−日記帳(N0.693)2003年01月20日−−日記帳(N0.694)2003年10月21日−
藤井総裁の解任劇に思う 最近のサリーちゃん

藤井・日本道路公団総裁が任免権者の石原・国土交通大臣から解任を前提とする辞表提出要求を不当として拒否し、場合によっては名誉毀損で石原大臣等を訴えることも辞さないとの強硬姿勢を示し紛糾しております。 民間の会社・団体では、その従業員は就業規則に違反するとの理由で解雇通告を受けたら辞めざるを得なく、藤井総裁の場合のように、聴聞会を要求するようなことはまず有り得ません。

国家公務員と民間人の違いがこんなところにも現れているように思います。民間の場合、逮捕されるようなことが有った場合、例え裁判が結審しなくても、会社の名誉を著しく損ねた等の就業規則違反を事由に懲戒解雇するか、本人に辞表を出させることで依頼退職の形式を採ることで辞めさせるのが普通です。時折、解雇を不当として法廷闘争する場合も有りますが極めて異例のケースと言えます。

友部達夫・元参議院議員、鈴木宗男・前衆議院議員等は逮捕されても逮捕は不当として議員辞職しませんでした。友部被告の場合は最高裁まで上告して結局破棄され実刑確定と同時に議員失職、鈴木議員の場合は自動的に解散により失職しましたが、その間に議員報酬は支払われてわけですから、到底民間では考えられないことです。同じ、解任でも中日・山田監督の場合とは雲泥の差が有ります。

解任となると、民間で言う懲戒解雇に相当しますから、2600万円の退職金は支給されない上、本人の名誉を傷つけることになると考えて、石原大臣は本人に辞表を提出させることで、民間で言う依頼による自主退職と言う形式を採り丸く収めようとしたものと推察しますが、逆にそれが仇になってしまいました。

藤井総裁側は、聴聞会で解任は懲戒解雇か否かをしつこく質問し、主宰者側がそれに明確にに答えないシーンが何度か有りましたように、懲戒解雇ならその理由が不当であるとして告訴し、そうでないなら辞職要求を拒否すると言う作戦に出たようです。

国土交通省側は、解任の具体的理由として「財務諸表問題で適切な対応を怠り、公団に対する国民の信頼を損ね、自己の居場所を秘書以外に知らせず、長としての職責を誠実に遂行していないこと等から公団総裁として適格性を欠いていることを上げ、日本道路公団法第13条2項の「その他役員たるに適しないと認めるときに解任できる」との規定に該当することから解任は正当しております。

日本道路公団は9,300ロに及ぶ高速道路建設計画に基づき、既に7,000キロを建設して開業したものの28兆円の巨額の債務を抱えてこのままでは財政破綻しかねないことから、小泉内閣は民営化を推進しております。それでも、日本道路公団や自民党・道路族議員たちは、民営化後にも残りの2,300キロの一部の建設を実施することを意図しており、そのためには、現在、日本道路公団が債務超過に陥っているとの内部告発による幻の財務諸表は妥当性に欠けると主張せざるを得ません。

それならば、債務超過に陥っていないことを充分に立証し、説得できる資料を早い時点で作っておくべきであり、それを怠って紛糾の原因を作り民営化のプロセスを遅らせたことは藤井総裁の失態であり、これだけでもその責任をとって辞職するのは当然と思うのが偽らざる国民感情と思います。

藤井総裁は国土交通省の前身である建設省の次官にまで登りつめ、道路行政一筋に歩んできただけに、勝っての部下たちから総裁の資質に欠けるなどと言われるのは耐え難い侮辱で、例え退職金を棒に振ってでも名誉を守りたかったものと思います。石原大臣がそうした彼の気質を見抜けなかったために今回の紛糾に繋がった ものと思います。彼は聴聞会で次のように述べております。

短く申し上げます。私は地位に恋々とする性格ではありません。西郷(隆盛)さんは大勢の人のために自分を死に追いやった。これから国家公務員になる人は、いろんな圧力に負けず、国民のために生きていかなければならない。そのために、国家公務員の身分は保障されている。そういう生き方をしてほしい。大臣に逆らったり、昔の仲間と気まずい思いは本当はしたくない。山本さんも原田さんもいずれ年を取る。そのときに分かると思います。筋を通すことがいかに難しいか。私は公的な業務に携わる者が、恣意(しい)、私的な行動を取ったり、そういうウワサを長年そういう立場にあり見てきた。私が目を覆いたくなるような行動をしている人もいないわけでない。みんなが自分で自分の身を処して、国民の利益と国民の目で信頼を得られるような人生を歩んでもらいたいという気持ちで今回の行動を取りました。あなた方現役が権力を持っているんです。その権力がどのくらい怖いことか、分かってください。私も権力を持っていたから、慎むように努力してきた。いずれ何かの機会があれば、多くの若者、後輩のために何か書く機会があるかもしれません。あなた方は権力を持っているんだ。その怖さを分かってください。それだけです。




我が家の愛犬、ラブラド−ル・レトリバーの雌8歳のサリーちゃんについては、今年2月に愛猫chasukeクンが16年の生涯を閉じて天国に行って以来、すっかり元気が無くなってしまいましたので、この日記帳で採り上げることも有りませんでしたが、久しぶりに近況をお知らせしたいと思います。

長女の嫁ぎ先の孫娘がサリーちゃんが居ないと寂しがることもあって、このところ嫁ぎ先が本家で我が家は別荘のような状態になっており、長女たち一家が旅行する時などに我が家にしばらく滞在するようになっております。ここ1週間ほどは我が家でのんびり過ごしております。上の写真は居間で気持良さそうに布団を枕にして居眠りしているサリーちゃんです。

サリーちゃんの鼻先に小さな穴が開いているので、そのわけを聞いたところ、長女たちのところで飼っている猫に猫パンチを食らったのだそうです。サリーちゃんはお人好し、いやお犬好しで、猫を犬と同じようにみて馴れ馴れしく用心もせずに猫の鼻を嗅ごうとするため、驚いた猫が本能的に猫パンチをサリーちゃんに食らわしたわけなんです。

以前にも、我が家の庭で遊んでいた時に侵入してきた野良猫に猫パンチを食らったことが有りますので、年がら年中サリーちゃんの鼻先には小穴が開いていることになります。しかし、同じ猫でもchasukeクンは絶対にサリーちゃんに猫パンチを食らわせるようなことはしませんでした。でも、逆にそのために猫に対する警戒心が身に付かなかったのかも知れません。


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