−日記帳(N0.1470)2005年12月23日−
はやぶさの試料回収失敗に思う
−日記帳(N0.1471)2005年12月24日−
NHK紅白の不明朗な出演者選定


2年半前に「はやぶさ」と言う名の探査機がM-V-5号機によって打ち上げられ、地球から太陽の距離の6倍以上も離れた長径500mほどのジャガイモのような形をした小さな小惑星「イトカワ」に向けて飛び続け、ついに世界で始めて小惑星への軟着陸に成功しました。これだけでも素晴らしい成果であるのに、日本のメディアは大々的に報道しませんでした。

そして、軟着陸後、探査機から金属弾をイトカワの岩面に発射して舞上がる粉塵を回収することに成功したとJAXAが発表してもやはり日本のメディアは大々的には報道しませんでした。そして、その発表が未確認情報によるもので、実際には金属弾が発射されていなかった上、太陽電池のパネルの制御が出来なくなって電池容量が低下したり、燃料漏れなどが発生して地球への帰還も困難になったとJAXAが発表すると、待ってましたとばかりに日本のメディアは、やれ技術不足、やれ無駄使いだとまくしたてております。

先月26日に「岩石採取機が着陸を検知し、はやぶさから2発の金属弾を発射する指令が出された」と発表して関係者が抱き合って喜び、リーダーの川口教授も「試料は収集できたと考えている」と満足げに記者団の語った時は私も飛び上がって喜び、この日記でもその成果を解説しただけに残念です。しかし、小惑星への軟着陸に成功した成果がこれで帳消しになるわけではありません。むしろ、太陽電池の故障、燃料漏れ等の致命的な事故を起こしながらも、尚地球帰還の望みを捨てずに修正作業を続けていることに注目していきたいと思います。

現在、やぶさは地球と太陽を結ぶ線の反対方向の約3億キロの位置にあり、イトカワの引力圏から脱しきれないままイトカワとともにイトカワの軌道に乗って太陽の周囲をまわっております。この状態を2007年2月まで続けてから2007年2月10日に残っているキセノンを使ってイオンエンジンを動かしてイトカワの引力圏から離脱して地球に向かう軌道に乗り、2010年6月10日に地球に帰還させる計画に変更したとのことです。この結果、2007年6月に地球に帰還させる計画が3年間延期されることになりますが、何とか無事帰還させてもらいたいものです。

はやぶさのカプセルが地球帰還後に無事回収されれば、はやぶさがイトカワに着陸した時の衝撃で舞上がった砂がカプセル内にごく微量入っている可能性が有ることから最終目標の小惑星からのサンプル回収と言う目標が達成される可能性が有ります。関係者のみなさんには最後まで望みを捨てないで頑張って欲しいものです。


今年のNHK紅白歌合戦はいろいろな点で注目されることが多いと思います。その最大の注目点は「スキウタ」と出場者の関係です。NHKは今年、全国の視聴者から、聴きたい歌(スキウタ)を、ハガキ、PC、携帯、データ放送の方法で全国の視聴者から募り、各方法での順位の平均値の小さい順に上位100曲を公表しました。最初、NHKは順位を付けて公表する予定にしていたのですが、プロ野球オールスター投票に見られるような組織票が有ったことを問題視しして上位100曲をアイウエオ順に公表することに留めました。

NHKはこのスキウタ上位にランクされた曲を歌うのに相応しい歌手やエンタテイナーに出演交渉して、出演者を決めたとしておりますが、その結果が実際の出演者に反映されていないケースが多く見られる点に問題が有るように思います。その問題を採り上げて反映されていない事例を以下に採り上げてみたいと思います。

・スキウタの中に、八代亜紀の「雨の慕情」と「舟歌」が二つも有りますが八代亜紀は選ばれておりません。多分、八代亜紀は自分の歌が二つも選ばれていたことを知り、NHKからの呼びかけを待っていたことと思います。NHKが呼びかければ彼女が拒絶する理由は考えられませんので、呼びかけていないのではないでしょうか。それでは、彼女の歌を聴きたくて投票した視聴者の意向を無視されたことになります。実際、スキウタの紅・白の上位100位に2曲以上ランクインしたと思われる歌手は20組以上いたのにも関わらず、その中から出場するのはたったの5組でしかありませんでした。結局、スキウタの主旨は実際の出演者には殆んど反映されなかったと言ってもいいと思います。

・以上の事例とは逆に、スキウタの中に、美川憲一の歌は一曲もランクインされておりませんが彼は選ばれております。私は 歌謡界のことはよく存じませんが、今年彼の歌がヒットしたとも思えませんので、一体どんな理由で彼を選んだのかNHKに聞いて見たいものです。小林幸子との衣装対決がその理由なら、彼がそれ以外の理由で出演する資格があり衣装対決はその余技であることを明らかにしておく必要が有ると思います。何故なら歌を通して、歌ひとすじに紅白を目的に精進してきた歌手がそれでは浮かばれないからです。

・スキウタの中に美空ひばりの歌が、「みだれ髪」「川の流れのように」「悲しい酒」と3曲もランクインされております。これは到底無視できませんので、この歌を歌うのに最も相応しい歌手を選んで彼女に歌わせるべきと思います。NHKはその歌手として天童よしみを選んでおりますが、これは不適切だと思います。何故なら、スキウタの中に天童よしみの「珍島(チンド)物語」が有り、視聴者は天童よしみには、美空ひばりの代役ではなく本人の「珍島(チンド)物語」を歌って欲しくて投票したはずです。そして、「川の流れのように」を歌わせたら美空ひばり以上との呼び声の高いキムヨンジャに「川の流れのように」を歌わせたらいいと思います。少なくとも、さしたるヒット曲もないのに名前だけで出ている演歌歌手を降ろしてでもキムヨンジャに「川の流れのように」に歌って欲しいと私も思います。




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