−日記帳(N0.2070)2007年08月26日−
4回に渡るメバル釣行記(1)
−日記帳(N0.2071)2007年08月27日−
4回に渡るメバル釣行記(2)


気のおもむくままに、こころを無にして釣ることが、本来の釣りの極意とは思いますが、「あること」にこころを集中させて釣るのもまた釣りの楽しみ方のひとつと思います。例年、8月になると「3年モノ」と言われる20センチオーバーの大メバルは滅多に釣れなくなるものですが、今年は8月に入っても、8月6日の日記にあるように25センチを越える巨メバルが釣れるなど、毎回必ず1尾以上の20センチオーバーの大メバルを釣り上げるという実績が続きました。

そこで今回は、その「あること」を「大メバルを如何に多く釣り上げるか」という目的ににすりかえ、4回に渡ってこの目的に沿って釣りを楽しむこととしました。この目的を実行するに当たって、今年の大メバルを釣り上げた実績から私が把握した次のメバルの習性を参考にすることにしました。尚、この習性は、私のホームポイントの渥美地方で私が感じ取ったものであって、全国共通ではないことをお断りしておきます。

1.メバルは群れをなして散在する。
2.その群れには必ず目標の大メバルが居る。
3.大メバルは海底が複雑な場所に居る確率大。
4.大メバルは最初の仕掛け投入に食いつく確率大。
5.大メバルはより大きい餌(ゴカイ)に食いつく確率大。
6.大メバルは数匹釣り上げるとその後当たりが遠のく。

この習性を利用して大メバルを釣り上げるべく、まず餌は大きい青イソメ(韓国産)を使い、ポイントは魚探を使って、石積みのかけあがり、海草が生えているところにし、竿は微妙な当たりを捉えるために先径0.8ミリの短いカーボン竿、ハリスも08の細いものにしました。釣行したのは次の4日間で、今日26日がその最終日でした。

・今年16回目の釣行→8月15日(水:中潮、満潮=19:40)
・今年17回目の釣行→8月19日(日:小潮、満潮=21:06)
・今年18回目の釣行→8月22日(水:長潮、満潮=23:06)
・今年19回目の釣行→8月26日(日:大潮、満潮=17:32)

メバルは夜行性で、その名のとおり目が大きいことから目がいいため昼間は食いが立ちません。特に大メバルにはその傾向が強いことから、竿先に付けるケミライトの青白い光がくっきりと際立って見えるようになってからは釣り始めることにしました。オモリはその日の潮流の強さに応じて5号から10号までを使いわけ、餌の青イソメは切らずにそのままチョン掛けにしました。従って、大きいものですとその長さは15センチにも及びます。この程度に大きくなると小メバルはあまり食いつきません。底を切ってから静かに竿を45度ぐらいまでゆっくりと静かに上げ、上げきったら再び静かにゆっくりと竿を下げていきながら当たりを待ちます。

メバルは、立ち泳ぎしながら上目使いで上下する餌を狙って食いつきますのでこのような竿の動作が有効になるわけです。型が大きくなるほど、餌に一気に食いつかずに餌の青イソメの先端をもモゾモゾと口にしている様子が竿先のケミライトと微妙な上下動から読み取れます。竿先の細いカーボン竿ではその動きが竿を持つ手に微かに伝わってきますので、その両方から合わせのタイミングを計ります。8月15日の19時30分頃のことでした。タイミングを計って一気に竿を上げて合わせると、その途中で竿に抵抗を感じ取りましたので一気にリールを巻き取っていくと、グググーッと強い締め込みがあり、竿先が大きく曲がりました。更にリールを巻き取っていくとやがて大メバルが姿を現しました。実に26センチの巨メバルでした。(明日に続く)


一投目で、このような巨メバルをゲットしたことから気をよくして、餌を付け替えて二投目を投入しました。竿の上下を繰りかしていきましたが、当たりが有りません。30分程してから、あのモゾモゾが感じ取れましたので一気に合わせたまではよかったのですが、リールの巻き取りが一瞬遅れたため、根に潜られてしまいどうしても上がってきません。糸を緩めると魚信が竿先から伝わってきますので掛かっていることは間違いありません。このような場合、糸を緩めて暫くそのままにしておくと根から出てくることがありますの5分ほど粘ってみましたが、出てくる気配が有りませんので、泣く泣く糸を切り、メバルにサヨナラしました。「メバルさん、針が掛かったままでごめんね、時間が経てば針が海水で侵食されて外れるようになりますからそれまで辛抱してね。」

