−日記帳(N0.2060)2007年08月16日−
シドニー湾に散った英雄たち(3)
−日記帳(N0.2061)2007年08月17日−
流星に関する質問の解説


式典に参加した伴勝久少佐の弟、伴和友さん
(8月7日付け読売新聞より)

シドニー・ダーリングハーバーに寄港中の海上自衛隊の練習艦「かしま」「しまゆき」、護衛艦「さわぎり」の乗員約180人による「海ゆかば」と「ふるさと」の合唱がシドニー湾を臨む豪海軍ガーデンアイランド基地内に響き渡ると、目頭を押さえながら目の前に広がる穏やかなシドニー湾の海面を眺めている日本人たちの姿がありました。 65年前、このシドニー湾で散った次の6人の旧日本海軍の将兵の遺族11名がその日本人たちでした。

・伊22号搭載の特殊潜航艇に搭乗の松尾敬宇中佐と都竹正雄少尉
・伊24号搭載の特殊潜航艇に搭乗の伴  勝久少佐と芦辺  守中尉
・伊27号搭載の特殊潜航艇に搭乗の中馬兼四中佐と大森猛一中尉

今月の6日、65年前に3隻特殊潜航艇に搭乗してこのシドニー港に侵入し勇敢に戦って戦死した上に掲げ6人の旧日本海軍将兵と特殊潜航艇から発射された魚雷により戦死した豪州兵19名と英国兵2名の日英豪の戦死者27名を慰霊する日豪合同式典が ガーデンアイランド基地で行われ、上述の11名の日本人は遺族としてこの式典に参加したのでした。

その中には、昨日の日記にあるように、昨年11月にシドニー港外の海底で発見された伊24号搭載の特殊潜航艇に搭乗していた伴勝久少佐の弟さん、伴和友さん(74:愛知県碧南市)、松尾敬宇中佐の姪さん、松尾和子さん(66:熊本県山鹿市)、 芦辺守中尉の姪さん、竹本ひろみさん(46:和歌山県海南市)、都竹正雄少尉の甥さん、都竹正敏さん(68:岐阜県高山市) の姿が見られました。そして、11人の遺族は伴勝久少佐が搭乗していた伊24号搭載の特殊潜航艇が沈んでいる海域を訪れ花束を投下し日本酒をまいて洋上から冥福を祈りました。

また、伊24号搭載の特殊潜航艇から米国の重巡洋艦シカゴ目がけて発射された魚雷が逸れて岸壁に当たって爆破し、たまたまその岸壁に係留されていた豪州軍艦クッタバルが炎上して沈没しましたが、その時幸いにも生き残ったクッタバルの元乗組員ニール・ロバーツさん(83)も出席し、伴さんらと握手し「日本の潜航艇の乗組員は非常に勇敢だった」と称賛しておりました。伴さんと竹本さんは、オーストラリアの退役軍人相から現場海底の砂が入った小瓶を形見として贈られました。

伴さんは「ようやく念願のシドニーに来ることができました。60数年ぶりに兄に会うことができ感慨無量です」 竹本さんは「私の祖母(芦辺中尉の母)は1967年に他界しまたが、おじさんのことを誇りに思っていたよ」 松尾さんは「伴さんの艇だけが見つからなくて常に気になっていた。ほっとしている」 都竹さんは「伴さんの艇が見つかったので、一緒にお参りさせてもらった。厳粛に慰霊祭をやってもらって感激している」とそれぞれ語っておりました。


スイフト・タットル彗星
(ようこそ渡部 剛の ホームページへより )

8月13日の日記で流星に関して三択の三問の質問をさせて頂きました。お約束どおり今日その回答をさせて頂きます。回答に先立ってその解説の意味を含めて、流星に関するおとぎ話を以下のように作ってみました。

宇宙の創造主は、太陽系を作った時、太陽の従者に「惑星」の称号を与えました。「惑星」になるためには、大きさ、成分、軌道の3項目に厳格な基準が有り、九つの星がこの基準を満たし、水星、金星、・・・冥王星と命名されました。大きさだけが不合格で惑星になれなかった小惑星は大人しく太陽の周りを周回しておりますが、全てが不合格の彗星は、落第して頭にきたのか太陽の周りをゴミを撒き散らしながら周回するようになりました。そこで創造主は、惑星表面に大気を作り、惑星がこのゴミが漂っているゾーンを通過する時に引力でゴミを寄せ集め大気によってそのゴミを消滅するように仕向けたのです。そのゴミが消滅する時に光を放ちますので惑星からは流星として見られることになります。以上が、私が勝手に創作した「流星おとぎ話」です。

彗星は小さい上、成分の大半が水で汚れた雪だるまのようなものと考えられ、太陽に近づくと表面が温められて彗星の一部が蒸発してガスや塵を出しますのでそれが尾となって見えます。このガスや塵が上のおとぎ話のゴミで、彗星のことを「ほうき星」と言って、魔法使いがほうきの上に乗って飛行している姿に例えるのはこのためと思われますが、この魔法使いは乗るだけで、ほうきでゴミを掃除してはいないようです。

おとぎ話は別にして、このゴミはダストと言われ、彗星の軌道上に帯となって彗星とともに太陽の周りを周回します。もし、地球が公転の過程でこのダストの帯に交差しますとこの帯に在る塵が地球の引力に吸い寄せられて猛烈なスピードで地球の大気圏に突入して光を放ち流星となるわけです。その場合、塵は地球に向かって平行に突入してきます。この時の地球の公転方向と、塵の流れのベクトルが合成されたものが流星の方角となり放射点と呼ばれます。流星の流れの線を延長していくとある一点に集中します。この点が放射点となります。

塵は無尽蔵に有るため流星は数多く出現するため流星群と呼ばれるようになりました。そして流星の元となる塵を撒き散らす彗星をその流星群の母彗星と呼んでおり、今回のペルセウス座流星群の場合はスイフト・タットル彗星がその母彗星です。 流星群に名前を付けるのに、本来なら母彗星の名前を冠してスイフト・タットル流星群とすればいいのに、ペルセウス座流星群とするのは、放射点の位置を星座で表示することにより放射点の場所を容易に探すことの出来る利便性があるからです。

従って、ペルセウス座流星群はスイフト・タットル彗星を母彗星とし、ペルセウス座の方角を放射点とする流星群ということになります。決して、ペルセウス座から流れてくるわけではありません。ペルセウス座は地球から80光年も離れているのに対し、流星群は地球からせいぜい200km程度のところで発光しますから比較すること自体無意味です。それでは以上の解説を踏まえて質問の回答を明日の日記でさせて頂きます。


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