−日記帳(N0.541)2003年05月15日− −日記帳(N0.542)2003年05月16日−
我が輩は猫である(6) 我が輩は猫である(7)

(6)天国からchasuke氏を見守るよう母上に勧められて

昨日は我がご主人様へのお礼と慰めを言うのが精一杯でつい挨拶を言いそびれたので、今日は改めて挨拶させて頂こう。実は天国で母上が迎えにきてくれて我が輩の先祖たちのいるエリアに来るように言われたのだが、その時我が輩に地球上から強い信号が伝わってきたのだ。それは、我が亡き後、我が主人のchasuke氏の我への思いが強過ぎてテレパシーとなって当事者の我に伝わってきたのだ。

そのことを知った母上は、「いずれその信号も収まっていくだろうが、収まるまでは地上の様子が見られる天窓に行ってお前のご主人様の様子を見ておやり。勿論何もしてあげられないが、お前もご主人様のことが気になるだろうから、せめて見られるだけでも気が楽になると思うよ。お前が見ている間は信号は伝わってこないけれど見ないと、見るのを止めるとまた信号が伝わってくるから、その信号が殆ど無くなったら戻っておいで」と言ってくれたのだ。

我が輩も、その後のchasuke氏のことが気になっていたので母上のこの言葉は嬉しかった。そして、早速天窓に行くことにした。天窓から地上の様子を見ることはできるがここから霊となって地上に舞い戻ることは出来ないので、化け猫なんて地上にいるはずはない。これだけは猫の名誉のために明言しておく。

ただ、地上からの信号がある程度まで弱まると天窓には居れなくなるので、そこに居れるのはchasuke氏次第ということになる。しかし我が輩もいずれは母上のもとに行かねばならないので、そこに居れなくなるのはお互いに喜ぶべきことかも知れない。これからも、chasuke氏からの信号が有る間は折に触れてこの日記帳でchasuke氏の様子や彼の考えていることを伝えていきたいと思う。 これを以て再開の挨拶に代えさせて頂く。


(7)我が輩は3ケ月前に死を覚悟していた

天窓からchasuke氏を見守る前に、我が輩の死亡時のことに少し触れさせてもらいたい。chasuke氏に文句が有るわけではなく、我が輩を診察して治療をしようとした獣医さんと世に溢れているキャットフードなるものに少し言いたいことが有るからだ。今日はまず、我が輩が死ぬ半年前に死を覚悟していた事情について話しておきたい。

我が輩の体重がわずか3ケ月で半分近くまで急減した昨年の11月の時点で、我が輩はもう助からないものと覚悟していた。腎不全は猫が老衰して死ぬ時に罹る最も多い病気のひとつなので、敏感な猫には本能的に判るのである。ただ、chasuke氏は、我が輩が多毛種のチンチラなのでフサフサした毛のために体重の急減を見抜けなかったのだ。 我が輩が身が軽くなったので1メートルぐらいの高さの本棚の上に床から軽々とジャンプできるようになったのを見てchasuke氏や妻君は「体力がついてきたみたい、これだったらオリンピック選手になれるよ」なんてチンプンカンプンのことをのたまっていたから笑いぐさだ。

ところが、ある日我が輩の買い主でもあるchasuke氏の長女が里帰りした時、我が輩を抱いてその軽さに驚き、「chasukeクンって糖尿病みたい、この病気になると体重が急減するから一度獣医さんに連れてったら」と言ったのである。さすがに医者の女房だけのことはある。chasuke夫妻とは見どころがちがうと感心した。

我が輩としては、どうせ助からない命だから、やれ点滴だとか注射だとかで痛い目に遭いたくないのでそっとして欲しかったのだが、chasuke氏はその翌日、近所の獣医さんに我が輩を連れて行ったのである。忘れもしない、我が輩の去勢手術をしたあの憎き獣医である。あの時の屈辱と痛さは想い出すだけでも嫌だ。 我が輩に死の宣言をした獣医のことは次回に話そう。

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