韓国旅行記

2章 温陽温泉にて(2)
夕食後、ホテル内のホールでカラオケが出来ると聞き、ハングル語で歌うのを 楽しみにしていた友人は喜び勇んでマイクを手にしたところ、何故かスタッフの 人にマイクを取り上げられてしまいました。
友人のたどたどしい会話によれば、プロ級の歌のうまい人ががステージで歌う のに合わせてお客がホールで踊りながら声を出すのを韓国ではカラオケと言う とのことで恥をかいて早々に部屋に引き上げました。

部屋に戻り、BS1で西武対ダイエーのナイターを見ながらビールを飲んで男 二人で侘びしくホテルの夜を過ごしていると突然電話が鳴り出したのです。 受話器をとるとハングル語の若い女性の声がしたので、友人に代わってもらい、 話の内容にに期待していたところ、友人は必死になってやりとりしていたので すが、そのうち切られてしまったといって肩を落として受話器を置いたのです。

尚、韓国では日本の衛星放送が見られるので日本のことをよく知ってるようです。
電話を切ってから、相手が早口のため理解できなかったと言って辞書を取り出し てチェックした挙げ句、「ホールにいた客の女性が我々をカラオケに誘ってくれて るみたいだ」と言うのですが、電話を切られたのではあとの祭りです。

肝心な時に役立たない友人のハングルをけなすと友人は済まなそうに酔った ことを口実にベッドに潜り込んでしまいました。

言い過ぎたかなと少し悔やみながら私もいつの間にか深い眠りについていました。 翌朝、待望の温泉に入ったらまた友人がひと騒動起こしてくれました。

この温陽温泉は火山国でない韓国での数少ない温泉のひとつで、アルカリ・ラジ ューム、50度C、透明の泉質で、男女に分かれ露天風呂もある100人ぐらいは 入れそうな大規模な銭湯で宿泊者も料金を払って入湯するしくみでした。

露天風呂にゆっくり浸かっているうちに友人の姿が見えなくなったので急いで部屋 に戻って待っていると友人はそれから30分ほどしてから頭をかいて戻ってきました。
風呂を出てから迷ってしまった上、部屋番号も忘れ、得意のはずのハングルも相手 に通じず、やっとの思いで部屋に辿り着いたとこぼしていました。

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