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土用、丑の日ってどう意味?
我が家は鰻の代わりにアジを


今日は、土用も丑(ウシ)の日で、全国的に鰻を食べる日とされております。「ウシの日なのにどうして牛肉を食べないで鰻を食べるのですか?」と言う子供の素朴な質問に正しく答えられる大人がどれだけいるのでしょうか。この私も答えることは出来ませんでした。そこで、昨年に続いて、この問題をおさらいしてみようと思います。昨年の7月21日の日記で、「土用」について次のように説明しております。

中国には、世の中の全てが木火土金水の五つの組み合わせで成り立つという「五行」が有り、日本もこの考え方を導入して、四季の「春、夏、秋、冬」にそれぞれ「火、水、木、金」を当てはめてみたのですが「土」が余ってしまいました。まさか四季を五季にするわけにいきませんので、「土の性質は全ての季節に均等に存在する」と無理矢理こじつけて、各季節の最後の18〜19日間を「土用」としたのです。

18〜19日間になるのは、1年365日を五季とすると一季あたりの日数は 365/5=73(日)となりますので、この余分の「土」の四季への割り振り分は 73/4=18.25(日)となるからです。つまり、下表に示すように、一季節 91.25日の内訳が四季本来の73日と土用の分18.25日となっているわけです。

(四季の分) (土用の分)(1年分)
春(火)=73日+18.25日= 91.25日(立春から立夏の前日)
夏(水)=73日+18.25日= 91.25日(立夏から立秋の前日)
秋(木)=73日+18.25日= 91.25日(立秋から立冬の前日)
冬(金)=73日+18.25日= 91.25日(立冬から立春の前日)

従って、土用は夏だけでなく四季それぞれに有りますが、夏がたまたま土用の丑の日に鰻を食べる習慣が江戸時代にできたため、夏だけが採り上げられるようになりました。そして丑の日とは、土用の入りの日の「十二支」の子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥からこの順に数えて、「丑」に当たる日が土用の丑の日となります。

今年の夏は、立夏の5/05から立秋前日の8/06までの93日間ですから、土用の入りは土用の最終日の8/06から18日前の日、つまり 31-(18-6)=19 より 7/19 が土用の入りの日となります。 実は、「十二支」は、年だけでなく、時刻、方角、日等を表わすのに使われ、私にはその決め方が判らないのですが、土用の入りの日の7/19 が辰の日に当たるため、下に示すように、辰から数えて9日目の7/28が丑の日になります。 土用の期間18〜19日で、「十二支」は12日で元に戻りますので丑の日は最大2回有ることになり、2回目の丑の日を「二の丑」と言っております。最初の丑の日に鰻を食べそびれた場合は、「二の丑」の日に食べればよいとされております。3年前(2002年)は、7月20日の土用の入りの日が「丑」になったっため、8月1日が「二の丑」になりましたが、今年は残念ながら「二の丑」は有りません。

辰=7/19  土用の入り
巳=7/20
午=7/21
未=7/22
申=7/23
酉=7/24
戌=7/25
亥=7/26
子=7/27
丑=7/28 土用の丑の日
寅=7/29
卯=7/30
辰=7/31
巳=8/01
午=8/02
未=8/03
申=8/04
酉=8/05
戌=8/06  土用の終り

こうして、7/28が丑の日になることは理解できますが、それでは何故、この日に鰻を食べるようになったかは諸説は有るものの定説は今のところ無いようです。
ただ、万葉集(巻十六)の大伴家持が吉田連老に贈った歌に
「石麻呂にわれもの申す 夏痩によしといふものぞ鰻漁とり食せ」
「痩せてうなぎのような石麻呂さんに申し上げます 夏痩せに鰻がよく効くということですよ うなぎを漁って召し上がりなさいよ」 更に
「痩す痩すも生けらばあらむを はたやはた 鰻を漁ると河に流るな」
「石麻呂さん 痩せていながらも生きていればそれでよいのに ひょっとしてあなた うなぎを漁ろうとして 川に流されなどして死んでしまってはいけませんよ」
と歌っておりますので万葉の時代から夏の暑いときに鰻を食べるといいとの考えが有ったようです。


翌日の食卓を賑わせたアジとメバル

昨日の土用の丑の日は、結局鰻は食べられませんでした。近所には有名な鰻屋さんが2軒有るのですが、普段の日でも待ち時間30分は当たり前ですので、丑の日なら1時間は覚悟しなければなりません。待つことが大嫌いな私としてはとても耐えられないのが表向きの理由で、本当は経済的な理由です。そこで、鰻の代わりに、鰻によく似たアナゴで我慢しようと思い、渥美沖にアナゴ釣りに出掛けました。しかし、よくよく考えてみれば、渥美まで往復6時間を有料道路も利用して車で行くとそれだけで5000円かかり、これに魚と私の餌代を加えると8000円近い費用がかかりますから、鰻屋さんでうな丼かうな重を食べた方が安上がりになるのですが、魚釣りは趣味ですから趣味を実行するのに費用は度外視するという価値観から、この場合の費用はゼロということで割り切ることにしました。

釣り場は、7月16日の日記に掲載したところと同じで、ただこの日はこの地方としては今年一番の暑さだったため昼間からの釣りは避けて夕方からの半夜釣りにしました。そこで夕方現地に着くように、自宅を午後2時頃出かけました。アナゴは明るいうちは連れませんので明るいうちはアジ釣りを行いました。7月16日は、一度の当たりで3、4尾が束になって掛ってきましたが、この日は掛ってこない場合の方が多い上、掛っても1,2尾でしたので群れが小さいようでした。それでも、2時間ほど丹念に拾っていくと100尾ぐらいになり、暗くなってきましたのでアジ釣りを終了してアナゴ釣りに変えました。

アナゴ釣りは、オモリの下に1本針を結んだ仕掛けを20mほど軽く投げてからゆっくりとリールを巻いて当たり待つのですが、一向に当たりが有りません。1時間ほど粘ってみたのですが、全くアタリが無かったので断念し、メバル釣りに変えました。メバル仕掛けはオモリの上に3本針を結んだ胴付き仕掛けで、底を切ってから上下に仕掛けを動かしてアタリを待ちます。これまた、アタリは遠く、何回か場所を変えて何とか23cmを頭に10尾上げることが出来ました。

早朝、帰宅して数時間ほど睡眠をとってからボートや釣具などを水洗して干しました。サビキのマキエにアミエビを使いますので、このアミエビがボートや釣具に付着して悪臭を放っておりますので早めに水洗することで除去し、陽が陰るまでに完全に乾燥さえておく必要が有ります。このように、ボート釣りの場合は、行く前の準備も大変ですが帰ってからの水洗、乾燥、後片付けが結構大変です。

そして、夕食は、上の写真にありますように、アジはタタキ、南蛮付け、味りん干し、メバルは塩焼きにして食べました。メバルは旬を過ぎて、やや脂の乗りが悪くなってひと頃より味はおちていましたが、アジは旬ですので脂が乗ってとても美味しく頂きました。渥美沖のアジは潮流が早くまた良質のプランクトンを食べているので、関アジと同じ理由で美味しいことで知られております。こうして、一家で、私の釣ってきた魚を美味しく頂くことが出来ました。


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