−日記帳(N0.2242)2008年02月18日− |
東ア選手権 日本、北朝鮮と引分け |
−日記帳(N0.2243)2008年02月19日− |
イージス艦と漁船の衝突に思う(1) |
後半24分、頭で押し込んで同点ゴールした前田(磐田) |
東ア選手権(東アジアサッカー選手権=EAST ASIAN FOOTBALL CHAMPIONSHIP)は、東アジアサッカー連盟が開催するナショナルチームによる国際サッカー選手権大会で、その前身は1990〜1998年に開かれたダイナスティカップで、2003年に第1回大会が日本で開催され、以後2年ごとに日本、韓国、中国の3か国持ち回りで開催されることになっております。 2005年韓国大会から、女子の部として東アジア女子サッカー大会(EAFF WOMEN'S CUP)が新設され、この大会と平行開催されるようになり、2005年大会から男子・女子の勝ち点合計で争う男女総合優勝の表彰が行われるようになりました。そして、その男子の部の第一回(2003年)優勝は韓国、第二回(2005年)優勝は中国、女子の部の第一回(2005年)優勝は韓国、第一回(2005年)総合優勝は北朝鮮となっており、日本だけが唯一優勝しておりません。その第三回東アジアサッカー選手権が昨晩、中国の重慶で幕を開け、日本が北朝鮮、中国が韓国と対戦しました。 日本対北朝鮮は、前半6分、名古屋生まれの在日朝鮮人のチョン・テセ(鄭大世 23歳:川崎フロンターレ在籍)に、最も警戒していたはずなのに、前を向かせてしまい、左足で豪快に先制点を奪われてしまいました。「チョン・テセだけだった」と岡田監督も指摘したとおり、その後の北朝鮮の攻撃のほとんどは彼を経由したもので、彼ひとりにカウンターから何度も苦しめられました。朝鮮大学校在学時代から横浜マリノスの練習に参加して当時の岡田監督に認められることを望んでいたのに、叶わなかったことからチョン・テセ選手にすれば、岡田監督へのアピールの場でもありました。 極端に引いて守りを固める北朝鮮に対して、我慢の時間帯が続きましたが、うやく後半24分、安田が左サイドを突破。クロスを相手GKがクリアし損ねたところを前田(磐田)が頭で押し込んで、何とか同点とし何とか引き分けに持ち込みました。 圧倒的にボールを支配しながら1点しか取れなかったことに、相変わらず問題を残しておりますが、アウエーの雰囲気と欧州組や高原、大久保を欠くメンバーを考えれば、一応の評価は下せると思います。尚、中国対韓国は熱戦の末、韓国が3:2で逆転勝ちしました。この結果、首位韓国、2位が日本、北朝鮮、3位中国となりました。 |
イージス艦「あたご」 と分断されて波間に漂う「清徳丸」の船首部分 |
現在就役中の5隻のイージス艦の中で、昨年就役したばかりの最新鋭のイージス艦「あたご:7,700トン」が、今日の早朝4時過ぎに、千葉県野島崎沖40キロ付近で、千葉県勝浦漁港所属のマグロはえ縄漁船「清徳丸:7.3トン」と衝突し、漁船の船体が二つに割れ、乗組員の親子二人が行方不明になるという悲惨な事故が発生しました。今日はまず、この事故を検証するのに必要な海上自衛隊とイージス艦に関する知識をまとめてみたいと思います。 日本は、自衛隊のもとで、国家予算の約6%に相当する約5兆円の防衛予算を使って、陸・海・空の自衛隊員約25万人を擁する、世界でも五指に入る軍事大国でもあります。うち、海上自衛隊は、隊員約4万を擁し、潜水艦16隻と護衛艦約50隻等の作戦用艦艇約130隻、対潜哨戒機等の作戦用航空機約300機を保有しております。 海上自衛隊は、専守防衛の観点から大別して、対水上戦、対空戦、対潜戦、対機雷戦に重点を置いいることから、4個の護衛艦隊(横須賀、佐世保、舞鶴、呉)、8個の航空部隊(鹿屋、八戸、厚木、那覇、館山、大村、岩国、他)、6個の潜水艦隊(呉、横須賀、他)、3個のの掃海部隊(呉、佐世保、横須賀、他)の四つの組織から構成されております。イージス艦は、こんごう型4隻(こんごう、きりしま、みょうこう、ちょうかい)とあたご型の2隻(あたご、あしがら)で、あしがら は現在、三菱重工長崎で艤装中で、来月就役することになっており、下表に示すように夫々の艦隊に所属しております。 |
番号 | 艦 名 | 所 属 | 排水量 | 製造者 | 就役年 |
173 | こんごう | 佐世保 | 7,250t | 三菱長崎 | 1993 |
