−日記帳(N0.1357)2005年08月27日−
衆議院選挙のしくみ
−日記帳(N0.1358)2005年08月28日−
にっぽんど真ん中祭り


300の小選挙区(定員300名)、11の比例ブロック(定員180名)
で衆議院選挙が9月11日に行なわれますがその選挙方式の
拘束名簿式「小選挙区比例代表並立制」の意味が判り辛い
のでここで解説してみたいと思います。

モデルケースとして、次に示すように、A、B、Cの3党
が六つの小選挙区に夫々、7人、5人、2人が立候補し定員10
名の比例区に夫々5人、4人、2人が立候補したこととします。

立候補のしかたには、次の3通りが有ります。

1.小選挙区単独(小選挙区だけに立候補)
2.比例区単独 (比例区だけに立候補)
3.重複(小選挙区と比例区に重複して立候補)

小選挙区で当選する確率の高い場合、例えば小泉総理など
の有力者等は小選挙区単独、実績や知名度が低く小選挙区
で当選する確率が低い場合、小選挙区で選挙活動しずらい
場合、コスタリカ方式で同じ党または提携する他党と小選
挙区と比例区に交互に立候補することで融和を図る場合な
どは比例区、そして小選挙区で落選したら比例区で当選さ
せたい場合は重複で各党は立候補させます。

但し、「ゾンビ議員」と呼ばれる、重複で小選挙区で落選
して比例で復活当選した議員の中で法定得票数未満の議員
が1996年の選挙で8人もいたことから問題になり、2000年の
選挙以降は小選挙区で法定得票数未満となった候補者の復
活当選は認められなくなりました。また、比例区単独立候
補者が不利にならないように重複立候補者の名簿順位は比
例区単独立候補者より下位順位とされております。

小選挙区の当落は単純明快で、最多得票数の候補1人が当
選しますが、有効投票数の6分の1の法定得票数に達してい
なければ無効となり再選挙となります。小選挙区には政党
に属さない無所属候補でも立候補することができますが、
比例区単独、重複には政党に属していないと立候補できな
いので、自民党造反議員たちが新党を立ち上げたのはこの
理由によります。

比例区では、人口に応じてその定員が割り当てられている
全国11のブロックで有権者は政党を記載することで投票
し、各党には得票数に応じて「ドント式」で当選者数が割
り振られ、各党があらかじめ公表している候補者名簿の順
位に沿って上位から決まっていきます。その状況を下表の
モデルケースで解説します。

A、B、Cの3党が候補者をたてて10人の定員枠を争って
下表のように得票できたとします。そこで、各党の得票数
を1、2、3・・・と順次、割っていき、割られた数字の
大きい順に丸数字を付けて各党に割り振っていきます。
この結果、A党(=6名)、B党(=3名)、(=1名)と、10名の定
員枠が各党に割り当てられました。これがドント式です。  
  
         A党    B党   C党
 比例区得票数 120,000    60,000   30,000
     ÷1        120,000@  60,000A 30,000C
     ÷2         60,000A  30,000C  15,000
     ÷3         40,000B  20,000E  10,000
     ÷4         30,000C  15,000     7,500
     ÷5         24,000D  12,000     6,000
   ÷6         20,000E  10,000     5,000
    当選者数    6        3         1

尚、名簿順位を同一順位にして重複立候補者の小選挙区で
の惜敗率(=得票率)の高い候補者を優先して割り振る方式
が最近よく採用されるようになっております。



昨年の「にっぽんど真ん中祭り」の風景
(関連サイトから拝借させて頂きました)

名古屋は、愛知万博、中部国際空港、トヨタをはじめ業績好調な地元企業で元気一杯ですが、もうひとつ元気のいいイベントが加わりました。それは、8月26日(金)から28日(日)にかけて名古屋市の久屋大通りをはじめ市内14の会場で繰り広げられている「にっぽんど真ん中祭り」です。そして、今日はその最終日でメイン会場の 久屋大通りの特設ステージ、万博会場のステージで行なわれている様子が地元TV局から中継されました。

1999年に名古屋市内の大学を中心に26チーム、1,500人が参加して行なわれたのに、第6回の昨年は、160チーム、18,000人に急成長し、今年は 175チーム約20,000人が予定されており、今や全国規模の一大イベントになりつつあります。この祭りは、1996年夏、当時中京大2年生だった水野孝一さん(26)が札幌市内の「YOSAKOIソーラン祭り」に参加して、エネルギッシュに踊る北大生らの若者たちに衝撃を受け、更にこの祭りが高知市の「よさこい祭り」に触発されて道内の大学生が中心になって立ち上げられたことに感動して「にっぽんど真ん中祭り」を立ち上げたのでした。

名古屋がほぼ日本の真ん中にあることからこの名前を付けたのですが、立ち上げは苦労の連続だったようです。彼は就職を断念して寄付金を求めて企業に行脚したのですが門前払いを食らってままならず、名古屋市に頼むしかないと考え、市長の行き付けの床屋さんを調べててその店で市長に直訴してから協力の和が広がりはじめ、2年間の準備期間を経て99年の第1回開催に漕ぎ着け、今は「にっぽんど真ん中祭り組織委員会」の専務理事として活躍しておられます。


前 頁 へ 目 次 へ 次 頁 へ
inserted by FC2 system