−日記帳(N0.1468)2005年12月21日−
耐震強度偽装とPL法
−日記帳(N0.1469)2005年12月22日−
今日は大雪の冬至になりました


我が家の前の雪景色

今日は冬至です。朝からちらついていた雪は10時過ぎから本格的に降り始めまたたくまに我が家の周囲は一面の銀世界になりました。昼過ぎに我が家の庭に降り積もった積雪の高さを物差しで測ってみたところ約10センチでした。この地方でこれだけ積雪するのは珍しく12月の積雪としては58年ぶりとのことでした。昼過ぎに家族を駅まで迎えに行こうとしたのですが、ノーマルタイヤのマイカーで高台にある我が家から駅まで降りていくのは危険と考え、長靴を履き、釣り用のフード付きの防寒具を着て降りしきる吹雪の中を駅までの長い坂を歩いていきました。結局、バスは2時間遅れ、タクシー待ちに30分もかかるなど散々な目に遭い帰宅したのは4時過ぎでした。

帰宅して柚子入りのお風呂に浸かって冷え切った身体をゆっくりと温めました。冬至の読みの「とうじ」は「湯治」に通ずることから冬至には「融通(ゆうずう)が利くことから「柚子(ゆず)」をお風呂にいれて中風や風邪の防止の湯治を行なうとの説が有りますが、単なるゴロ合わせに過ぎないように思えます。この日についての言い伝えの中に「冬至に雪が降れば豊作」がありますので来年は豊作になるかも知れません。

冬至を「1年を通して夜が一番長い日」と捉えておられる方が圧倒的に多いようで、子どもたちにもそのように教えているようです。勿論それも正しい認識ですが、出来れば「1年を通して太陽が我々が住んでいる北半球から最も遠ざかる日」と認識される方がいいと思います。何故なら冬至は「1年を通して太陽が北半球から最も遠ざかるから北半球では夜が一番長くなえる日」と定義されますので、後者が原因系、前者が結果系となり、物事を理解するには原因系を考えるのが鉄則と考えられるからです。

そして、その現象の大元の原因系は、太陽が23.5度傾きながら太陽の周りを公転しているからで、その結果太陽は見かけ上、赤道を中心に北緯23.5度上にある北回帰線と南緯23.5度上にある南回帰線の間を往復することになります。北半球にとっての冬至は太陽が北半球から最も遠く離れた南限の南回帰線上を通過する時点となります。太陽は東から昇って南で最も高くなり西に沈み、その最も高くなる高さを南中高度と言っておりますので、言い換えれば冬至は南中高度が最も低くなる時でもあります。そして、その場合、夜が一番長くなる理由はこのを見れば直ぐ理解出来るはずです。 また、南中高度が低くなると日光が地上をより斜めに照らすので単位面積当たりの熱量がより少なくなることから冬至は地上で受ける日光の熱量が最小になりますので、本来なら気温が最も低くなるはずです。しかし、気温が最も低くなるのは冬至から約1ケ月後の1月20日頃の大寒になるのは地球の熱容量が大きいために完全に冷え切るのに時間がかかるからです。こんなことを考えながら柚子風呂に浸かるのもいいですね。


昨日、一昨日とPL法に触れてきましたが、本来PL法は今回の耐震強度偽装によって建設された欠陥マンションを購入した被害者などの住民のみなさんたちなど消費者を救済するためにある法律ですが、残念ながら不動産を対象外としておりますので、PL法によって製造者である建設業者を告訴することは出来ません。この一連の耐震強度偽装事件で告訴の対象となる刑法は建築基準法ぐらいで、それも原告は被害者ではなく国交省であり、罰則も最高で罰金50万円程度ですから住民のみなさんの救済には直接繋がりそうにもありません。

設計業者の姉歯氏、建築業者の木村設計、審査業者のイーホームズ、建築コンサルタントの綜合研究所が、これだけ甚大な被害をを与えた耐震強度偽装に結果として関与してしまったのには、例え告訴されてもPL法の対象にならないので、瑕疵責任は契約責任として販売業者にのみ存在し、設計、施工の責任は民法による不法行為責任にゆだねられているとの安易な思いが有ったように思われてなりません。つまり、刑法で裁かれることはなく、せいぜい民法の不法行為責任を追求されるだけで、その不法行為も立件が極めて難しいことを予見していた節が見られるようです。

私には何故、PL法が不動産を適用外にしているのか判りません。多分、問題になると物件のスケールが何百億にものぼって収拾がつかなくなるからとの配慮が有るように思われるのですが、今回の欠陥マンション住人のみなさんの被害額のように巨額になる場合は逆に彼らを救済する法律はPL法しか有りませんので、今後条件付でもPL法の適用を認める法改正が必要と思われます。やはり、取り締まられる法律が有ることが、この種の犯罪とも思える不法行為を防止するのに最も役立つように思えてなりません。


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