−日記帳(N0.774)2004年01月15日−
渡り鳥は悪魔の配達人か
(インフルエンザに関する解説(3))

昨日、解説しましたように、インフルエンザウイルスは、HA型15種、NA型9種が確認され、従って19×9=171種の組み合わせが可能ですが、問題は基本的な構造は人間を含む鳥、豚、馬等に共通していることです。幸い、基本的には鳥から人間に、豚から人間に、あるいは馬から人間にうつることはないはずですが、豚を仲介にして鳥のウイルスが人間にうつることが確認されており、これが大きな問題になっております。

通常、鳥のウイルスは人間に移りませんが、豚には人間、鳥両方のウイルスがうつります。その豚が鳥のインフルエンザウイルスに感染し、更にこの豚が人のインフルエンザウイルスに感染すると、その豚の体内で人間と鳥のウイルスの遺伝子の一部が置き換わる(交雑)と、人にも感染する新型のウイルスが発生します。これが新型ウイルス発生のメカニズムで、一昨年、香港で発生して話題になった新型ウイルスはH5N1と言う鳥のウイルスで、人には感染しないハズだったのですが、 鳥から人に感染した珍しい例です。

香港に住む家族5人が、一昨年1月下旬から中国南部の福建省の親類宅を訪問した際、8歳の二女が肺炎で死亡、更に33歳の父親も香港に戻った後、肺炎で死亡、9歳の長男と母親も発熱などの症状が出て入院したが、その後回復しております。ただ遺伝子の型は鳥の型のままでしたので大流行にならずにすみました。

この事例のように、人からトリインフルエンザウイルスが確認されたのは97年の18人が感染し、うち死者6人が出た時以来で2回目で、97年の時は、人から他の人への感染は起きなかったと考えられておりますが、この香港の事例では人から人への感染が起きた可能性も否定できないとして大きな問題になりました。

そして、先日山口県で発生した鳥のウイルスも、この香港で発生して人間にうつったのと同じで、韓国で大流行しているのとも同じH5N1型であることが昨日確認されました。従ってこのままなら人間にうつることはないと考えられておりますが、一昨年の香港の事例のように、豚を仲介として交雑により人間にうつる可能性の有る新型ウイルスが発生する恐れが有ることから日本政府も重大な関心をもって最大限の対策を行っているわけです。

これは私の想像ですが、トリだけにウイルスの全ての型が確認されていることを考えるとインフルエンザオイルスは元々トリだけに流行していたのが、豚などを仲介として交雑により人間や他の動物にもうつるように新型が派生してきたように思えてなりません。とすれば、そうした交雑が起こる確率は、ヒト、ブタ、アヒル、ニワトリが比較的密集して生活している中国南部で最も高くなるはずです。

現実に最近、世界のインフルエンザ流行の最先端が中国南部であることが判ってきました。中国南部で流行したウイルスの型がその後、渡り鳥や旅行者によって世界中に運ばれていくことになります。SARSの場合は人間の動きだけに配慮すればいいのですが世界中を飛び回っている渡り鳥などの野鳥の動きや接触にまで配慮することは事実上不可能と思われます。実際、山口県でのトリインフルエンザは野鳥の接触が可能な鶏小屋を中心に伝播していることからも野鳥が媒体となった可能性は充分有り得ると思われます。

殆どのインフルエンザウイルスは、トリに対して重篤な症状は起こさないのですが、H5やH7ウイルスだけは、トリペストと呼ばれる程、重い症状をもたらすこともあり、この場合は、ほとんどのトリは感染して1〜3日で突然死亡してしまいます。山口県や韓国でもおびただしい数のニワトリが死亡しているのはこの事実を物語っております。ところが、もしこのウイルスをもし野鳥運んできたとすれば、その野鳥には重い症状をお越していないことになります。つまり、こうした野鳥、特に中国大陸などからウイルスを運んでくる渡り鳥は悪魔の配達人とするのは言い過ぎでしょうか。山口県で確認されたウイルスが交雑を起こさずに封じ込められて絶滅することを祈らざるを得ません。

以上、3日間に渡ってこれまで取材してきたインフルエンザに関する情報を私なりにまとめて、臆面もなく解説をしてみました。専門家ではありませんので精緻な記述はできず、あるいは不適当な表現が有るかもしれません。しかし、こうした知識は我々としても是非身につけておく必要が有りますが、マスコミから伝えられる情報では判り辛い点が多々有るように思われます。この拙文が少しでもそのような点を補うものであれば望外の喜びとさせて頂きます。

