−日記帳(N0.1984)2007年05月25日−
愛車、謎のバッテリーアップ
−日記帳(N0.1985)2007年05月26日−
松坂の腹痛堪えての7勝目に思う


ブースターケーブルの結線方法
(負極をエンジンブロックに結線することがポイント)

昨晩、久しぶりに夕食を回転寿司でとるべく、近くの店に車で行くために愛車のキーを回したところ、セルモーターが「ブルル、ブルル」と音を発するだけでエンジン始動しません。バッテリーアップです。JAFに電話すれば30分ぐらいで駆けつけてくれて修復できるのですが、バッテリーアップの原因を確認しておかないと同じことを繰り返すだけですので、回転寿司は断念して今日、原因究明することにしたのでした。

バッテリーアップを修復するには救援車側のバッテリーを、ブースターケーブルで故障車側のバッテリーに繋いで故障車のキーを回せばいいのですが、以前、バッテリーアップした際に、手持ちの釣りで使う魚探用のバッテリーを救援車側のバッテリーに代替させたところ修復出来た実績が有りましたので、今回もこの方法を採用することにし、昨晩からこの魚探用のバッテリーを一晩かけてフル充電しておきました。

まず、アップした車のバッテリーの電圧をテスターで測定したところ、何と3ボルトしか有りません。昨晩は11ボルト有りましたので、一晩で放電が進行して8ボルトも低下していたのでした。これでは、容量の小さい魚探用のバッテリーでは負荷が大き過ぎてセルモーターを回転させることは出来ないことが予想されます。

上図に示すように、まず赤色のブースターケーブルを魚探用のバッテリーの正(プラス)極と車の正極に結線し、次いで黒色のブースターケーブルをバッテリーの負(マイナス)極と車のエンジンブロックに結線しました。以前、間違えて黒色のブースターケーブルを故障車側の負極と救援車側のバッテリーの負極に結線して危ない目に遭ったたことが有りましたので、ここは抜かりなく結線しました。

バッテリーを結線すると、電圧の高い救援車側のバッテリーから故障車側の電圧の低いバッテリーに一気に大きな電流が流れますので結線の際に火花が故障車側の負極ターミナル付近で発生し、充電の際にバッテリーから発生する水素ガスに引火して爆発を誘起する危険が有るため、バッテリーから出来るだけ離れた位置のエンジンブロックに結線するわけです。私の場合は火花が出ただけで大事には至りませんでしたが危ないところでした。

無事、結線を終えて車のキーを回したところ、案の定「ブルル、ブルル」と音を発するだけでエンジン始動しません。無負荷状態の両極間の電圧が結線すると14ボルトから12ボルトに低下し、手で触れられないほどに熱くなっていることが判りました。車のバッテリーの電圧が夜来の放電により11ボルトから3ボルトまで低下したため、キーを回して負荷を与えると大電流がブースターケーブルに流れて電圧降下を来たし、セルモーターを回すのに必要な電圧12ボルトに達しないのが原因と判りました。そして、謎だった車の放電は、車のトランクケースのカバーがロックしないため半開き状態になり、その間ケース内の照明ランプが点灯し続けることによることが判りました。

もう、自前での修復は無理ですから、顔見知りのモータースに電話して修理を依頼しました。やがて、ご主人のAさんが駆けつけてくれました。持参の専用バッテリーを魚探用のバッテリーに代えてキーを回したところやはりエンジン始動しません。すると、Aさんはブースターケーブルをひとまわり太いものに代えて再びキーを回したところ、一発で始動しました。太くすることで電圧降下を抑えたのが奏効したのでした。そして、Aさんはトランクケース内の照明ランプの電球を撤去することで放電を止めてから代車と引き換えに修理工場に持っていきました。こうして、謎だったバッテリーアップ原因が判明し、その修復まで暫くの間、代車で過ごすことになりました。


腹痛でマウンド上で顔をしかめる松坂投手

今日の松坂はコントロールが悪い上、最高球速も140キロ台で伸びず、先頭打者のロフトンに四球を与えた揚句、続くヤングにはライト前に弾かれて無死一、二塁のピンチを招き、3番テシェイラ一には、中前に抜けそうな ピッチャー返しの鋭い打球を打たれましたが、ルーゴ遊撃手がうまく回り込んで併殺にする好プレーに助けられ、続くソーサは変化球で三振にとりましたが、危ない立ち上がりでした。

2回も2死から四球で走者を出してコントロールが定まりませんでしたが、8番レアードを空振り三振にとって事なきを得ました。ここで一回と異なる事態が起こっていました。一回では、ソーサを三振にうちとってベンチに引き揚げる時は足早で意気揚々としていたのですが、二回は同じようにアードを空振り三振にとってからベンチに引き揚げる足取りは遅々として意気揚々さは全く感じられなかったからです。

3回は3者凡退に抑えましたが、マウンドに立つ松坂の態度に異変が現れました。時折、お腹を手で押さえるような仕草をするようになったのです。これは明らかに腹痛が起こっている時の行動です。4回を終えてからのベンチでの松坂の態度は明らかに異常で、下を向いてうつむく姿をカメラはアップしておりました。額には汗が滲み、その顔は苦しそうでした。