メバルは警戒心が強いので、このようなバラシ行為をすると、そのメバルが周囲の仲間たちに、餌の付いた針に気を付けるように警戒信号を発するらしく、それからは全く当たりが無くなりました。団体でメバル釣りをしている場合、バラシが迷惑行為とされるのはこのようなメバルの習性によるものです。従って、追い食いをさせないで、合わせたら静かに上げていき周囲のメバルに気付かれないようにするのもメバルの数釣りには必要なことです。ある時、私の傍でメバルのルアー釣りをしていた釣り人がいました。彼は沖目に振って釣り上げたメバルを私の投入点近くの海面にリリースしておりました。これこそ、自分勝手な迷惑行為です。

そこで、ポイントを次から次へと移動して同じような釣りかたを繰り返しました。やはり、移動したポイントで大メバルが釣れるとすれば、最初の一投目で、後にいくほどに型が小さくなっていくように思われました。大メバルが最初に餌に食い付くのは、一族郎党を率いる立場上優先されているのかも知れません。その後も根掛かりされたり、中小メバルのオンパレードだったりしましたが、初日の8月15日は、20センチオーバーの大メバル(うち2尾は25センチオーバーの巨メバル)7尾、15センチオーバーの中メバル20尾、10センチオーバーの小メバル10尾の釣果でした。

知多半島、渥美半島地域は日本有数のメバル釣りの盛んなところで、特に知多半島先端の師崎港は、メバル釣りのメッカとして知られており、メバルシ−ズンの冬場から春にかけて、周辺の港の岸壁や、沖合いの篠島、日間賀島の防波堤などに多くのメバル釣師が数多く見受けられます。そして、その共通の目標は、「3年モノ=サンタ」と呼ばれる20センチオーバーの大メバルですが、近年は環境変化、漁師の網による乱獲、10センチ未満の小メバルまでゲットする乱釣が祟って、この大メバルが殆ど釣れないよいうになってしまいました。そこで、この地域のメバル釣師たちは、三河湾の姫島や開港直後の中部国際空港沖に怒涛のごとく押しかけた結果、当初釣れていた30センチオーバーの巨大メバルは徐々に、釣れなくなり最近の情報では15センチオーバーの中メバルしか釣れなくなってしまったとのことでした。

その点、私のホームポイントのこの渥美半島のポイントは名古屋や、知多半島方面から遠いことに加え、ボート釣りが本命とあってそれほど釣り人が押しかけることはありません。しかし、ここは太平洋に近く、また伊良湖潮流の影響もあって良質のプランクトンに恵まれて、魚の脂の乗りがいい上、身が締まっていることからメバル、クロダイ、アジ、カワハギ、アナゴは大変美味しいことで知られており、その食味に惹かれて来る釣師も後を絶ちません。そのため、25年前に私がはじめてここで釣りをした時は、20センチオーバーの大メバルを30尾も上げてクーラーに収容しきれなくなったほどですので、その当時からすれば確かに釣れなくなってきました。しかし、愛知県内で、25センチオーバーの巨メバルが釣れる数少ないポイントであることに変わりありません。私も、ほどほどに釣りをして資源保護に協力していきたいと思っております。

この4日間での釣果は、20センチオーバーの大メバル(うち5尾は25センチオーバーの巨メバル)10尾、15センチオーバーの中メバル60尾、10センチオーバーの小メバル30尾の計100尾の釣果でした。尚、小さ過ぎてリリース(放流)した10センチ未満と思われる小メバルは100尾以上、数え切れないほどでした。こうして、4日間に渡った大メバル狙いの釣行は無事、成功裏に終了しました。巨メバルは刺身、大メバルは塩焼き、中メバルは煮付け、小メバルは唐揚げにして美味しく頂いたことは言うまでもありません。また、メバル釣りの前の昼間にアジ釣りを行い、15センチ前後のマアジをおよそ300尾釣り上げましたが、家族にはこの方が、南蛮漬け、タタキ、味醂干しで美味しく食べられたので評判よかったようでした。大成功でした。釣りって本当にいいものですね。




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