PCR検査、陽性率、実効再生算数、クラスター ・・・・・
毎日、このようの専門用語が、コロナ関連の情報で飛び交ってますが私にはよく理解できませんので
ここで、自ら設問してその回答を調べることで理解していきたいと思います。
・設問1:日本では、PCR検査が少ないために感染者の実態が把握できず危険をはらんでいる
PCR検査が少ないことは次の事情でに因るもので事実です。
(1)帰国者・接触者相談センター機能を担っていた保健所の業務過多
(2)入院先を確保するための仕組みが十分機能していない地域もあった
(3)地方衛生研究所は限られたリソースの中で通常の検査業務も並行して実施する必要がある
(4)検体採取者および検査実施者のマスクや防護服などの感染防護具などの圧倒的な不足
(5)保険適用後、一般の医療機関は都道府県との契約がなければ検査を行うことができなかった
(6)民間検査会社などに検体を運ぶための特殊な輸送機材が必要だった
しかしその結果、危険をはらんでいると結論するのは誤りです。
国民全員にPCR検査すれば実態把握できますが、それは無理です。
人口千人当たりの検査数は、経済協力開発機構(OECD)によると4月28日時点で1.8人と、加盟国中で
最低レベルで、イタリアの29.7人 ドイツの25.1人 韓国の11.7人と比べても水を開けられてます。 |
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各国のPCR検査状況 |
PCR検査は精度が低く、検査者に感染リスクが高く、検査技術習得も難しく、他のサンプルが混ざら
ないように採取した検体を管理・輸送するシステム確立が求められる等容易ではありません。
従って、現在感染しているか否かを調べるPCR検査に代えて、過去に感染していたか否かを調べる
抗体検査でも感染者の実態をある程度まで把握することは出来ると思われます。
・設問2:日本での抗体検査は?
抗体検査とは、被検者の血液や体液中に、細菌やウイルスなどに対して反応する抗体(IgGやIgMなど)
があるかどうかを調べる検査で、血清などを検体に使うことから、海外では、血清検査と呼んでます。
大阪市立大学大学院の医学研究科寄生虫学の城戸康年准教授らによる研究グループは5月1日、
「大阪の一般市民の抗体保持率は1%程度と推察される」とする研究結果を発表しました。
2020年4月中の2日間に同大学の付属病院を、新型コロナウイルス感染症の診療以外で受診した患者を
対象に、そこから無作為に312人を抽出した。
その結果、312 人(年齢中央値 66.5 歳、 男性:女性=154:158)のうち、3人が陽性であることが
判明、約1%の陽性率となります。 |
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抗体検査 |
・設問3:日本での実効再生算数(Rt)は?
再生産数には、基本再生産数(R0)と実効再生産数(Rt)の2種類があります。
基本再生産数は「感染者が、まだその感染症の免疫を1人も持っていない集団人口に入ったときに生み
出す新規感染者数の「平均値」で、その病原体が持つ「素」の感染力に相当します。
一方、実効再生産数は「実際に現実の社会で起きている再生産数」と言えます。
現実の世界では、感染症対策として手洗いやマスクの着用が増えたり、行動制限やロックダウン
(都市封鎖)などが行われたりして、感染を減らす努力が行われます。
人間は感染から回復した後、免疫を獲得し、同じ病原体によって再度発症することは希です。
既感染者が増加すると再生産数は自然に低下するが、この事象を「集団免疫」と呼ぶます。
先の感染症対策と集団免疫の効果によって実効再生産数は時間とともにダイナミックに変化します。
実効再生産数で重要なのは、それが1を下回るかどうかにあります。
1人の感染者が生み出す2次感染者が1人未満になれば、
新規感染者数は減少に転じることを意味するからだです。
Rt>1なら新規感染者拡大 Rt=1なら新規感染者は横ばい」Rt<1なら新規感染者は減少
(註: その後改善が進み、5/1時点で0.5まで驚異的改善が実施されております)
日本の実効再生算数は、4/26時点で 0.6と推定されております。
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