−日記帳(N0.328)2002年09月17日−
日朝首脳会談の成果

政策には必ず賛成、反対意見が有ります。そしてその成否はその後の実行如何にかかっており最終的には歴史が審判します。
今回の小泉首相の日朝首脳会談に関する最終判断はその類の政策と思います。結論から言えば、正しい判断であると私は思います。このような判断の良否は、その政策を否定した場合の功罪を論ずると意外とよく判る場合が有ります。

今回の会談の目的は「国交正常化交渉再開」にあり、その是非を判断する手段として拉致被害8件、11名の安否を明確にすることにありました。つまり、あくまでも「安否」であって「否」も当然含まれていることになります。会談の結果、 「否」については悲しい結果になったものの、全員の安否が確認された上、これまで頑なに否定してきた拉致の事実を認め謝罪し更に核・ミサイル問題もほぼ日本の要求どおりの回答が得られております。

従って、「否」については別途、その真相を追求して責任・補償問題を明確にすることにすれば、手段は満たされ「国交正常化交渉再開」の目的が達成されたことになり、小泉首相の最終判断は適切であったと言うことになります。 逆に小泉首相が席を立ったり、態度を保留したらどのようなことになるかを考えてみれば、その適切さが浮き彫りされると思います。

個人的な交渉の場であれば、8人死亡と言う衝撃的な「否」の情報に接して、席を立つのは理解出来ますが、1億余の国民の安全を確保するために冷静に議論する場では到底理解できないし、もし席を立ったら国際信義のもとる愚挙として国際的にも批判されて後世にも汚点を残し、せっかく北朝鮮側としては従来感覚では考えられない対日方針転換をして開けた扉が再び堅く閉ざされ、拉致、不審船、核、ミサイル等の脅威にまた曝されることになります。

また、態度を保留したらもっと惨めなことになり、この首脳会談そのものの意味が無くなります。直接トップで会談することで結論をその場で出すのが首脳会談の目的ですから、帰国してから返事するようでは小泉首相の指導力の無さを露呈するだけのことで、その時点でこの会談は後の結果に関係なく失敗です。

こうして、席を立つ、保留することの選択肢が無いとすれば残るは「国交正常化交渉再開」に合意するしかないことになり、その結果、小泉首相の最終判断は適切であったと言う結論に至ります。ただ、今後の交渉の過程においては8人の 死因を調査団を派遣して追求し、その結果如何では北朝鮮側の責任・補償を要求することが経済支援、国交正常化の条件とすることは言うまでもありません。

ただ、残念なことは共同宣言に拉致の文言の記載が無く、北朝鮮のメディアが金総書記が拉致事実を認めたことを報道していないこと、世界のメディアが当日イラクが核査察を受け入れたとのビッグニュースが有ったにせよこの拉致問題どころか日朝首脳会談にすら触れていないことです。このことは、今後の交渉において日本側が有利に事を運ぶことが困難視されると思われるだけに、外務省にはこれまでの不祥事を挽回するためにも全力を尽くして事にに当たって貰いたいものです。

そのためにも交渉関係者は、死亡が確認されたと報道された横田めぐみさんの母、早紀江さん(66)の次の言葉をかみしめて欲しい。 
「何か(北朝鮮で)仕事をしている者は簡単に出せないんだと思う。日本の若者のことを報道してくださり、一生懸命力を合わせて暴露したことは日本にとっても北朝鮮にとっても大事なこと。そのことのためにめぐみは使命を全うしてくれた。いずれ人はみな死んでいきます。めぐみは本当に濃厚な足跡を残してくれた。まだ生きていることを信じて闘っていく。」
−日記帳(N0.329)2002年09月18日−
我が輩は猫である(2)

我々、猫族に限らず殆どの動物には縄張り意識が有る。自分たちが生活するところを邪魔されたくないのは人間どもも同じだ。人間たちの世界ではそうした場所の権利が法律で保証されているからいいのだが、我々動物の世界ではそんなものは無いから、どうしても境界線をはっきりさせておく必要がある。

