−日記帳(N0.023):20001年11月9日−
不妊治療の実態

出生率とは、ある年に生まれた子供の数を人口/千人あたりに換算した数値で、 現在の日本の人口を1億2000万人とし、ある年に120万人子供が生まれたとすれば、 出生率は(120万÷1億2000万/千人)=10となります。
ベビーブーム期(1947-49)においては33〜34でしたが、ここ数年は10を下回っています。 この出生率で、分母の人口数を、出産可能年齢(15〜49歳)の女性に限定した数値を、合計特殊出生率 と言い、」言い換えれば、一人の女性が生涯に何人の子供を生むかを示す数値となり、死亡率を折り込むと2.08を下回れば人口は減り、上回れば増えることになります。

資料によると、世界198ケ国中、最高はイエメンの7.6人、最低はスペインの1.15人、先進8ケ国ではトップが米国の1.99人、ボトムがイタリアの1.2人日本は米、英、仏、加に次いで1.43人で、独の1.3人、露の1.34人より多いのですが、先進国共通の低出生率に加え、寿命が伸びているため少子化、高齢化が大きな社会問題になりつつあります。
現在の合計特殊出生率がそのまま推移するとすれば、6年後の2007年に日本の人口は1億2778万人をピークに減りつづけると予想されています。2100年における総人口は、5100万人。つまり半減することになり由々しき問題です。

一般に妊娠を希望してから、2年を経過して妊娠できない症状を不妊(症)と呼び、各種の治療法が実施されますが、公的な保険適用はなく多大な費用がかかることと不妊を後ろめたく考える風習が有って、不妊治療の実績は芳しくありません。

不妊原因の男女比は、4(女性):4(男性):2(不明)でほぼ男女均等で、治療費は工授精(AIH)3千円〜3万円/回、体外受精15万円〜50万円/回、顕微受精はこれにプラス5万円〜10万円と言われ、これに検査費用・薬代などが加えられ、1回あたり30万円〜100万円、平均すると約80万円が必要であると言われています。
しかも、成功率は平均約20%であり、単純に成功するまで治療を続けたとすると、約500万円の費用がかかるといわれています。

又、治療に専念する為にフルタイムの職を手放さざるを得ないなど目に見えない負担も多く圧し掛かっていりようです。 1998年度に婚姻されたカップルは、約78万4500組で、そのうち、約10%(約78000組)が不妊症であると推測され、現在、不妊治療中のカップルは、推計で約28万5千組であると言われております。

もしこれらの10%の不妊カップルの不妊治療が成功すれば合計特殊出生率は5%程度向上するはずで、政府の少子化対策にも当然寄与するのに政府は不妊症への保険適用に何故か消極的ですが漸く、女性議員を中心に動きが出始め、更に街頭等で署名運動も盛んになりつつありますので近い将来保険適用になるものと期待します。


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