174 | きりしま | 横須賀 | 7,250t | 三菱長崎 | 1995 |
175 | みょうこう | 佐世保 | 7,250t | 三菱長崎 | 1996 |
176 | ちょうかい | 呉 | 7,250t | 石播東京 | 1998 |
177 | あたご | 舞鶴 | 7,700t | 三菱長崎 | 2007 |
178 | あしがら | 呉(予定) | 7,700t | 三菱長崎 | 2008(予定) |
イージス艦は、米国によって開発されたイージスシステム備えた護衛艦の総称で、ギリシャ神話の中で最高神ゼウスが娘アテナに与えたという、あらゆる邪悪を払うとされている盾(胸当)の「アイギス」が語源とされております。従って、駆逐艦、巡洋艦、戦艦のように艦艇の大きさとは無関係な呼称で、大きさは駆逐艦と巡洋艦の中間で、こんごう型は7,250トン、あたご型で7,700トンに統一されております。 イージスシステムは、レーダーやソナーなどのセンサー・システム、コンピューターによる情報処理システム、ミサイルとその発射機などの攻撃システム、そして他の部隊と連絡するためのデータリンク装置などが連結され、対空・対水上・対潜のあらゆる局面において、目標の捜索から識別、判断から攻撃に至るまでを、迅速に行なうことができるシステムです。そのため、システムだけで一式<500億円、艦本体を含めると1隻1,200億円以上もするため、世界でも米国、日本、スペイン等5ケ国にしか配備されておりません。 その戦闘能力は、半径約300km以内の艦艇や航空機、潜水艦といった目標を200個以上とらえて探知・識別・追尾をほぼ同時に実施し、迎・攻撃兵器選択からミサイル発射などの過程を自動処理するとともに、標準装備されているスタンダードミサイル(SM-2MR)によって、同時に10目標以上に最大射程100キロ以上の迎・攻撃も可能とされております。「みょうこう」は平成10年8月、北朝鮮発射の弾道ミサイル・テポドンを追尾し高性能を証明しております。 また、昨年12月17日午後0時05分、ハワイ・カウアイ島の米ミサイル発射施設から発射されたSM3ミサイルを、イージス艦「こんごう」が数百キロ離れた海上で探知、追尾し、0時12分に海上配備型迎撃ミサイルSM3を発射して高度100キロ以上の大気圏外で標的のSM3ミサイルを撃ち落とすことに成功しております。米国以外の国によるSM3の発射実験成功は初めてのことで、「こんごう」は北朝鮮からのミサイルに備え年から佐世保に実戦配備されております。 イージス艦の対空戦闘能力を、ほぼ同じ大きさの旧日本海軍の軍艦と比較してみます。例えば、戦艦大和と1:1で戦った場合、大和は46センチ主砲を3門装備していますがその最大射程は42kmですので、この距離以上離れて対峙した場合は、明らかにイージス艦の勝ちです。戦艦大和が勝てるのは有効射程距離内の近距離で砲撃しあった場合に限られます。また戦闘機と戦う場合、数十機が300km以上離れた空母から発進した場合は、イージス艦の上空まで飛来するのに数十分以上掛かりますので、その間にミサイルで逐一撃墜されてしまい戦闘機側の負けで、戦闘機側が勝てるのはイージス艦に近い無傷の空母から数十機以上が同時に攻撃した場合に限られます。 例えば、日米最後の「坊ノ岬沖海戦海戦」に参加した艦船は、日本側が戦艦大和以下、巡洋艦矢矧、駆逐艦磯風以下8隻の計10隻に対して、米国側は空母11隻、戦艦6隻、巡洋艦10隻、駆逐艦50隻の計87隻と言う史上稀に見る大機動艦隊でしたが、イージス艦なら1隻で日本艦隊を全滅させることが出来ます。極端なことを言うならば、条件如何では、海上自衛隊が保有する6隻のイージス艦だけで旧日本海軍の全艦船に匹敵する戦闘能力が有ると言っても過言ではないと思われます。その凄い能力を有する、6隻のイージス艦の雄姿を以下の画像で紹介したいと思います。 |
「こんごう」こんごう型護衛艦の1番艦(艦名は金剛山に因む) |
「きりしま」こんごう型護衛艦の2番艦(艦名は霧島山に因む) |
「みょうこう」こんごう型護衛艦の3番艦(艦名は妙高山に因む) |
「ちょうかい」こんごう型護衛艦の4番艦(艦名は鳥海山に因む) |
「あたご」あたご型護衛艦の1番艦(艦名は愛宕山に因む) |
「あしがら」あたご型護衛艦の2番艦(艦名は足柄に因む) |
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