4回、松坂は先頭のテシェイラにスリーベースを打たれて無死三塁のピンチを背負うと、ソーサに左中間へ運ばれて1失点し、さらに5番の指名打者カタラノトに ライトスタンドに4号2ランを浴びた2死一塁からバスケスに3号逆転2ランを打たれKOされてしまいました。この状態なら先発の松坂を諦めて救援投手に代えるのが当然と思われたのですが、先発の松坂はは歯を食いしばって何とかこの回を5失点で終えてベンチに戻りました。ベンチの戻ってからの松阪の容態は更に悪化している状態が画像に映し出されました。

ところが、5回表にレッドソックスが2点を取ったため、5回裏を零点で押さえれば先発の松坂に勝利投手の権利が与えられることになったため、5回裏のマウンドには松坂が立っておりました。その表情は上の画像に見られるように苦しそうでした。案の定、この回の先頭打者のヤングにツーベースを浴び、 続くテシェイラに四球を与えてのピンチをソーサをセカンドゴロ併殺打に打ち取り、続くカタラノトも空振り三振に切って取り、勝利投手の権利を獲得してしまいました。

6回表に、松坂がベンチからロッカールームに行く様子が映し出されました。フランコナ監督はロッカールームで嘔吐している松坂を見付けて、「6回はマウンドに立たなくていいから休んでろ」と伝えたため、6回からリリーフ陣が好投し、結局レッドソックスは10:0で勝利し、松坂にリーグ最多タイとなる7勝目がもたらされたのでした。投球内容は5イニングで7安打、3四球、6奪三振、5失点、通算で防御率4.43、7勝2敗となりました。

松阪自身にも、この急の体調不良の原因が判っていないようでした。この日は試合開始前に雷を伴う大雨が降ったため試合開始が2時間遅れるというアクシデントが原因でないことは本人自身に判っておりましたのでこれは原因から除外されます。そこで彼は試合中に、食あたり、風邪、ウイルス性胃腸炎を考えてみました。まず、夕食はスープしか摂っていなかったので食あたりは除外、風邪はチーム内に蔓延しておりましたが発熱が無い上、試合前のチームドクターの診察を受けていたことから除外、すると残るのはウイルス性胃腸炎でした。

彼には、この点について思い当たることがひとつだけ有りました。彼は腰痛防止のために柔らかいベッドで就眠せずに、遠征先のホテルにも専用マットを持ち込んで床の上に敷いてその上で就眠しておりました。日本と違い米国では靴を履いたまま部屋に出入りしますから床面には埃や靴底からの異物等の不衛生なモノが付着しており就眠中にウイルスに感染する確率はベッド上就眠より高まるのではと考えたのです。結局、今回の体調不調の原因は特定化されませんでしたが、彼は翌日からベッドで就眠することにしました。

今回の件で、松坂の日頃の健康管理が不充分でスポーツ選手として失格との批判がマスコミやファンから出ましたが、これは上述の事情から判断して的外れと思います。また、そのような状態なら登板辞退、もしくは降板の申し出をすべきだったとの意見も出ておりますが、これも松坂の選手哲学から考えれば、的外れと思います。彼は翌日、監督や同僚の選手たちに今回の件について、途中降板して先発投手としての義務を果せずにチームに迷惑を掛けたとして謝罪しております。

彼は、先発としてマウンドに上がったからにはどんなことが有っても完投までいかなくても、投げられるだけ投げて継投、押さえの投手たちに余計な負担が掛からないようにすることを信条としております。しかし、では一体誰に負担がかかり、誰に迷惑を掛けたのでしょうか。フランコナ監督は「5回まで投げてくれたので後の継投が楽になって助かった。よくぞあの体調で投げてくれたものだ」と逆に彼を褒めちぎっておりました。また、岡島をはじめ継投陣も自分の仕事が出来たことを喜んでいるし、打撃陣も松坂のその悲壮なまでの粘投に刺激されて大量10点を奪う猛攻が出来て満足しているのです。

結果重視、仕事分担主義の米国と、プロセス重視、仕事協調主義の日本との文化の違いがここに垣間見られる気がします。同僚に迷惑をかけまいとして無理して出社したり、休んでいる同僚の仕事を手伝ったりすると、米国社会では評価されるどころか、権利侵害で訴えられかねません。このような米国社会で怪我で休んで、急病で降板して謝罪する松井や松坂に賞賛の声が強く、日本社会では逆にで風当たりが強くいのは何とも皮肉なことです。しかし、防御率4.43で7勝2敗はラッキーにつき、2勝7敗で至当ぐらいの心構えで松坂には臨んで欲しいものです。

「昨日の投球内容がチームメイトやコーチ陣にどれだけ好意的にとらえられたとしても、松坂本人は満足しないと思います。それは彼が自分自身に課したものとは違うからです」と語るレッドソックスのメディア連絡担当である関口さちよさんの話が本当ならば、松坂は大丈夫だと思います。


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