−日記帳(N0.1438)2005年11月21日−
新艇での初釣りはマダカの大漁
−日記帳(N0.1439)2005年11月22日−
「全国豊かな海づくり大会」に思う


釣り上げたマダカとセイゴ35尾

先日の新艇の進水式の後の釣りは全くのボーズに終りましたので、今日こそ新艇での初釣りをしようと思っていた折。Wさんから早朝、久しぶりに電話での釣りのお誘いが有りましたので、待ってましたとばかりに飛びついて釣行を約束しました。水温が高くて遅れている大井のマダカ狙いで午後3時頃大井港を出港することにしました。ポイントにはWさんとSさんが既に竿を下ろしてアジ釣りをしておりました。

今年のアジは型が小振りの上、群れが小さく、ポツポツと釣れても直ぐに当たりが遠のく有様で殆んど釣りになりません。ここのアジは周囲に灯りが無いので暗くなると全く当たりが出なくなることから、私はアジ釣りは断念してゆっくりとマダカの仕掛けを用意しはじめました。ミチイトとハリスはフロロカーボン4号、リールの巻き糸はナイロン5号、巻き糸とひとひろ半のミチイトを三又サルカンで結びここからひとひろのハリスを出し、ミチイトの先端に三又サルカンを結び、ここに15号のオモリとひとひろのハリスを出します。

この仕掛けを2.7mの竿に付けて投入し暗くなるのを待ちました。明るいうちは全く当たりは有りませんでしたが、陽も沈みやがて、西の空に宵の明星の金星が黄色に輝きだし、更に東の空に火星が赤色に輝き始めた頃、竿先に付けてあるケミライトがゆっくりと上下し当たりが感じ取れました。この時点で合せると外れてしまうのがマダカの特徴ですから食い込むのをじっと待ちました。すると下側に引っ張りこもうとする引きが竿先から伝わってきましたのでここで一気に竿をしゃくりあげて合せました。

すると、今度は横に走る強烈な締め込みが伝わってきました。ここで、グイグイとリールを回してたぐり寄せていきました。そして竿をいっぱいに立てると、40cmを越えるマダカのが見えてきましたが、竿の長さハリスより短いためそのまま竿を振り切って抜き上げることが出来ません。ここでミチイトを緩ませるとマダカはエラ洗いと呼ばれる動作をして掛った針を外そうとそますので、すかさず巻き糸をた繰り寄せてミチイトを張ったまま掛ったマダカを一気に引き寄せてボート内に落としました。45センチサイズのマダカでした。

食い込むまで合せなかったため、針が咽奥まで飲み込まれていたため簡単には外せません。口を開けてペンチを咽奥に突っ込んで針を掴んでいったん奥に押し込んでか針の先端を抜いてから引戻すと外れました。すると置竿の先端が激しく上下しましたので、竿を手に取るとやはりマダカ特有の当たりが感じ取られました。こうして入れ食い状態が続き、1時間半ぐらいの間に35尾のマダカ、セイゴを釣り上げました。こうして、幸先よく、新艇、まだか丸の初釣りはマダカの大漁で終りました。


大会会場のために埋め立てられた豊浜漁港広場(赤枠内)

「全国豊かな海づくり大会」なる名称の大会が毎年、漁業に関係ある都市で行なわれております。今年は横浜の「みなとみらい」を中心に25回目の行事として、一昨日の11月20日に行なわれました。焼津と言う全国有数の漁業都市で生まれ育ち、釣りを通して魚に接する機会の多い私は、以前からこの行事に関心を持っておりましたが、最近になってその主旨に結果がついてきていないことから大会の意義に疑問を抱くようになりました。今日は、このことについて私見を述べてみたいと思います。

この大会は、水産庁の外郭団体の(社)全国豊かな海づくり推進協会の主催で25年前の昭和56年に大分県・鶴見町で第1回が開かれて以来毎年、行なわれ今年は第25回として横浜を中心に行なわれております。大会の主旨は同推進協会のHPによれば、 「水産基本法の基本理念である水産資源の持続的利用を通じて水産食糧の安定供給の確保等を実現していくために「海の種づくり」である栽培漁業と、「海の畑づくり」である沿岸漁場の整備・開発・水産資源の適切な保存管理等を行なう」とされております。

しかし、私の身近なところで行なわれた大会のその後の実態を調べてみますと、その主旨は達成されておらず、むしろ自然破壊が行なわれ、マシナス面が顕在化しているように思えてならないのです。まず、4年前の平成13年10月28日に私の故郷の静岡県・焼津市で行なわれた「うみがすき 魚いっぱい あおいうみ」の大会テーマの第21回大会のその後に触れてみたいと思います。

この大会に両陛下が臨席されるとのことから東名・焼津インターから会場まで立派な道路が作られ、新焼津漁港が作られ、その新港の岸壁広場が大会会場となりました。毎年、帰省する度にその新焼津漁港に訪れるのですが入港する漁船は疎らで閑散としており、その道路の交通量も少ないのが実態です。かって、小泉八雲が故国ギリシャのエーゲ海にダブらせて愛した海辺は埋め立てられて道路となり、沖合いの青い海は港内となり、防波堤のテトラにいっぱいいた魚たちは居なくなり、好きだった焼津の海は無くなりました。これでは大会テーマは全く達成されおらず、ただただ自然破壊だけが進んでいるだけです。

次に、私が現在住んでいる愛知県で14年前の平成3年10月27日に行なわれた第11回大会のその後を振り返ってみたいと思います。「夢拓き 未来へ贈る 海づくり」との大会テーマのもと、南知多町の豊浜漁港に隣接する海岸を埋め立てて広場(上の写真参照)が作られ、そこが会場となり、両陛下が臨席されるとのことから南知多有料道路の終点豊丘から会場まで立派な道路が作られました。しかし、その後この広場は漁業に利用されることは殆んどなく、週末に若者たちや釣り人たちで賑わう程度で普段は閑散としており、道路も人里から離れた丘陵地帯を通っているため利用するのは私のような釣り人など特定の人たちが利用する程度で交通量も少ない状態が続いております。

この大会に共通しているのは、両陛下が臨席されることを理由に会場への道路が新設されることと海岸を埋め立てるなどにより入浜や藻場が減り、確実に従来生息していた魚が消えていったということです。どう考えてもいたずらに税金を使って不要不急の施設を作っているとしか私には思えません。そして、主催者の(社)全国豊かな海づくり推進協会の役員の中に水産庁から天下りしてきた方もおられる点にも不快感を禁じ得ません。小泉内閣の改革路線の中でこのような無駄な大会行事を見直して頂きたいものです。


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