−日記帳(N0.1382)2008年09月15日−
敬老の日に思うこと(1)
−日記帳(N0.1383)2008年09月16日−
敬老の日に思うこと(2)


2006年時点でのわが国の65歳以上の高齢者人口(総務省資料から)
(前期高齢者(空色)、後期高齢者(水色))

今日の敬老の日を前にして、総務省は昨日、今日現在の高齢者推計人口を発表しました。この結果、我が国の65歳以上人口(平成18年9月15日現在推計)は2640万人で、総人口の20.7%と5人に1人強を占めており、更に65歳以上人口を、65歳以上74歳以下の前期高齢者と75歳以上の後期高齢者に分けると、前期高齢者は1432万人(11.2%)、後期高齢者は1208万人(9.5%)となっており、近年、後期高齢者が前期高齢者の伸びを上回る増加数で推移していることも判りました。

この状況を判りやすく理解するために、グラフ化した資料を上図に掲載してみました。明らかに、後期高齢者(水色)の伸びが前期高齢者(空色)の伸びを上回っている様子を見取ることが出来ます。この20.7%という65歳以上の高齢者人口は下表に示すように世界ランクでも1位で、特に後期高齢者の9.5%は他国を圧倒していることが判ります。更に特筆すべきことは、65歳以上人口の割合が7%から倍の14%に達した所要年数(倍化年数)をみると、ドイツが40年、イギリスが47年、イタリアが61年、フランスが115年であるのに対し、我が国はわずか24年(1970年から1994年)となっていることです。


家族に囲まれてお元気な男性世界最高寿の田鍋友時さん(112)


厚生労働省は12日、100歳以上の人口が9月末時点で3万6276人(うち86%が女性)になると発表し、日経ビジネスは、次のように日本の人口の動向を分析しております。

2004年:人口が減少に転じる
2020年:死亡率低下で、人口が再び上昇
2029年:平均寿命が100歳を越える
2030年:3人に1人が65歳以上に
2044年:100歳越人口が1000万人を突破
2050年:2人に1人が65歳以上に

また「2050年、日本人の平均寿命は90歳を超える」と昨年6月、米国の民間研究機関が英科学誌「ネイチヤー」に発表しております。このように、日本人の寿命が延びることは喜ぶべきことではありますが、反面、超高齢化社会という深刻な問題をもたらしますので、この問題に対する対応、例えば少子化対策、定年延長、高齢医療費等が必要となります。

特に、私が問題にするのは、アルツハイマーの問題です。雑感記第43章「アルツハイマーの予防について」で触れておりますように、人は誰でも50歳前後になると脳にβタンパクというシミのようなものが出来、これが溜まっていくと正常な脳細胞を壊死させる結果、脳が萎縮してアルツハイマー病が発症することが判っております。

幸いある酵素がこのシミが大きくならないように掃除してくれるのですが加齢に伴って、この酵素が減少することでβタンパクが溜まりはじめて脳が萎縮しアルツハイマー病が発症すると言われております。そして、このシミが出はじめてから発症に至るのに20年ぐらいかかり、その間に会話、運動、成人病防止の対策を講ずることでその期間が延びるとのことです。

つまり、執行猶予期間が20年ほど有りますが、対策によってこの期間が25年、30年と延びることになります。従って、平均寿命が80歳前後の現在では、執行猶予期間中に死亡しますので、殆どの方はアルツハイマーを発症しないまま、生涯を閉じることになります。しかし、平均寿命が90歳前後になて執行猶予期間を延ばす対策に限界が生じたら、今度は殆どの方は生きている間にアルツハイマーを発症することになり、大きな社会問題になります。

これは、超高齢化社会の問題点のひとつです。しかし、そんな中で、世界最長寿の男性、田鍋友時さん(112歳)が重篤なアルツハイマーを発症せずに、2日後に113歳になられます。毎日、新聞を読み日記を書いておられ、先日は数多くの報道陣を前に「あと10年は生きたい」と元気に語られたとのことですので、本当に元気付けられます。上に、田鍋友時さんの最近の元気なお姿を掲載させて頂きました。100歳を過ぎた方とは思えない、若々しく元気なお顔を拝ませて頂くことで、私のアルツハシマー発症の執行が延びることを期待しております。


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