−日記帳(N0.774)2004年01月11日−
定年後の海外移住に思うこと

最近、定年後の夫婦の海外移住が話題になり、テレビなどでその成功事例が採り上げられることが多くなりました。しかし、よくよくその話を聞いてみると全てと言っていいほど経済的な理由でした。例えばある事例では月額25万円の年金では日本ではやっていけないけれどフィリピンなら、メードや運転手を雇って貯金も出来るとのことでテレビレポーターも羨ましがっておりました。

しかし、私はむしろ逆で羨ましいどころかこの夫婦が気の毒にさえ思えました。何故なら彼等の表情を見てこころの底からそこでの生活を楽しんでいるようには思えなかったのと、逆に失ったものも多く、そうした有形無形の財産の差し引き勘定ではむしろ赤字ではないかと思ったからです。

日本で生まれ、四季折々の自然環境と世界に冠たる日本料理に恵まれ、高度の教育・医療サービスを受け、友人、隣人、親戚、家族と同じ言葉で話すことが出来るのは、いわば無形の財産で海外に移住することでこうした財産は失われるか、持ち腐れとなり如何に経済的にプラスであっても差し引きすれば到底釣り合うことはないと思えたのです。

経済評論家の森永卓郎さんの著書に「年収300万〜」というのがありますが、この本では年収300万、つまり月収25万で充分生活出来ると述べており同感です。もし、子離れ、ローンも無く、所得税もゼロの月収25万の平均的年金生活者夫婦が日本では生活出来ないと言うのは私には理解出来ません。貧乏かも知れませんが、日本で生まれて得た数々の無形の財産が有れば何とか楽しく人生を送れるのではないでしょうか。

こうした海外移住者たちの年金は勤労者のみなさんが働いて得た収入から払っている保険金から支払われております。そうした勤労者の負担を少しでも軽くするためにも、年金生活者は日本で物を買ったりサービスを受けることにより消費税などの税金を払い経済のしくみに貢献すべきです。このように日本から逃がれて海外で生活することは日本への貢献が少なく勤労者の負担を増やすばかりで、言葉が悪くて恐縮ですが「食い逃げ」のようなものとさえ思われます。

日本のマスコミはこぞって、日本は物価が高く、税金が高く、年金が少なく、国家財政は破綻、不況で給料は減り日本の将来は暗いと言いますが、果たしてそうでしょうか。今や日本ではデフレが進行し、それまで高すぎた地価、通信料金、更には円高、中国製品の進出などで食料品、衣料品、一部の耐久消費財などの値下がりが続き収入減を補って余りある状態が続いております。

また消費税に代表されるように日本の税金は先進国中では最低水準、逆に年金は最高水準にある上、医療保険制度もいろいろ批判はあるものの先進国の中ではそこそこのレベルにあると思われます。少なくとも税金、医療費、保険料等、経済面では米国は日本より暮らし難いと言われ、例えば虫垂炎(盲腸)の手術を日本と同じ入院日数で米国で受ければ200万もすると言われ、そのことは韓国や中国でも共通で、そのためかこうした国では薬のコマーシャルが実に多かったように思います。

海外移住で、永久ビザに相当する「リタイア移住制度」を取得すれば、こうした日本の医療保険制度の恩恵を受けることは出来なくなる場合が殆どですので、加齢による体力低下、生活習慣病の多発を考えれば、移住先での生活には相当の不安が付きまとうように思われます。

こんなことを考えていくと、日本で生活が出来ないような人が外国で成功するとはとても思えないのです。 マスコミに煽られて悪いのは政府や国と言って憚らず、自らはさしたる努力もしないで海外移住を決め込むような、日本でだめな人はアメリカでも、ドイツでも、エジプトでも、いやマレーシアでもフィリピンでもブラジルでも月でも火星でもだめだと思います。

そこで適応できるだけの語学力などの能力を持ち合わせている人や、そこの自然環境や風俗・習慣、あるいは趣味の世界になどに日本に無い良さを見出している人なら成功することもあると思いますが、定年あるいは高齢の域に達してからそこでの適応能力を研鑽することは至難の技と思います。私は、どんなに貧乏してもそこそこ生きていけるなら、自分を育んでくれた祖国日本で人生を全うしたいと思います。

