上のグラフはこの2年間(06-10-31〜08-10-31)のダウ平均(上側)
と日経平均(下)の株価推移を表わしております。
日経平均がダウ平均に連動して変化していることが判りますが、
その変化率は必ずしも連動しておりません。
今年の9月以降、米国発の金融危機に端を発した世界同時株安に
より株価は大きく下落していることは共通しておりますが、その
下落率は下に示すように、金融危機の震源地のお膝元の米国の
-22.7%の対して震源地から離れた日本はそのほぼ倍の-47.7%
に達して大きく乖離して連動しておりません。
同じ条件で欧州各国の下落率をチェックしてみたところ、日本を
上回るケースは見当たりませんでぢた。そこで、欧州の代表とし
て、ドイツのDAX平均をピックアップしTところ下に示すように
-20.9% で日本の半分以下の下落率にとどまっておりました。
06-10-31 → 08-10-31 = 下落率
日経平均( 米 国 ) 16,399 → 8,577 = -47.7% (Y)
ダウ平均( 日 本 ) 12,081 → 9,337 = -22.7% ($)
DAX 平均( ドイツ) 6,269 → 4,988 = -20.9% (M)
このように、日本だけが先進国中で際立って下落率が大きくなる
最大の理由として、日本人の間違った株式観が挙げられます。
昨日、「株を持ってないので今回の株の暴落は無関係」との主婦
の方の株式観が間違っていることを指摘しました。
このような株式観を持っておられる方々の殆どは、「株は、競馬
、パチンコのような汗水流さずに、真面目な人が手を出すもので
はない、汗水流さずに金儲けしようなんて人道に外れる行為だ」
との考えを持っておられることと思います。
この考えが間違っているとは言いませんが、正論ではないことは
間違いないと思います。確かに、一日中、パソコンの前に座って
キーを叩くだけで一日に数億円儲けたと話す若者に嫌悪を感じま
すし、こんな若者が日本中に溢れたら日本は破滅すること間違い
にと思いますから「汗水流さずに・・・」のくだりは、私も共感
しますが、「株は賭け事・・・」のくだりは共感できません。
株の場合は、他の賭け事のように運に左右される要素は有ります
が、銘柄の選択、状況分析等によっては、低利の預貯金や国債よ
りも有利に運用することで利殖を図ることができますので、株は
投機ではなくて投資であると考えるのが正しいと思います。
そのことを以下の事例で立証したいと思います。
ここで3年前の今日(2005-10-31)、約300万円の資金を使って、
株投機派のAさんが預金、株投資派のBさんが株に投資したと
して、今日現在どのようになっているか検証してみます。
株が暴落しておりますのでBさんは青くなっているものと思わ
れますが果たしてどうなっているのでしょうか。
・Aさんの場合:
三菱東京UFJ銀行のスーパー定期(利率=0.35%)に加入した結果、
3,000,000円×0.0035/年×3年×0.8= 25,200円(利息)
より、元本は 3,025,000円(1.008倍)となりました。
・Bさんの場合:
東京電力株1,000株(289万円=当日株価(2,880円)+手数料)を購入
した結果、65円/(株・年)×1,000株×3年×0.9=175,500円(配当)
但し、購入時の株価(288.5万円)は、今日現在277万円に値下がり
しておりますので元本は、2,945,000円(1.019倍)となりました。
注:課税率は預金20%、配当金10%により、0.8、0.9としまいた。
このように、大暴落で大損したはずのBさんの方が、資金が11万
円少ないのに預金利息の約7倍の配当金を得た結果、元本も預金
の1.008倍に対して1.019倍になっております。
そしてこの情報によれば目標株価が1年以内に現在の2,900円から
3,400円になると想定されておりますので、その時点で売れば、
(3,500-2,880)円/株×1,000株=620,000円の売買差益が発生しま
すのでBさんの株には 620,000円の含み益が見込まれております。
この事例で判るように、株は投資ではなくて投資と言い切れます。
以上により、株は投機でもありますが、やりかた如何えは投資に
もなり得ることを上の事例で実証した上で、本論の、日本の株だ
けが先進国中で際立って下落率が大きくなる理由に触れていきt
いと思います。以下、(3)に続く。
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