2章 温陽温泉にて(2) 夕食後、ホテル内のホールでカラオケが出来ると聞き、ハングル語で歌うのを 楽しみにしていた友人は喜び勇んでマイクを手にしたところ、何故かスタッフの 人にマイクを取り上げられてしまいました。 友人のたどたどしい会話によれば、プロ級の歌のうまい人ががステージで歌う のに合わせてお客がホールで踊りながら声を出すのを韓国ではカラオケと言う とのことで恥をかいて早々に部屋に引き上げました。 部屋に戻り、BS1で西武対ダイエーのナイターを見ながらビールを飲んで男 二人で侘びしくホテルの夜を過ごしていると突然電話が鳴り出したのです。 受話器をとるとハングル語の若い女性の声がしたので、友人に代わってもらい、 話の内容にに期待していたところ、友人は必死になってやりとりしていたので すが、そのうち切られてしまったといって肩を落として受話器を置いたのです。 尚、韓国では日本の衛星放送が見られるので日本のことをよく知ってるようです。 電話を切ってから、相手が早口のため理解できなかったと言って辞書を取り出し てチェックした挙げ句、「ホールにいた客の女性が我々をカラオケに誘ってくれて るみたいだ」と言うのですが、電話を切られたのではあとの祭りです。 |
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