−日記帳(N0.775)2004年01月12日−
国見高校の堂々たる優勝を祝う

勝利の笛を聞いて喜び合う国見高校イレブン

        長崎県立国見高等学校・校歌
         (作詞 宮崎康平  作曲 古関 裕而)

      1、国見はうるわし ゆたけきくにはら
        みどりしたたる明星(あけの)ヶ原に
        見よ溢るるは力の泉
        力ぞちから 国見高校

      2、国見は南海(みんなみ) 雲わくまほろば
        ああ見はるかす 多比良(たいら)の丘に
          真理の森は誇の城
        誇ぞほこり 国見高校

      3、国見はうぶすな 心のふるさと
        磯の香(か)ただよう速日の岸に
        わが学舎は光の宴
        光ぞひかり 国見高校


あの国立に47,000人の観客が集まった。
Jリーグの試合でも見られない大観衆だ。
高校サッカーでは始めてのことだと思う。
今年はJ1王者、マリノスと市立舟橋が
昨年はJ1王者、ジュビロと国見高校が
善戦し、サッカーの面白さを見せてくれた。
そして圧倒的な強さで国見は筑陽学園を下し
戦後最多となる6度目の優勝を果たした。

両校の校歌が競技場に流れた時、あれが母校の校歌だったらどんなに感激するだろうなと思うと無念さがこみ上げてきました。そんな時、実況アナウンサーが高校サッカーが勝ち抜いてくる難しさを今大会で優勝候補の一角に上げられていた母校・藤枝東が1回戦で立正大淞南に敗退したことを例に挙げていたのを聞いて少し気楽になったように思いました。

思えば、昨夏、長崎総体に静岡県代表として出場した時、遠地で費用が嵩むとのことでしたので決勝戦まで進んでも困らないようにとの趣旨に賛同して寄付したら2回戦敗退、今回も同じような趣旨に賛同して寄付したら1回戦で敗退、しかも国立まで応援に駆けつける費用を捻出するために年末は忘年会の数を減らし、中国旅行では一切土産物は買わないようにしたのに無駄でした。

63年(昭和38年)から95年(平成7年)までの32年間で優勝10回、準優勝9回と、ほぼ3年に2回ぐらい全国大会の決勝戦に出場してきた静岡勢は95年の静岡学園の初優勝を最後に、この8年間優勝から遠ざかっております。 以前は、全国大会での優勝候補常連校が4校以上もいる静岡県で優勝することは全国大会で優勝することより難しいとさえ言われてきましたが、もうそんな時代ではなくなりました。

地域格差はもう完全に無くなり、そんな中でも、国見、市船、帝京のKITトリオの力が抜きんでており、しばらくはこの3校を中心に優勝が争われていくものと思われます。今大会での国見や市船を見てやはりスピードと高さが勝敗を分けることを思い知りました。確かに、藤枝東の場合、個人技は全国レベルと思いますが、国見の平山相太君に代表されるようなスピードと高さに欠けており、これでは国立には行けません。

平山君はあれだけ上背(190cm)が有りながら、足の動きはしなやかで繊細でしかもスピードが有ります。すでに国際大会でも2得点し、アテネオリンピック代表候補にも選ばれ、その実力派は実証済みです。数年後には、国見の先輩大久保嘉人(21:セレッソ大阪)、と2トップを組んで、これに成岡翔(19:ジュビロ磐田)、坂田大輔(2横浜マリノス)のMF陣が加わる日本代表の攻撃布陣が目に浮かんでくるようです。

しかし、その平山君が国立は、国立でも筑波大進学を希望しているとのことですが、出来たらJ1に行って欲しいです。柔道の田村亮子さんも筑波大に進学しましたが、柔道と違って団体競技のサッカーでは早い時期からレベルの高いチームでプレーをする中で自らを研鑽していく必要があり、筑波大に進学してしまうとそのような機会に恵まれないと思うからです。ゴン中山も井原も筑波大に進学しましたが、あの当時はまだJリーグが無かったからで止むを得なかったと思います。いずれにしても、頑張れ 平山君



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