−日記帳(N0.1340)2005年08月11日−
「ディスカバリー」無事帰還
−日記帳(N0.1341)2005年08月12日−
各党のスローガンに思うこと


エドワーズ空軍基地に無事着陸したディスカバリー

野口さんや女性初の船長のアイリーン・コリンズさん等ら7人が乗り組んで7月26日に打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー」は、地上350キロで国際宇宙ステーションにドッキングして物資を補給したほか、ステーションの修理や軌道上での耐熱タイルの修理試験に取り組みながら宇宙に15日間滞在し、219回地球を周回した後、一昨日の9日午後9時11分(日本時間)、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に無事着陸しました。総飛行距離は約933万km、飛行期間は13日21時間32分でした。

帰還は8日の予定でしたが、着陸予定地のケネディ宇宙センター周辺の天候が悪かったため9日に延期され、更に天候が回復しないため、着陸地をカリフォルニア州エドワーズ空軍基地に変更されたもので、同基地への着陸は過去114回の飛行のうち50回目でした。尾部を前にした姿勢で飛行しているディスカバリー号は、同午後8時6分(同午前7時6分)にインド洋の西上空約346kmで2分42秒間軌道制御システム(OMS)を噴射し、同午後8時40分(同午前7時40分)、南太平洋上クック諸島上空約121kmで大気圏に突入し、エドワーズ空軍基地の22番滑走路に着陸しました。

今回の「ディスカバリー」のフライトは出発も遅れ、帰還も国際宇宙ステーションへの食料補給で帰還を1日遅らせた上、天候不順で帰還が更に1日遅れるハプニングが有りましたが、とにかく無事帰還できて本当によかったと思います。今回のように、日本人が宇宙飛行士としてスペースシャトルに同乗するのは、特に日本人が優秀だとか、日米友好のためだとか の理由だけではありません。



人類にとって初めての「国境のない場所」国際宇宙ステーション(ISS)を地上400kmの宇宙に建設するためにアメリカ、日本、カナダ、ヨーロッパ各国、ロシアが協力して計画を進めております。日本もこの計画に参画して、2010年の完工を目指して「きぼう」という名の実験棟を建設することにしております。ところが日本は建設資材をISSに運ぶためのスペースシャトルのような有人ロケットを持っていないため、アメリカのスペースシャトル、ロシアのソユーズに頼るしか有りません。

毛利さん、土井さん、向井さん、若田さん、野口さんたちはいずれも、この計画に参画している日本の 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員で、「きぼう」での研究・開発に従事するための訓練をスペースシャトルに乗り組むことで行なえるようにNASAにお願いしているわけです。しかし、「きぼう」の建築資材をISSまで運ぶには、スペースシャトル三機分が必要ですが、「コロンビア事故」によって シャトルの減便が進み、引退時期が迫りつつある現実で果たして2010年までに三機分のスペースシャトルを確保できるか否かは疑問で、日本の有人宇宙計画は宙に浮いてしまう恐れが出てきました。日本も、独自にISSまで有人ロケットを飛ばせるような技術を確立する必要に迫られております。

このところ失敗続きだった日本のH2ロケットも漸く今年2月24日のH2A 7号機の打ち上げ成功により打ち上げ技術が確立されてきましたので、後は更にその信頼性を高めて中国に次いで世界で4番目の有人ロケット技術を確立して、米国、ロシアに頼らずに自前で「きぼう」に建築資材を運んで欲しいものです。米国としてもスペースシャトルの負担が軽減するので相応の協力はしてくれることと思います。特に、現在問題になっている耐熱タイルの剥離対策などは日本の得意分野でもありますので日米共同テーマにもなり得ると思われます。


民主党・岡田克也代表は昨日、9.11選挙のスローガンを「日本を、あきらめない。」とすることを明らかにしました。実は同党は、郵政民営化法案より「もっと大事なことがある」とのキャッチフレーズを掲げおりましたが印象が弱いと判断してこのスローガンにしたとのことです。私からみれば、このスローガンは、「印象が弱い」という以前に現状に対する感覚がズレていると思います。

2002年頃の選挙ならともかく、現在は大手を中心に最高益をたたき出す企業が続出し、半導体、自動車、デジタル家電は絶好調で、半導体は夏休み返上の多忙を極め、株価は実に4年ぶりの12,000円台突破、個人消費も上向き、ボーナスも前年比アップし、地価も下げ止まり傾向となるなど、日本経済は踊り場から脱却して再び景気回復に向かいつつあるのに「日本を、あきらめない。」はピント外れも甚だしいと思われるからです。

社民党に至っては、聞いて呆れるようなことを言っております。福島瑞穂党首は「首相の構造改革の下で国民の暮らしは疲弊しきっている」と、日本と北朝鮮を取り違えているとしか思えないような発言をしております。もっとも、この党は、元党首が北朝鮮を「地上の楽園」と賛美し拉致問題は日本政府のでっち上げと言って憚らなかったのですから、時代錯誤や感覚のズレは今に始まったことではありません。

福島瑞穂党首は11日、党本部で開いた全国幹事長会議で「国民主権を無視した小泉内閣に反対を言いたい。 首相の構造改革の下で国民の暮らしは疲弊しきっている。社民党は国民の立場に立った真の改革を訴えていく」と強調し、 衆院選で掲げるスローガンを「国民を見ずして、改革なし。」と決めました。 スローガンそのものは極く当然のことで正しいと思いますが、ただこの党は、何時もまず相手を批判し、その立場から政策を論ずるばかりで、党独自の政策にお目にかかったことが無いように思えてなりません。有るとすれば、時代遅れの「ゴケン」ぐらいでしょうか。

この党は、何時も「国民が、国民が・・・」と大多数の国民が社民党に同調しているかのような発言をされておりますが、社民党の支持者がどのくらいいると思っているのでしょうか。直近の資料では0.9%程度ですからせいぜい100人に1人でしかなく、先回の衆議院選挙でも僅か6人しか当選できなかったことを考えて、相手を批判してばかりいないで、「ゴケン」「国民が」以外の社民党独自の政策を打ち出さないと今度の選挙で最悪当選者ゼロになりかねないと思います。やはり、健全な野党は必要ですからもっと頑張って欲しいものです。

日本共産党は、衆院選で掲げるスローガンを「確かな野党が必要です」と決めましたが、社民党のよりましだと思います。自民党は「「改革を止めるな!郵政民営化に再挑戦!」と掲げ、ガリレオの地動説を引用した演説が好評だったことから、「郵政・ガリレオ」選挙と命名したようです。今回は、野党のように抽象的なスローガンより具体的な政策を反映したスローガンの方がいいように思います。


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