−日記帳(N0.1503)2008年01月15日−
台湾旅行を終えて思うこと(6)
−日記帳(N0.1504)2009年01月16日−
名古屋で二人だけの新年会



中部国際空港を飛び立ったJAL655便は3時間後に台北の桃園国際空港に着陸しました。ここから最寄の新幹線の駅、桃園駅までバスで移動しました。移動時間は15分程度でしたが車窓に広がる台北郊外の風景を眺めておりましたが、いずれの住宅にも共通に見られる奇妙な風景に気付きました。その風景が上の画像です。

それは、屋上にタンク、窓に鉄格子が据え付けられている風景でした。好奇心旺盛な私にはそれが疑問となり、その理由を考えておりました。その疑問を待ってましたとばかりに現地ガイドさんで、日本のお笑いタレントのワッキーにそっくりの、初さんが疑問に答えてくれました。たどたどしい日本語でしたので、正確にに理解できたとの自信は有りませんが凡そ次のように理解しました。

まず、屋上のタンクは水を貯蔵するタンクとのことでした。台湾には、日本と同様に梅雨も台風も有り、1年を通して水不足になることはないとのことですが、水道の水圧が不安定な上、断水することが多いので、自衛策として屋上に貯蔵タンクを設置し、水圧が安定な時にタンクに汲み上げておき、非常時にタンクの水を使うのだそうです。

台湾には3,000m以上の山々が100以上もある山脈が南北を貫いて海岸に迫っており、しかも山塊が大理石に代表されるような硬い岩盤で出来ているため、山脈に降った雨が取水する間もなく短い時間で海に流れてしまうことが断水が起こる理由だそうです。昨日取上げた日月潭や珊瑚潭などの湖やダムは電力、灌漑が目的で取水目的のダムや給水路の整備が不充分なのでしょうか。

我々が住む知多半島地域は戦前までは、水不足を補うため江戸時代から灌漑用池が至るところに作られておりますが、それでも水不足が解消しないため、戦後になって御岳の山麓の牧尾ダムから延々と愛知用水と呼ばれる給水路が整備されてから水不足に悩むことは無くなりました。もし、愛知用水が無かったら我々も、タンクを設置して自衛していたかもしれません。

次に、窓の鉄格子を付ける理由は単純で、盗難または押し込み強盗の防止対策とのことでした。台湾はそれほど治安が悪い国ではないのに敢えてそのようにする理由が今ひとつ判らないので、初さんに聞きまくったのですが説得ある答えは頂けませんでした。

下の画像をよくよく見ると、台湾の人たちが切実な理由が有って鉄格子を付けている事情が窺えます。2階の植木鉢が吊るされている窓の外側にも鉄格子が取り付けられているからです。これでは鉢の手入れが大変で、日当たりも悪くなり、外からの景観も芳しくありませんから、日本ではまず考えられないからです。


その理由を帰国後に夜も眠らずに考えて、考えてみた結果、ある結論に達しました。台湾では朝、昼は外食するのが普通で、夕食も外食にすることも多く、家を留守にすることが多いようです。従って、留守の間に泥棒に入られる恐れが多く門扉や玄関の施錠だけでは不充分で窓からの侵入に対処するためと推察しました。如何がなものでしょうか。




魚民の看板      和民の看板

3日前の13日に半田での地元の友人T君との二人だけの新年会に続き、今晩は名古屋在住のU君と、名古屋での株式セミナー出席後、名古屋の四大繁華街のひとつ金山で二人だけの新年会を、何時も利用する大衆居酒屋チェーンの「魚民」でささやかに開きました。セミナーが4時に終わり「魚民」の開店時刻の5時までの間を喫茶店で過ごしてから5時10分頃、入店しましたが先客は一組だけでした。

昨年12月2日に、やはりT君と二人だけの忘年会をここで過ごしましたが、店を出た時も空席だらけでした。しかしこの日は、ほぼ同じ時刻に店を出たのですが空席待ちのお客さんがフロントで待機しているほどの大盛況で、不況に悩む名古屋とは思えないような風景でした。

最近、不況下での若者の生活スタイルを風刺する言葉として「ニトリのベッドで起きて、ユニクロで買い物をして、ワタミで食事して、ニトリのベッドで寝る」が有ります。ここで出てくる三つの会社は、この不況下にも関わらずいずれも増収、増益を続けていることから株式市場などでも注目されてことで知られております。共通しているのは、「安さ」が売り物ですが、店の雰囲気、販売システム、商品の斬新さに若者のこころを惹きつける何かが有るようです。

このワタミとは「和民」のことで、今晩我々が利用した「魚民」と同じ大衆居酒屋チェーンで、この金山で同じ通りに100mも離れていないところに同じように、赤字に白抜きの看板を掲げております。上の画像で、両店のこお看板を比較してみました。「民=タミ」が共通の上、デザインと配色がよく似ているため、同じチェーンと思われがちですが、全くの別会社です。

4年前に、居酒屋チェーン「和民」を運営するワタミの渡辺美樹社長が居酒屋チェーン「魚民」を経営するモンテローザを、「魚民」の看板が「和民」の看板に酷似しているとして使用中止を求める警告書を送ったことなどを契機に大手チェーン同士の看板紛争に発展し2004年に和解しておりました。

しかし、2007年6月に渡辺社長が雑誌で「『和民』をつくったら『○民』が出てくるという具合に、 ヒットした先行者がいればライバルがすぐにまねし、後を追う」 との文章を掲載したことから、モンテローザ側は、お互いに相手を中傷しないとの和解合意事項に反するとして、1億円の損害賠償を求めてワタミ側を提訴し、看板紛争が再発して今日に至っております。

この日、「魚民」でメニューオーダーすべくワイヤレス呼び鈴を押してもなかなかオーダー取りに係の人がきてくれません。人手が足らないことは係りの人たちが早足で飛びまわっていることから判りました。モンテローザは、慢性的な人手不足を解消すべく昨年末、派遣切りされた人たちに同社への就職を呼びかけたところ、応じた人は極めて少なかったとのことです。皿洗いや休日勤務の飲食業を嫌う傾向は、この大不況下でも相変わらずのようです。

店を出て、2次会のスナックまで歩きましたが、花金と新年会からの流れもあって、行き交う人と肩が触れんばかりの混みようで、不景気など何処行く風といった風情を感じました。セミナーは超満員、居酒屋も空席待ち、そしてスナックは満席でした。お金が無いから使わないのではなく、マスコミが100年に一度の大不況などと過度に騒ぎ立てるので、不安心理に駆られて財布の紐を締めているだけのことのようにさえ思われました。

ところで、「魚民」と「和民」の看板紛争について、ネットである方が、こんな風に風刺しておりました。

「魚心、あればこちらも、水心、
和を以て民は、仲を“さけ”のみや。」
猪口山人


前 頁 へ 目 次 へ 次 頁 へ
inserted by FC2 system