−日記帳(N0.1448)2005年12月01日−
初心者向け株の話(1)
(最近の株価上昇の背景)
−日記帳(N0.1449)2005年12月02日−
初心者向け株の話(2)
(ネットによる株式売買のメリット)



日経平均株価の過去半年間の推移
        
    証券会社別、約定額別ネット売買手数料(単位:円 指値の場合)
会社名 50万円 100万円 150万円 300万円 500万円
イー・トレード証券 472 472 840 1575 1575
ライブドア証券 525 840 1155 1680 2100
楽天証券 525 945 3150 3150 6300
コスモ証券 1050 1050 2100 2100 3150
マネックス証券 1050 1050 2360 3150 7875
オリックス証券 735 1260 1890 3780 6300
カブドットコム証券 1575 1575 2415 2415 2515
松井証券 3150 3150 3150 3150 6300
大和証券 1811 3622 5008 9166 14710
日興コーディアル 4830 9660 13440 23940 36120
野村証券 5250 9660 13230 23940 37590


このところ、幼女誘拐・惨殺、耐震強度偽造による欠陥マンション・ホテル等の暗い話題の中で、株価上昇が明るい話題として、茶の間や友人たちとの語らいの場でも採り上げられるようになりました。過去3ケ月間の日経平均株価の推移を上にグラフ表示してみました。右肩上がりで上昇していることは一目瞭然で、今日の 15,130.50円で、2000年11月9日につけた15,060.05円以来、5年1ケ月ぶりの最高値となりました。

10月に入って、原油高と米国の株安等の影響と6月以降の上げ相場への調整もあって株価は13500円付近で低迷しておりましたが、自民党圧勝により更に構造改革が進むのではとの期待感に加え、企業業績の向上に伴いデフレ脱却への期待感も膨らんで米国株価に連動することなく、11月に入ってからは驚異的な勢いで上げに転じ、12月に入ってもその勢いは衰えず、ついに今日、258.35円の大幅高を記録し、当面の目標だった15000円の大台を突破してしまいました。このような株価上昇には次の要因が影響しているものと思われます。

1.外国人の買い越し基調の継続:
2.日本国内企業の業績向上:
3.ネットによる売買の活発化:
4.主婦層の配当狙いによる市場参加:

1.外国人の買い越し基調の継続:
株の売買は、外国人投資家、機関投資家、個人投資家によって行なわれますが、中でも外国人投資家の比率が最も大きく、従って彼らの売買動向が株価に大きな影響を与えます。株価は買い越せば上がり、売り越せば下がる傾向を示します。ところが、東京証券取引所によると、今年の年明けから11月第2週までの外国人投資家の購入総額、売却総額は昨年の年間実績を大幅に上まわり、購入額から売却額を差し引いた「買い越し額」の累計は9兆円を突破して過去最高を記録しつつあります。東証が11月17日に発表した投資主体別売買動向(東京、大阪、名古屋1・2部合計、時間外取引含む)によると、外国人投資家の11月第2週までの購入総額は122兆円で、過去最高だった昨年の106兆円を10月末既に更新し、売却総額も113兆円で、過去最高だった昨年の98兆円を上まわっております。

2.日本国内企業の業績向上:
2005年7−9月期の法人企業統計によれば、全産業・全規模ベースの企業収益は前年比4.6%増収、6.6%の経常増益となり、10四半期連続の増収増益となっております。基本的には売上、利益共に拡大傾向にあり、堅調と表現できますが、増益率が2004年の7−9月期(前年比プラス37.8%)をピークに鈍化傾向にある点、更には経常利益率が低下している点(4−6月期の4.1%から3.4%に低下)は懸念材料と言えす。しかし、デジタル家電、iPodに代表される次世代型プレーヤー、次世代携帯、携帯機器用の小型燃料電池等の新製品が次から次へと登場することが予想され、更にはデフレ脱却、地価の下げ止まり、株価上昇による収益性向上も見込まれますのでこの懸念材料は不安材料にはならないと思います。

株式売買については私も初心者の一人です。人は真面目に働いて得た収入で生活設計すべきであり、株式売買で得た利益で生活設計するなど不謹慎極りなく、そのような輩がこの世に蔓延れば、物を買う人、サービスを受ける人の数が、物を作る人、サービスを提供する人の数を上まわってこの世のしくみは崩壊してしまいます。以前、私は株式売買についてこのように考え、我々庶民の株式売買を罪悪視してきましたが、低所得、ゼロ金利とインターネット時代を向かえた今日、逆に株式売買は我々庶民の生活設計をより豊にする手段として有効な手段であり、株式売買を通して視野を広め、ひいては日本経済発展にも寄与できると考えるようになり、数年前からささやかに株式売買を始めました。株式売買は奥が深く、まだまだ初心者の域を脱し切れませんが、その初心者の私が初心者のために、今日から「初心者向け株の話」をこの日記で採り上げていきたいと思います。そこで、3.と4.については、明日、明後日に特集として採り上げてみたいと思います。

