−日記帳(N0.1446)2005年11月29日−
日本女帝物語(3)
(歴代女帝の在位年数と寿命)
−日記帳(N0.1447)2005年11月30日−
日本女帝物語(4)
(歴代女帝の次の天皇の一覧)


御代 天皇御号 在位期間 年数 生存期間 年数
33 推古天皇 592-628 36 554-628 74
35 皇極天皇 642-645 3 594-661 67
37 斉明天皇 655-661 6 594-661 67
41 持統天皇 690-697 7 645-702 57
43 元明天皇 707-715 8 661-721 60
44 元正天皇 715-724 9 680-748 68
46 孝謙天皇 749-758 9 718-770 52
48 称徳天皇 764-770 6 718-770 52
109 明正天皇 1629-1643 14 1623-1696 81
117 後桜町天皇 1762-1771 9 1740-1813 73

御代 天皇御号 御 父 上 御 母 上
34 舒明天皇 押坂彦人大兄皇子 糠手姫皇女
36 孝徳天皇 茅渟王 吉備姫王
38 天智天皇 舒明天皇 皇極天皇
42 文武天皇 草壁皇子 元明天皇
44 元正天皇 草壁皇子 元明天皇
45 聖武天皇 文武天皇 藤原宮子
47 淳仁天皇 舎人親王 当麻山背
49 光仁天皇 施基親王 紀 橡姫
110 後光明天皇 後水尾天皇 藤原光子
118 後桃園天皇 桃園天皇 藤原富子



上の表は8人の女性天皇の在位年数と寿命を示しております。一目で在位年数が短い(平均=13.8年)ことと当時としては長寿(平均=66.5歳)であることが判ります。これらの女性天皇の次の男性天皇の8人の平均在年数が14.6年、平均寿命が43.5歳であったことからもその傾向が実証されます。在位年数が長いということは、その天皇の在位期間が安定していたことを意味しますから、安定をもたらすに足る何らかの能力をその天皇が持っていたことをも意味します。

そのような見方から8人の女性天皇を見渡してみると、推古天皇だけが傑出した存在であることが判ります。何故に彼女が36年もの長きに渡って在位できたかは興味深く、多くの作家たちが彼女をヒロインにした小説を発表しているのはこの辺りの事情によるものと思われます。その理由についてはいろいろな説が唱えられておりますが、私は次のように考えております。

1.男性天皇の後継者が即位出来ない事情が有った。
2.当時の権力者の叔父(母の兄)の蘇我馬子の庇護が有った。
3.蘇我一族と天皇家を仲介出来る立場に在った。
4.即位後、有能な聖徳太子と蘇我馬子とトロイカ体制をとれた。

この辺りの事情については、日本女帝物語(5)で採り上げてみたいと思っております。この時代は、現役の天皇の崇峻天皇が蘇我一族暗殺されたことから推し量れるように蘇我一族の権力は天皇家を凌ぐほどであり、推古天皇はそのような情勢下でも天皇家の権威を何とか保ち続けた結果が、壬申の乱で逆に天皇家が蘇我入鹿を暗殺することで蘇我一族を滅ぼして天皇家の権威が揺るぎ無きものにしたことに繋がったと考えられます。この点からも、推古天皇が抜きん出た存在であること判ります。

上の表に女性天皇の次の天皇の一覧を示しております。この表を一覧した理由は、女性天皇の次の男性天皇が彼女の実子ではないことを裏付けたかったからです。言い換えれば女性天皇の後継は男系で継承されていることを証明したかったからに他なりません。よく、かって女性天皇も存在していたのですから、皇室典範を改訂して女系の女性天皇が即位出来るようにしてもいいのではないかとの意見への反論の根拠でもあります。以下、男系で継承されていることを順次説明していきたいと思います。

・推古天皇の後継者は、彼女の息子の竹田皇子ではなく、敏達天皇の皇子である押坂彦人大兄皇子の息子の舒明天皇、つまり敏達天皇の孫ですから、男系で継承されております。

・皇極天皇の後継者は彼女の息子ではなく、押坂彦人大兄皇子の息子の茅渟王の息子であり、かつ彼女の弟でもある孝徳天皇で、敏達天皇の曾孫ですから、やはり男系で継承されております。

・斉明天皇の後継者は、彼女と舒明天皇との間にできた天智天皇ですから紛れも無く男系で継承されております。

・持統天皇の後継者は、彼女と天武天皇との間にできた草壁皇子の息子の文武天皇で、天武天皇の孫ですから、男系で継承されております。

・元明天皇の後継者は、彼女と草壁皇子との間にできた元正天皇ですからやはり男系で継承されております。

・元正天皇の後継者は、彼女の弟でもある文武天皇の皇子だった聖武天皇ですので男系で継承されております。

・孝謙天皇の後継者は、天武天皇の直孫の淳仁天皇ですので男系で継承されております。

・称徳天皇の後継者は、天智天皇の直孫の光仁天皇ですので男系で継承されております。

・明正天皇の後継者は、後水尾天皇の皇子だった後光明天皇ですので男系で継承されております。

・後桜町天皇の後継者は、彼女の異母弟の息子で、彼女の父の桜町天皇の直孫でもあった後桃園天皇ですので男系で継承されております。


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