包装容器リサイクル法 資源有効利用促進法(1)
−包装容器リサイクル法の概要− −識別表示が義務付けられている包装容器−

最近、上のようなマークをよく見掛けますが、私を含めてこうした表示の意味を知らない人も結構多いように思います。実はこれらのマークは、我々消費者にもその排出義務が負わされている「包装容器リサイクル法」を効果的に運用するために制定された「資源有効利用促進法」に基づいておりますので、国民として正しく理解しておく必要が有ります。そこで今日から4回に分けてこの包装容器リサイクル法と識別表示について勉強していきたいと思います。
まず、今日は「包装容器リサイクル法」の概要を総括してみたいと思います。

日本の一般廃棄物は、年間約5,000万トン(平成9年度・厚生省調べ)に達し、このままでは狭い日本はやがてゴミで埋め尽くされかねませんので、以下の四つのRの必要性が叫ばれております。

1R=Refuse(店頭での包装を断わって持参品で包装する)
2R=Reduce(使い捨て商品を買わないことで包装を減らす
3R=Reuse(修理したり、不要品は交換したりして再使用する)
4R=Recycle(集団・分別回収等により資源リサイクルする)

中でもその約60%(容積比)を占める「容器包装廃棄物」の減量化、再資源化が急務となり、平成7年(1995年)、容器包装リサイクル法が制定されました。同法では、容器(商品を入れるもの)、包装(商品を包むもの)のうち、中身商品が消費されたり、中身商品と分離された際に不要になるものを「容器包装」と定義して、リサイクルの対象とし、使う人(消費者)に分別排出、集める人(市町村)に分別収集、売る人(事業者)にリサイクルの義務をそれぞれ負わせることとしております。 当初、ガラス製容器、ペットボトル、スチール製容器、アルミ製容器、紙パックが対象でしたが、平成12年4月からは、プラスチック製容器包装と紙製容器包装が追加され、現在は次の4分類、10品種が対象になっております。

  (注)スチール製容器、アルミ製容器、紙パック、段ボールは有償で取引されて
   いるため事業者のリサイクル義務の対象から除外されております。


日常業務の中で、
1.「容器」を利用して中身を販売する
2.「容器」を製造する
3.「包装」を利用して中身を販売する
のいずれかに該当する中小企業以上の事業者は、原則として、容器包装リサイクル法に定められた「特定事業者」になり、リサイクルの義務を負います。ただし、下の要件を満たす小規模事業者はリサイクルの義務を負いません。

売上高2億4,000万円以下でかつ従業員20名以下の製造業者、 売上高7,000万円以下 かつ従業員5名以下の卸・小売・サービス業者


容器包装リサイクル法は、容器包装を作る人、容器包装を利用する人、容器包装を処分する人などがどのようなことをすべきかを定めたものです。しかし、この法律の目標は容器包装の材料をリサイクルすることにありますので、リサイクルできる容器包装を分別して排出・集積される必要が有ります。

そのためには、まず消費者がその容器包装がリサイクルの対象になっているかどうか、更にはより適切な分別排出をするためにどんな材質でできているかを知る必要がが有ります。この目的に沿い、「資源有効利用促進法」が施行され、その中で「識別表示制度」が平成13年度より施行されております。

この制度により、包装容器リサイクル法の対象となる左頁の10品種のうち、ガラスの全3種と紙の飲料用紙パックと段ボールを除く次の5種に識別表示の義務が課せられました。


平成15年4月1日からは、この制度に違反して識別表示を施していない無表示の容器包装、誤った表示を施している容器包装には罰則(罰金)が適用されることになりました。この法律では、容器包装を発注する事業者(容器包装利用事業者など)、容器包装を製造する事業者のいずれか一方が法規に違反した場合でも、罰則は双方に科せられるという仕組みになっております。

また、識別表示は、「資源有効利用促進法」により実施が義務付けられていますので「容器包装リサイクル法」とは異なり小規模事業者にも識別表示を施す義務があります。但し小規模事業者には罰則等は適用されないとされていますが、実施しなければ今後の容器包装の製造・販売事業に支障が出ますので、実際は全ての事業者に義務付けられていると考えていいと思います。

尚、飲料用紙パック(アルミ不使用)と、段ボール製容器包装は、識別表示の法的義務はありませんが、関係業界団体が自主的に下図のマークを採用し表示することにしています。


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