−日記帳(N0.699)2003年01月26日−−日記帳(N0.700)2003年10月27日−
中曽根さんのこと 日米の野球は全て終了

自民党は、民主党が4、50代の若手を衆院選で立候補させていることなども考慮して、次回の衆院選・比例代表候補者から73歳定年制を導入しましたが、これを完全実施するのにひとつ、問題が有りました。

1996年の衆院選での候補者調整の過程で、群馬県内の小選挙区の調整が難航したことから、当時の橋本首相(総裁)と加藤幹事長による裁定で、中曽根康弘氏(85)を小選挙区から比例区に代わってもらうことを要請し、その代償として北関東の比例候補者の名簿順位を最上位として終身処遇することを約束し、同じことを2000年の衆院選で宮沢喜一元総理にも比例中国ブロックで約束してしまったために、完全実施するのに二つの例外が生じ、若手議員から反発を招いて問題になっておりました。

小泉首相はこのことを憂慮して、大先輩のこの二人の元総理を訪ね、衆院選立候補辞退を要請しましたが、明暗がくっきり分かれました。まず、宮沢喜一元総理(83)は事態を察して「総理に恥をかかせるわけにはいかない、ここは自ら引退することで党の若返りに貢献したいとの意向を、小泉首相が切り出す前に示しました。

ところが、中曽根康弘氏は「憲法と教育基本法の改正を議員としてどうしても見届けたいとの一念で立候補を考えているのに、突然やってきて立候補辞退を要請するのは非礼であり、比例候補者の名簿順位を最上位として終身処遇するとの約束を反古にする政治テロだ」と反発して立候補辞退を断りました。

人の一生の、その節目、節目で守るべき大切なことは数多く有ろうかと思いますが、中でも晩節を汚さないことがある意味では最も大切なことのように思います。功成り、名を遂げた非凡な人は言うに及ばず、私のような凡人でもその思いは強いものが有ります。

この二人の相異なる対応のどちらが晩節を汚しているかは論を待たないことと思います。宮沢喜一元総理の対応が人間として政治家として当然取るべき対応であり、中曽根康弘氏の対応はご本人の晩節を汚し、党の若返りを阻害し、ひいては国民の期待をも裏切る行為で許されないことと思います。

中曽根康弘元総理の場合は次に示すように、戦後の歴代総理の中では総理在職日数だけを採り上げてみても5本の指に入る輝かしい実績を持った方でもあります。

順位 在職日数  氏    名
1位:  2,798日   佐藤栄作
2位:  2,616日   吉田 茂
3位:  1,806日   中曽根康弘
4位:  1,575日   池田勇人
5位:  1,241日   岸信介

その意味でも、ここは立候補を辞退して一個人の立場で、例えばカーター元米国大統領のような活動をされたらいいのにと思っていましたが、結局 中曽根康弘元総理は立候補を辞退し、議員は引退しても政治活動は今後とも続けるとの意向を表明されました。まずは、結構な結末だったと思います。

今日で、日米野球のポストシ−ズンが全て終了しました。ダイエーの優勝は私としては予想どおりで、阪神が善戦したと言った感じでした。そして、逆にヤンキースの2勝4敗でマーリンズに敗退したのは予想外でした。しかし、試合内容は明らかにマーリンズが投打でヤンキースを圧倒しており、短期決戦でのヤンキースの弱点がさらけ出されたように思いました。

ヤンキースは1998年から3年連続でワールドシリーズを制覇したものの、2001年以降は、3年連続で地区優勝しながら、2001年は4勝3敗でワールドシリ−ズでダイアモンドバックスに負け、昨年はリーグ優勝決定戦でエンゼルスに4勝3敗で負け、そして今年はワールドシリ−ズでエンゼルスに負け、短期決戦での弱さが目立ってきました。

従って、今回のヤンキ−スの敗因はソリアーノ二塁手に代表される守備力の弱さ、コントレラスやネルソンに代表される中継ぎ陣の不安定さ、ジアンビしかいない長距離砲の欠如に尽きるように思います。従ってこの3点の補強が今後の最重要課題となると思います。

まず、ソリアーノ選手はどちらかと言えば外野手のタイプでその俊足を生かすためにも外野へのコンバートが妥当で、そのために西武のリトル松井を獲得して彼を二塁手として起用する構想が有力のように思います。次に中継ぎ陣の強化のためにマリナーズの長谷川をFAで獲得することも考えられます。そして、40本打てるホームランバッターとして、レンジャ^スが放出を決めているA・ロドリゲスを巨額のトレード費用を払ってでも獲得する必要が有ると思います。

また、クレメンスは引退、D.ウェルズは年齢的に多くは望めないとすると先発はムッシーナ、ペティットしか頼れる投手がいなくなるので、15勝クラスの先発投手を補強する必要が有り、コントレラスを先発にまわすのにも長谷川の加入は必要と考えられます。

NY地元紙はヤンキースがワールドシリーズを落としたのは5、6戦で4番に座った松井選手が全く打てなかったのが原因と酷評しておりましたが、これはお門違いにも程が有ると思います。4番不向きな松井選手を敢えて4番にした采配ミスと彼を4番にせざるを得なかったチーム事情にこそ問題が有り、むしろそれまでのプレーオフ、ALCSでの松井選手の貢献度を考えれば相殺されても尚余り有ると思います。

阪神の今シ−ズンの優勝は、星野監督の卓越した求心力による奇跡に近い程の出来過ぎが原動力になっております。つまり、一.五流かせいぜい一流の選手が一流や超一流の活躍をしたのですから、こんなことが2年連続で続くことは考えにくく、ましてや岡田新監督のもとでは求心力は期待できず、むしろ再びあの阪神の悪しき体質であるお家騒動が起こる恐れすら有るように思われます。

この点、ダイエーの優勝は実力相応であり、このままの状態で連覇は充分可能で、MLBへの主力選手の流出さえ無ければダイエーの黄金時代はこれから続くものと思われます。


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