日曜日午前8時からのTBS「サンデーモーニング」の「ご意見番の喝！」のコーナーは、大沢親分(前日本ハム監督)と3,000本安打の不滅の大記録を持つ張本勲氏(TBS野球解説者)のスポーツ選手に対する歯に衣を着せぬ辛辣な意見が飛び交って結構、面白い番組で、私も殆ど欠かさずに視聴しております。そのお陰で、本当は日曜日はもっとゆっくりと寝ていたいのですが、この番組が始まるのが8時35分頃ですので遅くても8時半には起床することになり、その点ではこの番組は、私の日曜日のリズム作りに貢献しております。
ただ、プロ野球に関して張本勲氏はどちらかと言えば、巨人軍寄りの発言が多く、巨人嫌いの私に不快な思いを抱かせることも多々有りましたが、概ね客観的に冷静に分析した上での意見ですので好感が持てます。ただ、今日の「相撲は国技ではない」とした上で、朝青龍の今回の不祥事(負傷を理由に地方巡業不参加届けを出しておきながら祖国モンゴルでサッカーに興じていたことが判明し、二場所の出場禁止等の処分が下された)に対して、朝青龍を擁護するような発言をしたのには腹が立ちましたので、張本勲氏に喝！を謹呈します。以下にその理由を述べます。
日本の国旗が「日の丸」で、国歌が「君が代」であることに異論を挟む人はおりません。それは、これが「国歌に関する法律(通称:国旗・国歌法)によって公式に制定されているからです。しかし、首都が東京、国花が「桜」または「菊」、国鳥が雉、国技が「相撲」という点に関しては、これを制定する法律は有りません。従って、相撲が国技であるか否かを議論するのは首都が東京である否か、国花が「桜」または「菊」であるか否かを議論するのと同列であると考えられますので、相撲が国技であるか否かを議論すること自体、不毛の議論であり、ナンセンスと断じざるを得ません。
ただ、相撲を国技とした経緯が、明治42年、東京・両国に大相撲常設館を建設するに当たり、その命名が議論されたもののなかなか決まらず板垣退助委員長提案の「尚武館」に決まりかけた時、文人の絵見水陰がしたためた落成開館式の披露文に、「そもそも相撲は日本の国技．．．」とのくだりが有ったことから急遽、「尚武館」から「国技館」になったと言われており、これが事実なら、相撲が国技と根拠は極めて曖昧で、日本古来の柔道、剣道、弓道等の存在を考えると、相撲を国技とするのは、張本勲氏の主張に見られるように、首都、国花、国鳥とは一線を画して論ずるべきとの主張もまた無視できません。
張本勲氏の「相撲は国技ではない」との主張を一歩譲って容認したとします。
しかし「相撲は国技ではないから、朝青龍が国技である相撲の道を冒涜したとの考えはおかしい」との主張は、一見、正しいようで正しくないと考えます。それは、この文章から、「相撲が国技云々」を省くと「朝青龍が相撲の道を冒涜したとの考えはおかしい」となるからです。つまり、例え、相撲が国技でないとしても、相撲には、日本古来の神道に基づく伝統、様式が有りこれが一体となって相撲道なるものが厳然として存在しております。
その中で、横綱は品格をも持ち合わせた「心技体の権化」で、常に全力士の模範となることを要求されております。
従って、相撲が国技であるか否かは関係ないことで、相撲道を冒涜した朝青龍に喝！を入れない張本勲氏に、喝！。そして、この張本勲氏の主張に沈黙を保ったサンデーモーニングメンバーで、マスコミ界きっての相撲通の慶応大相撲部出身の岸井成格氏(元毎日新聞論説委員長)にも喝！ |
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