−日記帳(N0.1242)2008年04月26日−
イタリア旅行して思うこと(4)
−日記帳(N0.21243)2008年04月27日−
硫化水素自殺事件多発に思う(1)


日本より10年早く実用化されているイタリアのETC(=TELEPASS)

イタリアは高速道路に関しては最先端を行く先進国であることをこの旅行を通して理解できました。その理由は、イタリア版ETCのTELEPASSがイタリアで日本より10年早く実用化され、高速道路総延長が5,500kmでが日本より長く、最高制限速度が日本より20km/h早い120km/hで、高速度道路利用料金が日本の1/6程度と安い上、交通事故死も日本の半分程度だからです。

一方、道路幅は日本より0.5mほど狭い3m程度、中央分離帯はあっても日本のように植栽とかフェンスは無く、ガードレールは日本のような頑丈なものではなく、カーブにも勾配は無く、サービスエリアにはガソリンスタンドと簡単なスナック売り場かせいぜいBARが有る程度、トイレも日本のような専用トイレでなく店の付属トイレで数も数個ぐらいしか有りません。

しかし、快適ななドライブが出来なくても走ることについては何ら不便はなく、格安の高速度道路利用料金がこれを補って余り有ります。日本の高速道路には、不要不急なものが多い上、道路整備、サービスが過剰品質になって高い高速度道路利用料金を招いております。このような観点から日本はイタリアを大いに見習うべきだと思います。

イタリアの高速道路システムが日本より進んでいるのは、高速道路を管理運営しているエストラーダ(=Autostrada)が日本に先立って民営化されたからに他ならないと思われます。日本は道路整備が民意が反映されないまま政争の具になっておりますが、こうしたイタリアの道路事情を見習って欲しいものです。4回に渡ってイタリアとイタリア人について語ってきましたが、第1回の「ボッタクリ」第2回の「スリ」はイタリアの恥部、第3回の「コンビニ」は、ある意味で学ぶべきイタリア人の国民性、第4回の「道路事情」はイタリアが世界に誇るべき技術・システムで、日本は大いに学ぶべきと思います。イタリア人って本当にユニークな国民ですね。


硫化水素による事故防止の警告看板が立つ八甲田山

昨年から硫化水素による自殺が増えており、特に今年3月から激増しております。殆どの方は、硫化水素という言葉は知っておられると思いますが、具体的にどんなモノかはご存知ないと思います。日常、家庭で使う薬剤を使って硫化水素を発生させる方法は自殺を幇助する恐れが有りますので触れませんが今後、硫化水素による不測の事故を防止する一助になることを願ってこの特集を編集することにしました。

硫化水素は通常、ガスの状態で存在しますが、人間の生理作用でも、地殻活動などでも自然に発生しますので身近な存在でも有ります。例えば、放屁されるおならや、歯周病の人の吐息にも含まれており、それぞれ悪臭の源となっております。また、切り割ったゆで卵に鼻を近づけると微かにあの独特の硫化水素の匂いがしますし、勝浦温泉、白骨温泉、新穂高温泉などの温泉は単純硫化水素泉、万座温泉、草津温泉、雲仙温泉などの泉質は酸性硫化水素泉でそれぞれ超微量の硫化水素を含んでおり、湿疹やしもやけ、切傷などの皮膚病などの効能こそあれ決して有害ではありません。

ただ、このような硫化水素泉の温泉でも、ホテルや旅館の中なら安全ですが、2005年に泥湯温泉で旅館から200mほど離れた場所で4人、山でも1997年に八甲田山で訓練中の自衛官3人がそれぞれ高濃度の硫化水素を吸ってで死亡するという痛ましい事故が起っておりますので温泉や山でも注意が必要です。上の写真は、その八甲田山での硫化水素による事故防止を呼びかけている警告看板です。

ところで、我々の身の回りには硫化水素以外にも危険なガスとして塩素、アンモニア、一酸化炭素などが有ります。塩素、アンモニアは硫化水素と同様に微量でも鼻をつくような刺激臭を放ちますのでその存在を感知することが出来ますが、一酸化炭素だけは無色無臭ですので、一酸化炭素を成分とする以前の都市ガスには微量の付臭剤と言われる悪臭を放つガスが混ぜられておりました。腐ったタマネギのような匂いのターシャリーブチルメルカプタン、ニンニクのような匂いのジメチルサルファイド、石炭ガスのような匂いのテトラヒドロチオフェンなどがその事例です。これらの付臭剤も単独では、硫化水素と同様に有害ですが微量なら問題無いため故意に混ぜて危険予知の役割を担わせているわけです。 4月30日の日記に続く


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