−日記帳(N0.2062)2007年08月18日−
流星に関する質問の回答
−日記帳(N0.2063)2007年08月19日−
猛暑雑感(何故山は涼しいの)


Q1:流星の大きさはどのくらいでしょうか?
A1:米粒ぐらい
A2:サッカーボールぐらい
A3:東京ドームぐらい

・回答:A1:米粒ぐらい
解説にもありますように、流星の元になる物質は、汚い雪だるまのような彗星が太陽の周りを公転する時に太陽光で熱せられて溶けてできた細かいダストですので平均的には米粒程度です。従って、A1の「米粒ぐらいが」正解です。それにしても、あの流星のの元が米粒ぐらいでしかないとは信じ難いことです。

Q2:流星はどのくらいの高さで光るのでしょうか?
A1:人工衛星より低いところ
A2:月と同じぐらいのところ
A3:木星と火星の間ぐらいのところ

・回答:A1人工衛星より低いところ
彗星が撒き散らしたダストは彗星の公転軌道上をゾーンをなして公転しておりますので、地球は年に1回このダストゾーンと交差します。その時にダストが地球の引力に引っ張られて猛烈な高速で大気圏に突入する際に発光して流星になるわけです。 100km以下が大気圏ですが、ダストはこの100km前後で大気圏に突入して発光し50km前後で消滅します。言い換えれば、流星は、地表からごく低いところで発生しますので名古屋で見える流星は350km離れた東京では見えないことになります。従って、 人工衛星は200km以上を周回しておりますので、A1の「人工衛星より低いところ」が正解です。

Q3:流星はどのようにして光るのでしょうか?
A1:流星物質が大気と衝突し高温になって酸化する(燃焼)
A2:流星物質が大気と衝突し電離してガス発光する(ネオン)
A3:流星物質が大気と衝突し電界を生じて放電する(雷光)

・回答:A2流星物質が大気と衝突し電離してガス発光する
流星物質が10km/秒以上の猛烈な速度で大気と衝突すると4,000℃前後の高温になるため大気中の分子や流星物質が電離してプラズマ状態のエネルギーレベルの高い励起状態になります。やがて密度の高い大気に接すると抵抗を受けて減速して元のエネルギーレベルの低い状態に戻ると、そのエネルギーの差が光となって開放され発光するわけです。つまり、速度エネルギーが光エネルギーに変換されるわけです。決して燃えるわけではありません。従って、A2の「流星物質が大気と衝突し電離してガス発光する」が正解です。私も、以前はA1の酸化、つまり燃えるからとばかり思っていましたので、この問題の正解率が最も低いものと思われます。


夏休みに名古屋市内に住むAさん一家は、奥飛騨温泉郷の新穂高温泉(標高1,000m)に一泊旅行の旅に出掛けました。 名古屋を出る時は気温35℃の猛暑でしたが、新穂高温泉は気温25℃で涼しく家族は大喜びでした。そこで、愛娘のB子ちゃんがパパのAさんに訊ねました。「パパ、どうして、ここはこんなに涼しいの?」パパはすかさず答えました。「高いところに居るからだよ。」すると、B子ちゃんは「何故、高いところにいると涼しくなるの?」ここで、パパは答えに窮しました。

Aさんは、一般常識として、1,000m上る毎に10℃気温が下がり、1,000m下がる毎に10℃気温が上がることは知っておりました。しかし、高度の変化に応じて気温が変化する理由は知りませんでした。従って、B子ちゃんに「1,000m上る毎に10℃気温が下がるからだよ」と答えても「何故、1,000m上る毎に10℃気温が下がるの?」と質問が鸚鵡返しにくることが判ってましたから、ここで答えに窮してしまったわけです。「それはねー、ちょっと難しいから学校の先生に聞いてごらん」「パパ、わかったー、そうするよ」Aさんは、ホッとするとともに我が身の無知を恥じ、帰宅すると早速その理由を勉強して調べることにしたのでした。以下はAさんが苦労して勉強した結果です。

高度が上がると空気が薄くなり、気圧が低下します。気圧が低下することは、ある一定の容積を持つ空気(空気塊)を考えれば、その空気塊が膨張することを意味します。膨張することは仕事をすることですからエネルギーが必要です。もしまわりから熱エネルギーが与えられないと空気は自らの温度を下げて下がった分をエネルギーとして取り出すことになります。この関係を熱力学の第一法則(保存則)で計算すると、1,000m上昇(下降)すると9.76℃昇温(降温)することが導かれます。 この温度変化率は、乾燥した空気で周囲からの熱の収支を絶つ(断熱)状態を前提としますので、学校では乾燥断熱減率ととして教えております。これが、1,000m上る毎に10℃気温が下がる理由です。

それから数日後に、多治見で日本最高気温40.9℃が記録された理由としてフェーン現象が各局のニュース報道で取り上げられたのを受けて、今度はAさんの奥さんのC子さんが、「ねー、あなたフェーン現象が起こるとどうして温度が上がるの?」と質問してきました。今度は、女房かと半ば呆れながらも、実はこの質問はAさんにとっては、「待ってました」の質問でした。何故なら、先日、乾燥断熱減率の勉強をする際に、フェーン現象を引き起こす湿潤断熱減率についてもついでに勉強しておいたからです。以下、紙に図を描きながら奥さんに説明をしてあげました。奥さんはその説明で納得し、「あなたって、凄いのね。見直したわ」その晩、奥さんはビールの大瓶でAさんにお酌しました。Aさん、嬉しそうでした。明日の日記でAさんが奥さんに説明した内容を掲載します。


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