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12月度日銀短観に株価反応せず 二つの歴史的なPK戦

「企業短期経済観測調査:略して日銀短観」の12月度分(8/28-9/30)が昨日の午前8時50分に日銀から発表されました。日銀短観は3ケ月の四半期毎に、8,200社を越える大企業、中堅企業、中小企業の3水準と製造業、非製造業の2業種の計6分野から、経営環境の良悪のアンケートをとり、良いと答えた大企業の割合(%)から悪いと答えた大企業の割合を差し引いた値が景況判断指数(DI値)と呼ばれ、短観の中で最も重要な指標とされております。今回のDI値は次の通りでした。
(括弧内の数字は先行き)

      製        造     非   製   造    
大企業    1  →     11( 8)       -13  →    - 9(-7)
中  堅   -10   →    -1(-5)      -25  →    -21(-20)
中  小   -23   →  -13(-19)       -31  →   -28(-29)

これによると、大企業・製造業の景況判断指数(DI値)がプラス11となり、IT(情報技術)バブル時のピークを越え、自動車や鉄鋼などの輸出産業ばかりでなく、広範囲の産業での好転が進みましたので、株式市場も当然好材料として評価され株価急騰を期待していたところ、結果としては +94.52円で大幅高までには到らず、むしろ前日のNYでDOWが1万ドルを回復して大幅高になったことの方が評価された形となりました。

その理由は、9月以降の円高・ドル安を背景に、大企業製造業の先行き判断は4期ぶりに悪化、今年度下期の経常利益計画も大幅に下方修正され、今後の景気動向に対する市場の見方は、慎重派が主流になっているからと思われます。つまり、来年11月の米大統領選挙に向け、円高圧力が続くとの見方が多く、進み具合によっては輸出産業が深刻な影響を受けるのではないかとの悲観的な観測が有るためと思われます。 第一生命経済研究所の熊野英生主任研究員は、「円高の影響が出た場合、景気は来年央にピークとなる可能性がある」と指摘し、不安を残す最近の景気動向を端的に示す結果となりました。

大企業の製造業で大きく改善されたのは、薄型テレビなどデジタル家電の生産が好調な電気機械が前回調査より12ポイント改善しプラス7となり、3年ぶりにプラスに転じたことと自動車や非鉄金属も改善幅が大きかったことによるものです。 また、大企業の非製造業の業況判断DIはマイナス9。冷夏の影響があった前回より4ポイント改善したものの製造業との差は拡大、中小企業は製造業でマイナス13、非製造業でマイナス28で、それぞれ10ポイント、3ポイント前回調査から改善しております。


今日は、面白いサッカーの試合は二つ有りました。いずれもPKで決着するスリリングな試合展開と言う点で共通しておりました。昼間は、昨年度の高校選手権覇者・市立船橋が今年のJリーグ年間王者・横浜マリノスを相手に堂々と渡り合い、なんとレッドカードで退場して一人少なくなったにも拘わらず、2:0の劣勢を跳ね返して同点とし、延長もも乗り切ってPK戦になり、結局、PKではさすがにプロとアマの差が出て辛うじて横浜マリノスが逃げ切りましたが、市立船橋にとっては見事な、横浜マリノスにとってはみっともない試合展開でした。いずれにしても、83回の天皇杯の歴史に残る・市立船橋のPK戦でした。

一方、夜は第24回トヨタカップが横浜国際総合競技場で、ACミラン(イタリア)とボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)の間で世界ナンバーワンクラブチームの座 を賭けて行われ、これまた1:1の同点のまま延長に入り、それでも決着がつかず、結局PK戦を制したボカ・ジュニアーズが3年ぶり、2回目の優勝を飾りました。

この試合も、ACミラン、バタグリアがゴール左を狙った2本目のシュートをボカ・ジュニアーズのジーダが読んで飛び正面でセーブしてからACミランに焦りが目立って、セードルフが3本目をゴール右上にシュートするも大きく外してしまい、4本目に到っては、コスタクルタは何と地面を蹴ってしまい失速したボールはボカのキーパー、アボンダンシエリが余裕で押さえ、次の4本目をカシーニがテンポのある助走からゴール右上に蹴り込み、ボカの勝利が決まると言うこれまた歴史に残るPK戦でした。

過去23回のトヨタカップでは国別で、ブラジル、イタリア、アルゼンチンが各4回、ウルグアイが3回、ドイツ、スペインが各2回、オランダ、ポルトガル、ユーゴ、イングランドが各1回優勝しており、地区別では南米11勝、欧州12勝でしたので、ボカ・ジュニアーズの優勝でお互いに12勝12敗のタイになりました。

クラブ別では、ナシオナル・モンテビデオ(ウルグアイ)、ユベントス(イタリア)、ACミラン(イタリア)、サンパウロFC(ブラジル)の4チームが2回ずつ優勝しておりますので、ACミランにとっては各国代表からなる絢爛豪華なメンバーで最多勝の3勝目を狙っての対戦でしたので選手、サポーターの失望ぶりと逆に勝利を収めたボカ・ジュニアーズの選手たちの喜びようが対照的に際立っておりました。

ボカ・ジュニアーズのビアンチ監督は、94年にACミランを倒し、00年にはRマドリードを撃破した今回、再度ACミランを破って、指揮官として史上初の3度目の優勝を果たしたことになります。


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