昨日、最近の株価上昇の一因として、ネットによる売買の活発化を挙げましたが、今日はネットによる株式売買のメリットを採り上げてみたいと思います。11月8日の東証1部の売買高は45億株と過去最高を記録し1980年代のバブル期の5倍強に達しました。しかし、バブル期の株価最高額は39,000円台だったのに対して現在の株価最高額は15,000円台でバブル期の半分以下でしかありません。売買高が5倍になっても株価が半分以下でしかないことはバブルという特殊事情を差し引いても説明がつきません。しかし、インターネット普及によるネットによる売買の活発化を考慮に入れれば容易に説明することが出来ます。

日本では、まだまだ個人投資家の比率は外国人投資家や機関投資家に比較して少ないのですが、その個人投資家のネット売買が加速化していることに加え、株式売買に関する税制改革とネット売買による手数料の大幅低下のために、「デートレード」という1日単位の短期売買が盛んに行なわれるようになったことにより売買高が大幅に増加している事情を説明することが出来ます。これを、ささやかな私の事例を紹介することで説明してみたいと思います。

私の大事なヘソクリから60万円を出資して、この範囲で「デートレード」により1ケ月間でどの程度の利益を得ることが出来るかを、11/1から11/30にかけて検証してみました。銘柄としては、値動きがよくてデートレード向きと言われる(株)SFCG (東証1部:8597 旧商工ファンド) を選びました。 株価は3万円弱で推移しておりましたので株数は20株で統一し、予算の60万円の範囲内に留めることにしました。 売買の経過は次のとおりで、寄付で購入した株を、イー・トレード証券ホームページでリアルタイムで株価動向を見て、買い気配、売り気配のバランスから売却額を決めて約定のボタンをクリックしました。

11月 1日 寄付で28,200円で20株購入
11月 2日 場中で29,120円で20株売却 +18,400円
11月 7日 場中で28,600円で20株購入
11月 7日 場中で29,200円で20株売却 +12,000円
11月11日 寄付で27,730円で20株購入
11月11日 場中で28,200円で20株売却 + 9,400円
11月16日 寄付で27,800円で20株購入
11月16日 場中で28,150円で20株売却 +7,000円
11月17日 寄付で28,420円で20株購入
11月17日 場中で28,800円で20株売却 +7,600円
11月21日 寄付で29,050円で20株購入
11月21日 場中で29,500円で20株売却 +9,000円
11月25日 寄付で25,300円で20株購入
11月29日 寄付で25,700円で20株売却 +8,000円

・売買額計            = 7,875,400円
・売買損益計          =    71,400円
・売買手数料計=840円/回×14回 =    11,760円
・売買利益 =71,400円-11,760円 =    59,640円
・純利益       =59,640円×0.9 =    53,640円
つまり、1回で60万弱の資金を14回の売買で回転させて売買額計7,875,400円とし、71,400円の売買利益を得ることができました。そしてこれから売買手数料11,760円と利益の10%の税金7,140円を差し引いた53,640円が純利益として残りました。もしこの60万円を銀行に預金しても得られる利子は15円にしかならず、売買せずに配当金を得たとしても1ケ月分として300円程度です。この53,640円はサラリーマンの平均的なこづかい程度ですから、こづかい稼ぎと考えれば結構妙味が有るように思えます。

ところで、このような短期値幅取りのデートレードが成立するのも、ネット専門証券の手数料の安さと税制の改正によるものです。例えば、デートレードを野村、日興のような綜合証券で行なえば上の表から判りますように1回の手数料が10,000円近くなるため合計手数料は10万円以上になり、売買損益はマイナスとなってしまいます。また、以前税制のよう、売買額の約1%の税金では合計税金が8万円近くなり、税金だけで売買損益はマイナスとなってしまいます。このように、まさにデートレードは現在の税制下でのネット専門証券会社でのネット売買に最適の方法です。ただ、サラリーマンは朝から午後3時まで、PCの前で株価と睨めっこするわけにいかないところが辛いところです。従って、年金生活者や主婦のみなさんに向いているようです。


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