−日記帳(N0.1450)2005年12月03日−
明冶5年、ある官吏の嘆き
−日記帳(N0.1451)2005年12月04日−
粗悪な100円均一商品


鈴木家の主、一郎は、明冶4年4月1日に東京・神田に新しく出来た郵便取扱所(現在の郵便局)の所員に晴れて採用され、維新前からの浪人生活に漸く終止符を打つことができ、それまで家計のやりくりが苦しくて散々文句を撒き散らしていた女房のお春のご機嫌も日に日によくなってきました。そのお春から「あなた これで決ったお給料が頂けるようになったのですから、この狭い長屋からどこかの一軒屋に引越ししましょうよ」と言われて、親戚からお金を借りて勤め先の神田郵便取扱所に程近いところの元武家屋敷に2ケ月前に引越してきました。そんな、明治5年11月27日のこと、一郎は、太政官布達を見て驚愕しました。

そこには、「当十二月ノ分ハ、朔日・二日、別段月給賜ラズ 」と書かれていたのです。早い話、「今年の12月は2日しかないので12月分の給料は支給しない」と言うのです。その年の11月9日に、その年の12月3日をもって旧暦から新暦に移行することが布告されておりましたので、 一郎は逆に、12月は2日働いただけでまるまる1ケ月分の給料が貰えるものと期待していたのが裏目に出てしまったのです。そして、更に困ったことが判りました。実は、この年は旧暦の閏年でしたので6月が閏月となって1年が13ケ月有ったので13ケ月分の給料を貰えるものと彼は思い違いしていたのです。新暦になれば、1年は12ケ月ですからそのようなことが有り得ないことに気付いたからです。

結局、まるまる14ケ月分に近い給料を貰えると思っていたのが、逆に2ケ月分も少ない12ケ月分の給料しか貰えないことになり、鈴木家の家計は一気に苦しくなってしまいました。実は、親戚への今年の借金返済は13ケ月分の給料を貰えることを前提にしておりましたので、その分の1ケ月当たりの支払いが増えてしまったからです。再び、女房のお春のご機嫌が悪くなり、一郎に当り散らすようになりました。

今日、12月3日はカレンダーの日で、133年前の今日の明冶5年12月3日、旧暦から新暦に移行し、この日が明冶6年1月1日の元旦となっております。この日に因んで私が作ったストーリーですが、このような悲劇は鈴木家だけでなく、当時の官吏たちの家でも起こっていたものと思われます。当時、明治政府の頭痛の種は財政問題で、特に明治6年は閏6月が有るため、13ケ月分の官吏俸給が必要になることから財政破綻を起しかねない状態にありました。そこで、この財政破綻を回避する方法として、知恵者の参議大隈重信の頭に浮かんだ方策が、旧暦から新暦・太陽暦への改暦という妙策だったのです。通常なら、これだけ社会的影響度の大きい社会制度の改訂は1年前に予告して行なうべきなのに、明治政府はその年の11月9日に布告しその24日後に実施すると言う荒料理をやってのけたのですから凄いと思います。それだけ、時の政府の権力が強かったこと、まだ月給制の給与所得者が少なかった庶民にはあまり関係なかったことを物語っているように思われます。


長年使ってきた居間のソファを廃棄することになりました。取りあえず解体して塩ビレザーとウレタンを取り除くと、鉄パイプからなる骨組みが残りましたが、長さが2m以上もあるため、そのまま燃えないゴミとして近くの集積場に出すわけにはいきません。60cm以下の裁断して纏める必要が有りますので、グラインダで切断することにしました。そこで、近くのスーパーに出向いてグラインダに取り付ける砥石ディスクを買い求めようとしたのですが1枚200円でした。以前、百均の店頭で見掛けた覚えが有りますので、そちらの方が安いと考え、購入するのを止めて百均に出向いて探したところ、何と2枚で100円で売られておりました。

早速1セット2枚分を購入し、グラインダに取り付けて自宅の庭先で鉄パイプの切断に取り掛かりました。鉄パイプを足で固定して切断を始めたところ、鉄パイプに切り目が入っていくのですが同時に砥石ディスクのが凄い勢いで損耗していくのです。結局、鉄パイプ1本を切断 したところ、両面にコートされている砥石が外周から5mm以上も磨耗して剥げ落ちてしまいまいた。2本目を切断し終えた時点で、磨耗は固定面近くにまで達したため切断不能になってしまいました。止む無く、もう1枚の砥石ディスクに取り替えて再び切断を行ないましたがやはり2本目で切断不能になってしまいました。

切断個所はまだ20ケ所近く残っておりますので、このままではゴミに出せず、止む無く再びスーパーに出向いて、1枚200円の日本製の砥石ディスクを2本購入して、切断作業を再開しました。すると、切味がいい上、砥石ディスクの磨耗は極めて少ないのです。結局、残りの約20ケ所の切断をし終えても磨耗は外周から5mm程度で済んでいることが判りました。私の砥石ディスクの選定、グラインダの操作にも問題が有ったかもしれませんが、その性能の差異には正直、驚きました。以前にも釣り道具で粗悪な中国製品に泣かされたことが有りましたが、今回も同じような目に遭いました。今後は消耗品の100円均一商品には手を出さないように心がけることにしました。




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