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−識別表示の規定について− | −プラスチックスの材質表示− |
識別表示のしかたは、消費者が一瞥して、リサイクル対象であるか否かが判ればいいので次のように規定されております。 1.表示を除外される場合: 無地の容器包装は印刷することの経済的損失が大きい場合、表示可能面積が50p2未満で次の規定サイズを満たし得ない場合、形状・素材面から技術的に表示が不可能な場合は除外が許されます。 2.表示のサイズ: 印刷の場合は6mm以上、刻印、エンボスの場合は8mm以上 3.多重容器包装の一括表示: カップ麺のように、外装フィルムがプラスチックス、蓋が紙、本体がプラスチックス、スープ袋がプラスチックスの場合の表示を多重容器包装と言います。この場合は個々の部材に表示せずに下図のように纏めて一括表示することが許されております。 4.社名やブランド名入りも包装紙: 1枚あたりの面積が1,300cm2以下の包装は表示を免除されますが、それ以上は表示が義務付けられております。 5.輸入品への表示: 容器・包装の仕様(素材・構造・デザイン・印刷など)について指示できる場合、シール・ラベルなど部分的に日本語表示がある場合は表示が義務付けられております。 6.プラスチックスの材質表示: プラスチックスは種類が多いため分別排出するにはその材質を知る必要があります。法律での表示は義務付けられておりませんが、業者によって次のように表示される場合が多いので覚えておく必要があります。 そこで次回はこれについて解説します。 |
現在、世界中で使われているプラスチックスの約80%、更に絞れば90%以上は次の一般式で表されるビニル系熱可塑性樹脂で占められておりますので、これさえ覚えておけばプラスチックスは卒業したと言って過言ではないと思います。 (CH2−CHX)n 括弧内をビニル基、nを重合度、Xを置換基と言い、Xが変化することにより様々なポリマーが誘導されます。 X=H水素) →ポリエチレン(PE) X=CH3(メチル基) →ポリプロピレン(PP) X=CL(塩素) →ポリ塩化ビニル(PVC) X=H5(フェニル基) →ポリスチレン(PS) 尚、ポリエチレンは高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)に分かれ、ポリスチレンは誘導体としてAS樹脂(AS)、ABS樹脂(ABS)、ポリエチレンは誘導体としてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニルは誘導体としてポリ塩化ビニリデン(PVDCなどが派生しますが、以上を含めてプラスチックスの名称はJISによりこの表のように命名されております。 プラスチックス製ボトルはPET=1とし以下のように表示されます。尚、ここでVはPVCを意味しております。 ボトル以外のプラスチックス製容器包装は下図のようにマークの下に、JISによつ材質符号を表示します。下の事例はポリエチレン(PE)の場合です。勿論、ポリエチレンを更に細かく、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)としてもOKですが総称してPEと表示されることが多いようです。 早速、我が家の台所の醤油ボトルには下の写真のように識別表示されておりました。この表示が有ることで、その製品が少なくとも今年の4月以降に作られたもので、長期在庫品ではないことが判ります。材質を確認するいい機会でもありますので、今後は注意してご覧になることをお勧めします。 |
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