−日記帳(N0.2286)2008年04月02日−
桜前線に異常あり
−日記帳(N0.2287)2008年04月03日−
自宅前の桜は今が満開


3月29日の東京・井の頭公園の満開の桜(毎日新聞の記事より)

「桜前線」という魅力的な言葉があります。「前線」は気象用語で、低気圧や高気圧などの二つの気団が接触したときに生ずる不連続面(前面)が地上と交わる線を指し、以前は「不連続線」とも表現されました。その通過時に一時的に海上が大荒れになる「寒冷前線」や停滞時に梅雨などの長雨をもたらす「停滞前線」に代表されるように、悪天候を招く現象ですので、言葉としはていい響きを持っておりません。しかし、「桜」が冠されると途端にいい響きを持った言葉に変わります。

桜の開花が列島を南から北上移動していく様子が、偏西風に乗って前線が西から東に移動していく様子に似ているとして、何時の間にかメディアで「桜前線」という言葉が使われるようになり、今日に定着し春の風物詩となりました。従って、気象用語ではありませんので、本来なら天気予報等で使うことはないはずですが、下図のように気象庁は、多少抵抗が有るのか、「桜」を「サクラ」とし「サクラ前線」という言葉を使って予報して」おります。


上述のように「桜前線」は列島を南から北上するのが普通ですが、今年は4月22日に東京、静岡などが全国のトップを切って開花し、本格的な花見シーズンが幕開けした一方で、南九州の開花が遅れるなど、東日本と西日本の逆転現象が起きており、まさに「桜前線に異常有り」です。3月になって気温上昇し、3月27日には東京で統計開始から3番目の早さで満開となった一方で、緯度としては南に位置する九州では3月28日までに満開になった地点はなく、鹿児島では3月28日になってようやく開花が確認されております。

桜の開花は、1年を通しての平均気温よりも開花直前の平均気温の影響を受けるという特性を持っております。その理由は、桜の成長が秋になると止まりますが、冬の期間に5度前後の比較的暖かい気温にさらされると眠りから目覚めるからです。特に、特に冬の寒さによる低温とその後の気温上昇による高温との温度差が開花を早めます。

この冬の西日本は寒さが必要な昨年11月から今年1月に気温が十分に下がらず、気温の上昇でつぼみが膨らむはずの2月の気温も平年より1度低かったため、その温度差が縮まり開花は遅めとなった一方で、東日本は開花直前の気温が比較的高かったために温度差が拡大して開花を早めたものと考えられます。


満開の自宅前の公園の桜

自宅前の公園の桜が漸く満開となりました。4月中旬頃に満開となるのが例年ですので今年は10日ほど早いようです。開花したのは4月25日頃でしたので、開花9日目で満開に到ったことになります。開花の様子を、ほぼ同じ位置からの撮った画像で以下紹介してみます。

3月27日、2分咲き程度

3月29日、5分咲き程度

3月31日、7分咲き程度

今日、4月3日、満開

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