−日記帳(N0.1386)2005年09月28日−
巨人を弱体化した長嶋名誉監督
−日記帳(N0.1387)2005年09月29日−
阪神優勝に思う


長嶋名誉監督が日本のプロ野球史上で最も優れた名選手であることに私は異論を挟む気は有りません。またその独特のキャラクターに魅力を感ずる一人でもあります。しかし、彼が巨人の監督に再就任した1995年から2001年までの7年間の行動は、現在の巨人を弱体化させた遠因になったことは残念ながた否めないと思います。

彼は、就任早々の1995年にヤクルトの4番広沢、翌年は西武の4番清原、翌々年は近鉄の4番石井、1999年には広島の4番江藤を、ないものねだりして獲得しました。長嶋監督に憧れての巨人入りだったかも知れませんが、これらの選手たちは、打つ方はとにかく、守れない、走れないという欠陥を持っていたため外野は勿論、二遊間のホットコーナーは任せられず、せいぜい三塁か一塁でしか起用できず、守備が重複するため長嶋監督も相当苦労したようです。

このような選手の弊害は守備、走塁の不安だけにとどまらず、彼らが打席に立つと一塁走者は彼らに遠慮して盗塁しようとせず、結局併殺を期すケースが多くなり、機動性が低下するという弊害も出てきました。結局、広沢、石井の両選手はさしたる活躍をすることなく失意のうちに退団し、清原選手も怪我が多く満足な成績を残せたのは入団した1997年と2001年に2年間にとどまり、江藤選手も優勝した2000年に活躍した程度でその後は代打に甘んじて今日に至っております。

まだ、松井選手が在籍していた2002年まではこうした選手の弊害は顕在化しておりませんでしたが、松井選手が去った2003年以降は一気に表面化してきました。まともに4番を任せられる選手がいない上、桑田、槙原、斉藤の3本柱のうち槙原、斉藤が抜け、投手力の整備を怠った長嶋監督のツケが原、、堀内監督にまわされました。原監督は松井が4番として大活躍したため何とか優勝できましたが、堀内監督はアンラッキーでした。懲りもせずに長嶋路線を踏襲して獲得したペタジーニ、小久保、ローズが加わったため清原、江藤と併せて5人もの4番候補が乱立し、これに高橋、阿部、清水等を加えて一見、夢のような強力打線が出来たのですが外野は弱肩トリオ、一、三塁はボロボロ、抑え投手陣はガヤガタとなってはいくらホームランを打ってもすぐ追いつかれ、離される展開が目立つようになりました。

長嶋名誉監督のかっての日本海軍の戦艦中心の巨艦主義ににも似た4番候補をズラリと並べた強力打線構想は行き詰まり、ぺタジーニは退団、清原は自由契約、、ローズ、江藤も退団が予想されるなど、あの大和、武蔵を旗艦とした連合艦隊の末路のような様相を呈してきました。しかし、残った高橋、阿部、元木、清水、二岡、仁志も怪我が多い上、守備や走塁に難点が有り、若手といわれるる選手達も、鈴木27歳、矢野25歳を除けば堀田30才、斉藤29歳、黒田30才、村田31歳、川中32歳と決して若くはありません。日本海軍も結局、図体ばかり大きくスピード不足のため機動性に欠け、せっかくの巨砲を打つ機会も無いまま空母主体の米・機動艦隊に完璧に打ちのめされてしまいました。

あのヤンキースも4番候補をかき集めて弊害に苦しみ昨年はレッドソックスに破れ、今年も苦戦しております。シェフィールド、ジオンビ、バーニーにペタジーニ、清原、ローズらが重なります。やはり、A・ロドリゲス、ジーター、松井のような打力だけでなく、走力、守備力のある強打者が必要と思います。ヤンキースも巨人も来年は監督も変わり、従来の巨艦主義を廃して機動性に富んだバランスの採れたチーム造りを行なう必要が有ります。もし、これを怠れば、来年も阪神、中日の後塵を拝することになると思います。


宙に舞う岡田監督

優勝へのマジックナンバーを「1」としていた阪神タイガースが本拠地、甲子園球場で巨人を5:1で破って2年ぶり9回目、2リーグ制では5回目となる優勝を果たしました。就任2年目の岡田彰布監督はスタンドを埋め尽くした今季最多の48,576人の観衆の前で5度、宙を舞いました。交流戦が始まる前までは中日ドラゴンズに4ゲーム以上離されておりましたが、交流戦での中日の失速に乗じ、八つの貯金を作って、交流期間中の6月9日に首位を奪回して以来、優勝を決めるまで首位をキープして今日の優勝に結び付けました。

8月には2回に渡って中日に0.5差まで追い上げられましたが、どちらかと言えば中日の自滅に救われて再び連勝の波に乗って中日に大差を付けて見事に優勝を果たしました。このように、阪神の優勝は二度に渡る中日の失速に助けられた形にはなっておりますが、下柳、井川、安藤を中心とした先発陣、JFKの救援陣、金本、今岡を中心とした打撃陣は実に見事で、終わってみれば優勝に相応しい陣容だったと言えます。その点、中日の場合、JFKに相当するO(岡本)、H(平井)、I(岩瀬)のOHIはOHが殆んどその役目を果たせないまま、先発陣では川上が正念場の9月に1勝しか出来ず、山本昌も早い回にKOされ、野口も同様でベテラン陣総崩れ状態、金本、今岡に相当するウッズ、福留はここぞといった場面では打てずその差だ出ました。

中日の失速、不甲斐なさも目立ちましたが、それ以上に巨人の不甲斐なさも目立ち、特に今夜それが特に目に付きました。9回に久保田の暴投でタナボタの1点を取りましたが、あまりにも情けない完敗でした。巨人は昨日の敗戦で、球団史上ワーストとなる年間77敗目を期し、同時に8年ぶりのBクラスも決定しました。広島の不振で最下位を免れそうなのがせめてもの幸いでした。これで、セ・リーグは阪神の優勝、中日の2位、巨人、広島のBクラスが決定し、あとはヤクルトと横浜のAクラス争いだけが残りました。


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