−日記帳(N0.775)2004年01月16日−
不注意なワンクリックでPC操作不能に

それは昨夜の深夜の出来事でした。私の不注意なクリックが原因でパソコンが操作不能の状態になってしまったのです。あるファイルをクリックした瞬間、パソコンの画面は真っ暗になり、それと同時に白抜きの英文字が現れ、更にその下に猛烈な勢いで英文字列が次々とスクロールされていきました。

英文字は「Windows now starting your MS-DOS based Program」と読み取れました。そしてスクロールされていた英文字列はスキャニングされていたファイル名でした。どうやらウイルスのスキャニングを行っているように思われました。このスキャニングを中止させるべくあらゆる手段を講じましたが止めることが出来ず結局スキャニング終了まで2時間も待ちましたが、終了すると最初から再開を繰り返すだけで終了しません。こうして夜を徹しての私の悪戦苦闘が始まったのでした。

今にして思えば、初心者でも行わないようなミスの繰り返しでしたが、この人にも話せないような恥ずかしい体験を敢えてここで公開して今後二度と起こさないためにも記録に留めておきたいと考えて日記に記載することにしました。同じような目に遭われた方々への参考にでもなれば幸いに思います。

私が問題のファルを開けてしまうことになった経緯には次のような事情が有りました。実は私のパソコンは富士通のノート型で1998年製ですが、当時としては最新式で胸躍らせて購入したものでした。しかし、Cドライブの容量は2.5Gしかなく、OS、IE、Outlook Express、Word、Excel等の不可欠のソフトがインストールされた結果、購入時点で既に僅か1.0Gしか空き容量は残っておりませんでした。

従って、その後お気に入りのソフトをインストールした結果、パソコンを動かすのに必要ギリギリの0.3G(300メガ)になってしまったため、他のソフトを削除するしかない状態に追い込まれていたのです。そんなことから、この日も削除できそうなファイルを探していたところ、あるフォルダに有ったあるファイルのサイズが大きかったため削除することにしました。しかし開いた覚えの無いファイルでしたので、中味をチェックしようとして開いてみたのでした。

このように、勝手にパソコンがプログラムを実行したわけですから、強制終了をすれば済むことと気楽に考えて、Ctrl、Alt、 Delを同時に押してみましたが、それには全く応答せずに相変わらずスキャニングを続けているのです。こうなると、電源を切るしか止める方法は有りません。通常、電源を切るにはWindowsを終了させてから切るのですが、デスクトップ画面が表示されませんのでWindowsを終了させることが出来ません。 Windowsを未終了の状態で電源を切ることはHDDに損傷を与える恐れが有るとされておりますが、この際やむを得ないと考え実行することにしました。その方法として次の3種が有ります。

1.パソコン上の電源スイッチを長押しする
2.リセットボタンを押す
3.元電源を切る

1.と2.は一応許される行為ですが、3.は禁止行為です。従って1.から試みることにしました。1.によって確かに一度は電源が切れて起動初期画面が表示されるのですが、デスクトップ画面が現れる前に、再びスキャニングが始まり失敗に終わりました。次の2.も同じ結果でした。そして、いよいよ最後の手段として、3.をHDDの無事なることを祈りつつ試みました。そして再び電源を入れて、2.により再起動させましたが、やはりダメでした。まるで悪魔に乗りうつられたようにパソコンはただひたすらスキャニングを続けるだけでした。もう、私の手には負えません。

そこで、24時間待機のパソコンメーカーのテクニカルサポートセンターに電話することにしました。約1時間ほど待たされて漸く担当者に電話が繋がり、担当者にこれまでの経過を説明しました。そして、指示に従っていろいろとトライしてみましたが、どうしてもスキャニングを止めることは出来ませんでした。担当の方もその深刻な事態に驚き、中座していろいろと情報を集めてトライしてみたのですがそれでも止めることが出来ません。ついに、担当の方は「手の施しようがありませんので、申し訳ないですがOSのリカバリするしかありませんが宜しいでしょうか。」

私は愕然としました。昨年リカバリして酷い目に遭っているだけにあの時の嫌な思いが頭をよぎってきました。ウイルスに感染したと言うなら判るが、たかだかファイルを開いただけで何故、リカバリしなくてはならないのか。こうして、暗澹たる思いでリカバリするためにバックアップの準備をすることにしましたが、またとんでもないミスを犯してしまったたために大変な事態になってしまいましたが、その様子は明日の日記で説明したいと思います。


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