人間みたいに、柵を建てたり、看板を付けたり、ペンキで線引きしたりすることなんか出来るわけないから、犬どもがやるようにオシッコをかけて匂いを付けるしか方法がないが、猫族の場合はオシッコの匂いだけじゃ直ぐ消えちゃうんでちょいと特殊な香料を混ぜるんだがこれが今回の我が輩の悲劇に繋がってしまった。

もともと、この香料は雌猫の彼女を引き付ける効果も有るので、雄猫には「あっちにいけ」、雌猫には「こっちにおいで」と二つの目的を果たしてくれる大切なものなんだが、これが人間どもには臭くてたまらんらしい。大体、人間どもの臭覚は下等でイタチの屁とこの香料の区別が出来ないとは情けないものだ。

我々、猫族は生まれて半年以上経つと最初の発情期を迎えるが、雄猫はそこでこの香料入りのオシッコをする。 すると人間どもはこれをスプレーと言ってスプレーされると数日間は臭くて消えないからと言って毛嫌いするのだ。 そして、この香料が雄猫の生殖器で作られることに目を付けて生殖器を切除、つまり人間どもの「タマヌキ」をすることをある口実を付けてそうすることが猫のためにもなると勝手なことを言っている。

その口実とは、飼い猫でも交尾することで飼われない猫が増えて野良化し、野良猫同志の交尾で益々増えていくからまず雄猫の去勢つまりタマヌキは雌猫の避妊とともに猫と人間が共存するために必要だからと言うのだ。それなら雌猫の避妊だけで済むのではないか。敢えて去勢まで強要するのはスプレー防止が本音ではないかと憤慨もしたが買い主の長女が我が輩を抱き上げて「ごめんね、痛くないからね」と涙ながらに慰めたてくれたので少し気持ちが和らぎ去勢手術を受ける覚悟が出来た。

この家に来てから半年ぐらい経過したある日の夕方、籐籠に入れられて長女とその母親に付き添われて近くの病院に連れて行かれた。受付の女性に「猫ちゃんのお名前をここにお書き下さい」と言われて、長女は「鈴木茶助」と書いた。 受付の女性が「チャスケちゃんですね。」と言うと長女はちょっと戸惑っていたが「はい、「そうです」と答えた。こうして我が輩の名前が決まったんである。

長女が少し戸惑ったのは「茶助」の発音を「サスケ」と考えていたらしい。我が輩にとってはどちらでもいいのだが、スケが助平に通ずるのでいずれにしても不満である。だから、後になって我が輩の主人、つまりこのサイトの管理者が「chasuke」とローマ字にして、自分のハンドルネームにしてくれたので助平への連想が弱まって良かったと思っている。

そして手術室に運ばれる前に別の女の人が我が輩のチンチンの周りの毛をハサミで刈り取った。仔猫とは言っても多毛種であるから結構毛は多い。やがて刈り取りが終わると、首、両手、両足を通すジャケットのようなものを着せられた。ボタンを賭けられると全く身動き出来ない。チンチンのところだけは丸い穴が空いているのでここからメスでタマヌキするのだなと思っていたら、男の先生が現れた。

恐怖が全身に走った。我が輩は主人以外、男は怖いのである。生まれて、すぐに調教されたがその調教師が男であった。彼は我が輩が指定外のところで便をすると頭を殴った。その恐怖心が幼心にこびりついて男性恐怖症になってしまったのである。その代わり女の人が食事の世話をしてくれたので、女の人には恐怖心は湧かない。我が輩が男だからと言うわけではない。これだけは言っておく。その恐ろしい男からタマを抜かれると思うと猛烈な恐怖心に襲われ頭が真っ白になってしまった。その恐怖の体験は次回に話すことにしよう。

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