−日記帳(N0.1336)2005年08月07日−
今日は立秋、秋の始まり?です
−日記帳(N0.1337)2005年08月08日−
郵政民営化法案否決に思う


今日は、立秋、暦の上では今日から秋、挨拶言葉も、盛夏から残暑に変わりました。立春、立秋、夏至、冬至などの言葉は、太陰暦を使用していた時代(日本では旧暦の明治5年(1872)12月3日までで、新暦の明治6年1月1日以降より新暦)に季節を現すための工夫として考え出され「二十四節気」によるもので、天文学的には季節を表す言葉として理に適ったものです。

例えば、夏至は南中高度がも最も高くなって太陽光線の照射エネルギーが最大となる日、冬至はその逆で南中高度がも最も低くなって太陽光線のエネルギーが最小となる日ですから、照射エネルギーからみれば夏至は最も暑く、冬至は最も寒くなるはずですが、夏至は梅雨時の6月下旬で初夏、冬至は12月下旬でで初冬で季節感としては約1ケ月半のズレが有ります。

このズレは、地球の地表と海水の比熱によるものです。気温は基本的には地表と海水の温度によって決りますが、6月下旬の夏至で太陽光線の照射エネルギーが最大となっても地表と海水の比熱が大きいため地表と海水の温度が最高になるのはそれから1ケ月半後の8月上旬の頃になります。立秋は、太陽視黄経135度で、南中高度が夏至と冬至の丁度中間になりますので、太陽光線の照射エネルギーからすれば、確かに秋の始まりを意味しております。

しかし、そんな盛夏の中でも、古のの人たちは
秋來ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかされぬる
                         (藤原敏行)
と歌って涼しい秋到来を待ち焦がれたのでしょうか。ここは、健康川柳から季語「残暑」の川柳を引用しながら、残暑の季節感を味わってみたいと思います。

・盛夏より 残暑の方が 暑かった
これが実際の季節感だと思います。昨日から甲子園で夏の高校野球が始まりましたが、決勝戦が始まる8月下旬になると、次の句に実感が湧いてきます。

・熱闘が 終わり涼風 甲子園
若い女性たちは暑中見舞いは
娘らの 残暑見舞いは e-mail

残暑も日が過ぎていくほどに、子どもたちには、
・宿題も 暑さも残る 残暑かな

そしてそうでない女性たちには
・またしても 痩せる間もなく 夏終わる


小泉純一郎首相が改革の本丸として政治生命を賭けて提案していた郵政民営化関連6法案は、今日、8日午後の参院本会議での採決の結果、自民党内の造反議員の反対投票によって、投票総数233票(欠席・棄権8票)で、賛成108票、反対は125票の17票差で否決され廃案となりました。この結果を受けて、小泉純一郎首相は公明党の神崎代表と与党党首会談を行い、解散・総選挙への理解を得た後、臨時閣議を招集し閣僚全員の解散署名を得て解散・総選挙を閣議決定しました。解散署名を拒否した島村宜伸農水相は罷免され、小泉純一郎首相が兼務する形で閣僚全員の署名が得られました。

郵政民営化法案が否決されたことにより、自民党の造反議員たちはマスコミの取材に意気揚々と応えて満面に笑みを見せておりましたが、解散が決定し小泉純一郎首相が今回の選挙を、郵政民営化に賛成か反対かを国民に問う郵政民営化選挙と位置づけることが伝えられるに至って、笑みは苦渋の表情に変わっていきました。彼等には次のような誤算が有ったように思います。

1.マスコミの取材を順風と錯覚
2.非公認は読めても対立候補までは読みきれなかった
3.郵政民営化選挙では郵政民営化反対の立場になり、選挙し辛い

多くのマスコミから取材攻勢を受けた造反議員たちはテレビ画面では彼らに順風が吹いているとしか思えないほどに喜色満面でしたが、それが錯覚であることを、その後の小泉純一郎首相の決意表明、造反者の多い亀井派に対する風当たり、三大新聞世論調査による小泉内閣支持率の向上などから悟ったように思えました。逆風が吹いているとは思わないまでも、少なくとも順風は吹いていないとの思いは造反議員に共通しているように思います。

マスコミが、数の上では圧倒的に多い賛成派を殆ど無視して、数の上で圧倒的に少ない反対派、つまり造反議員たちに取材攻勢を仕かけたのが問題で、彼等が錯覚したのも無理の無いことと思われます。確かに、参院本会議での採決では勝利しましたが、それと選挙での勝利とは全く次元が異なり、むしろ敗者にまわる恐れが高まっていくことを感じ取っているように見受けました。

自民党執行部は、郵政民営化反対議員を公認しないだけに止まらず対立候補を立てることを明言しました。それも、東京10区の小林議員に現職の小池環境大臣を立てることを画策するなど、造反議員たちには予想もしなかったことのように思います。これは、例え共倒れとなって民主党に漁夫の利をさらわれるようなことがあっても、有権者に郵政民営化に賛成か反対かの選択する場を与えることを優先するという大義名分のもと、かねてから抵抗勢力として小泉改革を妨げてきた造反議員たちを一掃しようとする企みに他ならず、今度の選挙は小泉首相にとって造反議員にとっても政治生命をかけた闘いになりそうです。

今度の選挙を、小泉首相が主張するように、郵政民営化選挙として国民に認知されますと、造反議員だけでなく、造反議員たちにとっても選挙は闘い辛く不利な立場になります。それは、郵政民営化は国民にとって判り辛いものの過半数が賛成しており、構造改革の本丸とまではいかなくとも、これからの日本にとって必要な改革のひとつであることに間違いありません。それに反対することを選挙スローガンに掲げることは革新を標榜する民主党にとっては政策不一致になりかねません。また、郵政民営化反対というよりも、小泉首相のやりかたに反対するのが本音の造反議員にとっても論点がボケてしまう恐れが有ります。

更に、日本経済が漸く踊り場から抜け出して景気回復が本格化しつつあることなどを考え併せると、風は小泉首相の方に向かって吹くように思えてなりません。願わくば、取り敢えず造反議員と自民党執行部がお互いに歩み寄って、民主党に漁夫の利をさらわれないように一致団結してもらいたいものです。


前 頁 へ 目 次 へ 次 頁 へ
inserted by FC2 system