−日記帳(Ｎ０．888）2004年05月09日−

テレビで「赤い月」を観て

今年の3月、中国の大連、旅順に旅行することを、旅行の直前に終戦後、旅順から帰国した先輩に話したところ、黙ったまま話を繋いで頂けず、一切その話に触れようともしませんでしたので、先輩とは言え、失礼な態度と内心、憤慨したことがありますが、実際に大連、旅順に行って、先輩がそのような態度を示した意味がよく判りました。 戦前、多くの日本人が夢を抱いて中国東北部に渡ったものの、終戦直前にソ連が日ソ不可侵条約を一方的に破って日本人居住地域に進攻したことなどにより、虐待、強制労働等を強いられ、帰国する船の手配も儘ならぬまま異国で辛い生活をしながら帰国出来る日を待っていたことは、戦後いろいろな形で語られております。 先輩もそのような経験をして這々の体で帰国したのですが、大連、旅順にはそうした帰国者たちの悲惨な生活の痕跡こそありませんでしたが、逆に恵まれた生活の痕跡が至るところに見られただけにそのギャップの大きさが帰国者の方々には思い出したくもない記憶として胸の片隅に残っているのだと思います。 今月の、5月5日(水)、5月6日(木)の二夜に渡って、テレビ東京開局40周年記念ドラマ「赤い月 」が放映されました。以前、ＮＨＫの日中合作のテレビドラマ「大地の子」と同様に、この「赤い月 」も、そうした題材を背景に、作家、なかにし礼さんが自身の経験をもとに書かれた小説「赤い月」がドラマ化されたもので、結構、見応えがありました。特に、ヒロインの森田波子役の高島礼子さんの美しくも妖しく演ずる女の情念が素晴らしかったと思います。 奇しくも、「赤い月 」放映初日の5月5日は皆既月食により赤い月が日本の各地で観られる日でした。残念ながら、九州地区以外では天候に恵まれなかったため観ることが出来ませんでした。従って、九州地方では明け方に天空で赤い月を観て、テレビ画面で「赤い月」をご覧になった方もおられることと思います。皆既月食は２、３年に一度程度起こりますので、原作者のなかにし礼さんも大陸で実際に赤い月を見た記憶が残っていたことと思います。

−日記帳(Ｎ０．889）2004年05月10日−

化けの皮が剥がれた中日

私は大の中日ファンですが、今年の中日には、この日記でも書いておりますように開幕前から期待しておりません。従って、球場には勿論一度も行っておりませんし、テレビもたまにしか見ず、たまに見てもあまりのもだらしのない試合っぷりにスイッチを切るか他の番組に切り換えるのが殆どです。ラジオも以前は夜釣りしながら聞いたものですが、今年は聞く気にもなれません。ファンとしては、そんな時にこそ、声を大にして応援すべきなのですが、今年の中日に限っては応援するに値しないからです。 大塚、ギャラードの抜けた穴を投手力で補強できないなら、打力で補強すべきなのに、現有勢力で10%レベルアップすれば優勝出来るとの落合監督の考えで一切補強しないで開幕を迎えました。10%レベルアップしたら計算上、どんなチームでも優勝可能となります。しかし、ある選手はレベルアップ出来てもある選手が逆にレベルダウンして全体としては変わりばえしなくなるのが現実ですから優勝をねらうには補強は欠かせないはずです。 10%レベルアップなどと、およそ実現不可能な条件を出して開幕を迎えた時点で、落合監督賭けに出たなと思いました。落合監督の考えでは、金を出して補強して優勝しても監督の手柄になるとは考えていないでしょうから、この１年は補強無しの現有勢力で戦うと言えば、外部からの強選手によってはじき出されそうな1.5軍クラスの選手が発奮して10%レベルアップするだろうとの賭けにでたと思います。ところが、橋、関川、森野、荒木、森などの野手、久本、宮越、岡本、山井、小山、山北等の投手が今のところ、期待はずれで、脆くもこの賭けは失敗に終わろうとしております。 かくして、昨日現在の中日は、打率、防御率、本塁打数、得点数の全ての戦力でリーグ最下位となり、１２球団一とさえ豪語した自慢の投手陣の再建に目途が立たないようなら最下位は確定的と考えます。 やはり、ぬるま湯に浸かり続けてきた中日に、広島の嶋、栗原、横浜の多村、内川のような選手の輩出を期待するのは無理のようです。 落合監督としては、今年最下位になっても、それは監督の意に反して10%レベルアップが出来なかったからとの言い訳が効きますから、来年は自分の考えで補強することと思います。そうなったら本気になって応援したいと思います。川崎投手を先発させるような愚挙を繰り返していたらファンは益々遠ざかっていくことを落合監督は思い知るべきで、例え負けても明日に繋がる面白い試合をしたらドームにファンはもっともっと出掛けていくと思います。

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