−日記帳(N0.2034)2007年07月21日−
日本、豪州にPKを制し準決勝へ
(GK川口の神技の初回からの連続セーブ)
−日記帳(N0.2035)2007年07月22日−
気宇壮大な講演に感動して(1)
(宇宙は点から始まり膨張し続けている)


後半29分同点ゴールを決めた高原

大学の授業のような雰囲気で講演される福井教授





サッカーアジア杯準々決勝(21日、ベトナム・ハノイ)が、3連覇と史上初の4度目の優勝を狙う日本と、昨年のW杯で日本に逆転勝ちしてから世界レベルのサッカーを目指してサッカー後進大陸のオセアニアを脱退して発展途上大陸のアジアに加盟したオーストラリアとの間で行われました。

前半は日本が有利に試合を進めながらも無得点に終わり、後半も日本がボールを支配しながらもチャンスを生かせないまま、後半24分に右CKからアロイジに先制点を許してしまいました。しかし、その3分後の後半27分に、MF中村俊からのセンタリングを左サイドのFW巻が頭で繋いだところを、ゴール前のFW高原直泰(28=フランクフルト)が体を素早く反転してマークをふりほどき、飛び出してくるGKの位置を見極めて左足で振り抜いたボールは、左ポストに当たってゴールマウスに吸い込まれ同点ゴールとなりました。その後、オーストラリアに退場者が出て日本が数的優位に立ち、押し気味に試合を進めながらも勝ち越し点は奪えずに、そのままPK戦に入りました。

PK戦1人目キューウェルの左足キックを川口が横っ飛びでクリア。
PK戦1人目中村俊が左足で右スミに決め、日1―0オ。
PK戦2人目ニールは左スミを狙ったが川口が横っ飛びでセーブ。
PK戦2人目遠藤が落ち着いて左に決めて日2―0オ。
PK戦3人目カーヒルゴール左上に決めて日2―1オ。
PK戦3人目駒野がGKの逆をつきゴール左に決め、日3―1オ。
PK戦4人目カールゴール右下に決めて日3―2オ。
PK戦4人目高原ゴール上にふかし決められず。日3―2オ
PK戦5人目カーニー川口の動きを読んでゴール左に決め日3―3オ
PK戦5人目中沢ゴール右上に決め4点目を先取し勝利し日4―3オ

5人目のキッカー・DF中沢が「ハノイの雪辱」を演出するゴールを決めると、Gk川口が力強く両の拳を突き上げた。駆け寄る中沢を抱きとめ歓喜に酔っていました。「PKは運なのかもしれない。だけど佑二(中沢)を中心にみんなが頑張っていた。こたえ たいと思った」。2006年6月12日・ドイツW杯オーストラリア戦から404日。川口が「カイザースラウテルンの屈辱」を振り払いました。2004年のアジア杯中国大会準々決勝ヨルダン戦(7月31日)のPK戦を彷彿させる連続スーパーストップです。相手の1人目はMFキューウェル。川口はコースの甘いシュートを鋭い反応で止めると、圧巻は2本目だ。DFニールがゴール左上に狙い済ましたシュートを読み切り、両手で完璧にセーブ。勝利を確信したように右拳を高々と誇らしげに突き上げていました。

PK嫌いのオシム監督はこの日もロッカールームで吉報を受け「喜んでジャンプしていて天井に頭をぶつけそうになりましたが、なんとか生きています」と喜びを隠し切れませんでした。オシム日本が誕生して1周年で確かな成長の後を見せ、PKの奇跡を紡いでの3大会連続の準決勝進出に、「こういう試合を勝っていくことでチームがまとまる」と語った守護神川口は語っておりました。カタール開催が有力視される4年後の2011年のアジア杯の予選免除が確実になる3位圏内、そしてイランに続く史上2チーム3連覇も目前となりました。


今や、天文学者として日本のみならず世界にその名が知られるようになり、今年4月に現役の50代の若さでの大学教授としては異例の紫綬褒章を受賞してから、地元の東海地区を中心に講演会等で多忙を極める福井康夫・名古屋大学大学院理学研究科教授の講演会に、昨日の午後、参加するチャンスに恵まれました。久しぶりに気宇壮大な宇宙の話に魅せられ、この世の憂さを忘れる思いでした。福井教授とは、その後のパーティーでご一緒させて頂き、講演会では聞けないような裏話も聞かせて頂きましたので、今日はこのことを取り上げてみたいと思います。尚、福井教授には講演会資料等をここで引用させて頂く許可は頂いております。

「宇宙の果てはどうなているのだろう?」という疑問はどなたでも抱いておられることと思いますし、好奇心が人一倍強い私も小さい頃からこの疑問を抱きいろいろな回答に接するのですが、どうしても理解できず、夜も眠れぬことも有りました。最近、ネットで見たこの回答が最も判りやすいように思ったのですが、やはり納得がいきません。しかし、今日の福井教授の講演を聴いて何となく判ったような気がしたのが今日の最大の収穫だったように思います。

「宇宙の始まりは小さな点からだった」との冒頭の福井教授の語りにまず唖然としました。大昔の宇宙では宇宙の全物質が殆ど一点に集中していたとの学説は、NASAが2001年に打ち上げたWMAP (Wilkinson Microwave Anisotropy Probe)の成果により立証され定説となっているとのことでした。我々が住んでいる地球は銀河系の中ではごくありふれた小さな星のそのまた小さな星でしかありませんが、このような巨大な星の集団ともいうべき銀河が宇宙には約1,000億個存在しており、それぞれの銀河がお互いに離れれつつあることが判ってきました。

そこで、どの程度の速度で離れているかを、速度違反を取り締まる際に違反車の速度計測に利用されるドップラー効果を利用することで計測したところ、驚くべき事実が判明しました。遠くにある銀河ほど速い速度で遠ざかっており、例えば距離が2なら2倍、距離が3なら3倍というように距離に比例して遠ざかるほど遠ざかる速度が大きくなっていくことが判ったのです。別の方法でその銀河までの距離を計測することが出来ますので、こうして判った速度をその距離で割ると、何年前にその銀河との距離がゼロだったかを割り出すことが出来ます。これを、他の多くの銀河で試算すると、いずれも100億年という結果が得られると福井教授が話した時に、会場からどよめきの声が上がりました。

この結果から、宇宙が最初の一点から膨張して現在に至っているとの宇宙膨張説が定説になり、問題はその最初の一点が何時頃だったかにありました。上述の距離がゼロになる試算から100億年前後であることは判っていたのですがそれ以上に精度を上げることが出来なかったのですが、上述のWMAPの成果により、137億年(=(13.7 ± 0.2) ×10^9 年)であることが判り、これが宇宙年齢となりました。従って、9月の東京での福井教授の演題はこのように「137億年の旅」となっております。


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