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今年初のハゼ釣り ハゼとカレーの刺身の食味比較

例年なら、今頃は知多半島の三河湾側の沖合では落ちハゼ釣りの最盛期のはずですが、今年は12月になっても釣況は芳しくなく、釣り仲間たちもまだ釣行しておりません。原因は11月の異常高温で水温が下がらないためと思われます。

しかし、暮れには竿納めするのと今年は中国旅行、忘年会等のスケジュールが入っておりますので、このままではハゼ釣りの機会を失ってしまいそうです。そこで、仲間たちに先駆けて、絶好の釣り日和の今日、ハゼ釣りにいくことにしました。

ポイントは河和の通称、滑走路前の沖合です。昭和16年に海軍航空隊強化のため追浜(横須賀)海軍航空隊知多分遣隊を組織し、この滑走路と呼ばれる地域の愛知県美浜町古布、矢梨、浦戸の耕地・宅地等約180町歩が買い上げられて水上飛行機の基地が建設され、昭和18年には、整備員の養成のための河和第1航空隊が、翌年四月には水上機搭乗員の養成のための河和第2航空隊が設置されました。

そして、現在の河和漁港の右隣に、水上飛行機を海上に誘導するためのスロープ(傾斜地)が作られ、それが今でもコンクリート製の石積みとして残っているため滑走路と呼ばれるようになったわけです。波浪をまともに受けるため石積みが年々崩れておりますので、いずれは原型を留めないほどに崩壊してしまうことが懸念されます。この地方では数少ない戦争の史跡ですので何らかの方法で保管して欲しいものです。

この石積みのスロープはボートを海に下ろすのに都合がいいのですが、ゴムボートの場合は石積みの鋭利な角でゴムが傷つく恐れが有るため近くの漁港のスロープを利用することにしました。ポイントの滑走路に着くと釣りボートは一隻も見当たりません。そこで、このポイントからやや離れたところに二隻の釣りボートを見かけましたので近付いて釣り況をお聞きしたところ、話しにならないほど食いが悪いと言うことで共通しておりました。

この情報にひるむことなく、まずは滑走路の真ん前で海岸から200mほど離れたところで魚探で海底を探ると3mもない浅場でしたので沖合1kmほどの水深6mのところに移動してアンカーを下ろしました。沖に投げてゆっくり巻いていくと、コツコツと当たりが感じられましたので合わせると強い引きがあり、巻いていくと何か布のようなものが引っかかった感触が有り慎重に巻き取っていくと、何と30センチほどのカレーでした。

しかし、その後は全く当たりが無いので、置き竿を4本にして持久戦でいくことにしました。すると、そのうちの1本の竿先が上下に振り出しましたので巻き上げると15センチほどのハゼが2本の針ともくわえておりました。これは群が小さい証拠です。こうして、4本の置き竿に飽きない程度にハゼが掛かるようになりましたが、やはり昨年に較べると食いが悪いようでした。

そのうちに当たりが遠のいたので、沖の海苔ソダ付近に移動しましたが、全く当たりが無いので、半ば諦めてボートを下ろした漁港へ戻り、港の沖にアンカーを下ろして釣り始めたところ、頻繁に当たりが有るのです。何とキスでした。水温が高い証拠です。これではハゼが釣れないわけです。それでも、キスの合間に20センチクラスのハゼがかかるようになりました。何も遠い滑走路まで行かなくても最初からここで釣ればよかったのです。

結局、20センチクラスのハゼ6尾、15センチ前後のハゼ21尾、15センチ前後のキス14尾、30センチのカレー1尾の釣果で納竿しました。


生きたまま刺身になったハゼ刺身になる前の生きたカレー


ハゼ科の魚は死ぬと急速に鮮度が落ちて味が悪くなるので刺身は活きたものを使います。2002年4月5日の日記でも触れておりますように、ハゼ科の魚の「しろうお」を活きたままおどり食いするのもそのためです。そこで、ハゼ釣りの時は必ず蓋付きの発泡スチロール製のトロ箱をを持っていきます。

釣っている最中はスカシに入れて生かしておき、納竿する時にこのトロ箱に半分ぐらい海水を入れてからスカシの中のハゼのうち大きくて生きのいいものを刺身にする数(5尾ぐらいで1人前)だけ移し入れます、そして蓋に開けた穴を通してエアポンプから海水中に空気を送り込みます。

上の右側の写真がそのトロ箱です。家で生かしているためエアポンプはコンセントから電源を取っておりますが、帰宅するまではトロ箱の蓋の左側の電池式のエアポンプを使用します。尚、トロ箱の中で生きている魚は昨日釣り上げたカレーです。

今回は15〜20センチクラス10尾を刺身にして上の左側の写真のように冷凍パックの上に置かれたお皿の上に盛りつけました。片身をそのまま盛りつけましたが、半透明になっているのを確認して頂けることと思います。 これを生姜だまりの醤油につけて食べます。適当な甘さにシコシコ感が有って絶品でした。そして熱燗の日本酒がこの味に共鳴するかのように実に美味しかったのです。

一方、トロ箱で生きていたカレーを取りだして刺身にして食べました。新鮮ですから美味しいことに間違いないのですが、ハゼの刺身の触感が舌に残っているうちはどうしても軍配はハゼに上がってしまいます。シコシコ感ではなくコリコリ感でその堅さに抵抗を感ずるのと甘みに欠けるのです。こちらの方は酒の肴には不向きと考えて家族で、一緒に釣ったキスの焼き魚、キスとハゼの天麩羅とともにご飯のおかずにして食べました。

こうして、我が家の食卓を賑わかせてくれた海の幸に感謝、感謝でした。


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