのに未だシス テム化しておらず、殆どのサラリーマンの確定申告は会社が代行する などの社会事情に加えて、インターネットの電話回線による通信料 が世界一高くて通信速度が遅いと言う劣悪な環境もパソコンの普及を遅らせている要因 になっているようです。 特にサラリーマンが自ら確定申告を行わないことが,*3.でも触れるように日本人の 経済知識を低下させていることに繋がっているように思われます。

3.について

日本では、個人の財産運用に預貯金が60%(一人当たり1000万円の1300兆円で世界一) を占めているのに対し、アメリカは逆に株、債権が60%を占めているので、奥さんや年金生活者 でもパソコンを使って相場情報をキャッチしたり、オンラインで売買するため 必然的に株価の変動要因となる内外の政治経済の動向に詳しくなります。
その点日本は、まず奥さん達が元本保証に拘るあまり郵便貯金や銀行預金に主体を置き、株、 投資信託は危険視して敬遠する傾向が見られます。
また、ご主人の男性達も確定申告を自ら行わないため納税意識が低いことも手伝って経済の しくみに疎くなり、また株式投資よりもパチンコ、競輪・競馬などに投資する傾向がみられます。 まして、既に米国では主流になっている401K(確定拠出型年金制度と言われ、会社が給料の一部を 本人の希望ランクに応じて株や債券に投資運用して本人の年金を決める制度) が日本では実施されてないためご主人の株式運用に対する関心は一向に強まりません。
つまり、夫婦揃って稼いだお金はせっせと預貯金し、株式等にあまり関心を持たないため実践的な 経済知識に疎くなっているのが実態と思います。
その結果、そうして日本の老若男女が一生懸命稼いで貯めた1300兆円もの巨大な資金が日本や米国の国債 のような流動性の悪いファンドに回ってしまい日本経済の回復に役だっておりません。
消費税より所得税の多いサラリーマン所帯に不利な現行税制を改めて消費税を上げて所得税を下げようと する案が出てきても反対する主婦達の本音が判りません。 こんなところに、自ら確定申告をしていないための実践的な納税知識の欠如が垣間見られるように思います。 また、デフレ不況の経験を持たないため、「安いことはいいこと」とばかり物価安、地価安、株安、円安を歓迎し そのために不況が深刻化してご主人の会社が危なくなりリストラや賃金カットされる恐れが有ることに目がいかないのです。

英会話が出来ないことで世界のグローバリゼーションの流れに乗れず、 パソコンが有効利用されないためITの本質的な経済効果が発揮されず、 実践的な経済知識の欠如が個人だけでなく日本経済発展をも妨げて いることに関心を持ってその対応を国を挙げて取り組まないと日本は本当に ダメな国になってしまうと心配するのは私だけでしょうか。
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