−日記帳(N0.2092)2007年09月17日−
三大陸Tでスイスに逆転勝ち
−日記帳(N0.2093)2007年09月18日−
三大陸Tでの奇妙な日本の優勝


三大陸トーナメント優勝盾を手にするオシム監督

先日の9月11日にスイスで行われたサッカー三大陸トーナメント、日本対スイス戦は、既に旧聞に属する出来事で、ここで取り上げるののにはいささか抵抗を感じますが、最近の日本A代表の試合の中では最も印象に残るいい試合でしたので敢えて約1週間遅れで取り上げることにしました。相手のスイスは、EURO開催国として準備を進めており、最近2試合でアルゼンチンと引き分け、オランダに勝利するなどヨーロッパの強豪国ですから、勝てば日本にとって大きな自信に繋がります。

日本は、この試合の前にスイスよりは格下と思われるオーストリア戦を0:0でのPK戦で落としておりますので、スイス戦に勝利するのは至難と思われておりました。案の定、前半11分マニンが左足で左上に決め、スイスが先制、更にその1分後の前半12分、ペナルティーエリア内で闘莉王がハンドの反則を犯して得たPKをエンクフォーが冷静に左スミに決め、スイスが2点目をゴールし、前半12分で2点をリードされた時点で日本の負けは決定的と思われました。私も、やはりヨーロッパの強豪チームとの差を感じました。

ところが、この日の日本はこれまでの日本と違っておりました。後半8分、中村俊が中央を抜け出し左サイドの松井へパスすると松井はドリブルでペナルティーエリアに切り込み後ろから相手DFに倒されてPK獲得。中村俊が落ち着いて右スミに決め、日本が1点を返し、更に後半23分左サイド25mのFKを得ると中村俊がファーサイドにクロスを入れ、巻がベーラミに体を掴まれながら頭で合わせて同点に追いついたのです。

そして、後半33分、巻がゴール前でヘディングシュートを狙ったが、その際に相手に引っ張られPK獲得。中村俊がゴール左に突き刺し、日本が何と逆転に成功しました。こんな逞しい日本は最近観たことが有りません。しかし、その感激も束の間で、その2分後の後半35分、ヤキンの右CKでゴール前に速く高いクロスを入れると後ろから走りこんで来たジュルーが右足でゴール中央に決め同点に追いつかれ、ロスタイム2分もタイムアップ寸前となってやはりダメだったのかと諦めかけた、その時でした。

中村憲からサイドチェンジのボールを受けた山岸が左サイドからゴール前にラストパス、中村憲が胸でトラップしてシュートを放ったもののGKに体を張ってブロックされ万事休すと思ったその瞬間、こぼれ球に反応した矢野が至近距離から強烈な右足ボレーシュートするとボールはゴール中央に突き刺さり、日本が土壇場で決勝点を奪いそのままタイムアップしたのです。


順位 国      名 国旗 勝点 点差
優勝日      本 +1
チ    リ +1
ス  イ  ス
オーストリア −1


昨日の日記で、三大陸トーナメントで日本がスイスに勝ったことを取り上げましたが、私が腑に落ちなかったのは、日本がオーストリアに負けてスイスに勝っただけで優勝したことでした。この大会の最終成績は上表のとおりで、勝点優先のルールのもとでは確かに勝点が最も多い日本が優勝となりますが、次の2点に疑問が残ります。

(1)準決勝、決勝、3位決定戦を経ずに2回戦で終了している
(2)PK負けの日本に1点、PK勝ちのオ−ストリアに3点でなく2点

(1)に関しては、日本に勝ったオーストリアとチリに勝ったスイスの勝ち同士で決勝戦、負け同士の日本とチリが3位決定戦を行うのは本来のトーナメントのはずですが、何故か日本対チリ戦、オーストリア対スイス戦が行われないまま、その時点の成績を最終とする変則トーナメント制を採用しているようです。私には全くその理由が判りません。多分日程の関係で当初より2回戦をもって終了することが取り決められていたように思われます。

(2)については、特別ルールとして採用されておりました。案外、このルールの方がリーゾナブルのように思います。何故なら、PKが無い場合は両チームに1点が与えられるのですから例え、PK負けしても1点は権利として残り買った方に1点多い2点を与えるのは理にかなっていると思うのです。やはり、PKに関係なく勝った場合とPKで勝った場合は差を付けていいと思うのです。

もし、従来のルールなら、日本の勝点は3でチリ、スイスと並びますが、得失点差で日本とチリが並び、スイスは3位になります。次に総得点で日本4に対してチリ3で日本が上回り、日本の優勝ということになり、やはり日本の優勝に変わりありません。いずれにしても、日本はラッキーな取り決めで優勝したことになります。しかし、神前試合とは言え、ヨーロッパで行われる大会で日本が優勝することは滅多に無いことですので、まずはめでたいことです。


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