講座集 第1章 初心者による初心者のためのインターネット講座

(1)インターネットの歴史
私はインターネットは初心者です。
私は判らないことが有るとマニュアルや本を読んでも要領を得ないので、見よう見まねで悪戦苦闘して何とか解決するのですが、そのためにPCを2台も壊したり、相も変わらずソフトを再三リカバリーしたりしている、言わば万年初心者です。

そんな私がインターネット講座を開講するなど、烏滸がましいにも程が有るのですが、実はこうして自前で苦労して会得した知識・経験を自分のものにするにはこれを体系的に整理して記録しておく必要が有ります。
そのためにはこのように講座の形にまとめるとその過程で記憶が整理され大変有効ですので、言わば自分のために 始めたのがこの講座であることをまずはお断りさせて頂きます。


インターネットを始めた頃不思議だなと思うことが有りました。
アクセスポイントまで電話回線を接続すれば、世界中どこにでも無料で接続でき るとのサーバーの説明がそれでした。
実際に米国の知人へのFAXをメールに変えたら高額な国際電話料金がゼロ になりましたからこの説明には説得力が有りました。
そこで初回は、まずはインターネットの歴史に触れながらその疑問を解き明かしてみたいと思います。

冷戦時代、米国はホットライン(米ソ両首脳を直接結ぶ専用通信回線)が核攻撃 で破壊されたり、偶発的な故障で不通になった場合、両首脳間の意志の疎通が 図れないまま核搭載ミサイルの発射ボタンが不用意に押されてしまう危険を危惧 しておりました。

そこで、1969年に米国防総省の高等研究計画局(ARPA)はホットライン を補完する目的で分散していたUNIXコンピュータ同士をTCP/IPと言う 機種によらない標準的な通信方法(プロトコル)で相互接続して網の目 状の通信網(ネットワーク)を作ることでこの危険回避に成功し、これが ARPAnetと言われ現在のインターネットの原型になりました。
そして冷戦時代の終わりとともに、このARPAnetの戦略的価値も無くな ったことから米国はこれを一般に無料開放しました。
しかし一方ではこの通信方式と無料開放されたARPAnet を利用して米国安全保障局(NSA)がエシュロン(Echelon) 計画により大規模な傍聴計画を進めているのではないかとの疑惑が欧州、日本を中心に 広まってきたのは皮肉なことですが見逃せない事実だと思います。 早い話、もし事実なら携帯やPCでやりとりしている当事者以外には秘密のはずのメッセージが外部に漏れてしまうわけですから恐ろしいことですね。

これを受けて、1986年に学術機関を結ぶネットワークNFSnetが構築 されて主に電子メールに利用され商用にも広がっていきました。 次いでNCSA(米国立スーパーコンピュータ応用研究所)がイリノイ大 学で世界初のグラフィカルなWebブラウザである Mosaicを開発しました。 そして、その開発チームの主要メンバーが後に Netscape Communications社の設立に参画し Mosaicを更に発展させたブラウザNetscape Navigatorを開発しました。

また、一方で欧州核物理学研究所(CERN)が論文閲覧システムとして WWW(World Wide Web)を1994年に開発しました。 このシステムでは、HTMLという言語で文書の論理構造を記述することで 文書の中に画像や音声など文字以外のデータを埋め込んで送受信できる上、 そこをクリックすると他の文書やWebサイトに飛ぶことが出来るお馴染みの ハイパーリンクが出来る画期的なシステムで、現在では巨大なWWW網として 世界中に張り巡らされておりますので、我々はサーバーにアクセスさえすれば後 は自由にこれを利用して世界を相手にしてインターネットできるようになりました。 このWWWを利用するにはブラウザが必要で、Netscape社 はインターネット を通じてこのブラウザを無料配布したためWWWブームが起こり、一時は9割近い シェアを獲得しましたが、1995年にMicrosoft社がOSのWindows9 5に ブラウザ Internet Explorerを組み込むに及んでMicroso ftに追い上げられ て低迷し、更にWebポータル事業ではYahoo!やAOLなどに大きく水をあけられて 業績が低迷したため、1998年にAOL社によって買収されてしまいました。


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