−日記帳(N0.1474)2005年12月27日−
雪雲の通り道のこと
−日記帳(N0.1475)2005年12月28日−



起床して庭をみると雪が降っていました。昨日に続いての二日続きの降雪は私としては経験したことが有りません。ところが30km北の名古屋市では全く降っていないことをラジオを聴いて知りました。このような経験は過去に何回も有りましたが、12月に2回も経験したのは初めてのことです。

私が住んでいる半田市と名古屋市を名鉄河和線が結んでおりますが、そのほぼ中間に大田川と言う駅が有ります。名古屋方面から南下した名鉄線はこの駅で半田方向に行く河和線と常滑を経由して終点の中部国際空港に行く常滑線とに分岐しますが、実はこの駅の近くを流れる2級河川の大田川と言う川を堺に降雪量が大きく異なるのです。今日がその日に相当します。

日本海から東海地方に入ってくる北西風は東側では岐阜県と滋賀県の県境に聳える伊吹山系、西側では琵琶湖の南に連なる鈴鹿山系にそれぞれ遮られますが、その山系を越すと風速が速まって伊吹下ろし、鈴鹿下ろしとなって岐阜、愛知、三重の東海地方に寒風を招きます。特に雪雲を伴った日本海からの北西風は若狭湾と伊勢湾に挟まれた本州のウエスト部といえる最も狭い部分を通過するため日本海、琵琶湖、鈴鹿山系、伊勢湾が雪雲の通り道となります。

昨日、今日とこの地方に雪を降らせた雪雲はこの通り道を経由してきました。一方、伊吹下ろしが強く、鈴鹿下ろしが弱い場合は雪雲は伊吹山系から名古屋市を通って我々の住む知多方面をかすめて三河方面に向かっていきますので、当地方では殆んど降雪しない場合が多くなります。その境界が上述の大田川と言うことになります。


(ターゲットマーカー)


「知人に「星の王子さまに会いに行きませんか」に参加しませんか、と誘われた時には、こんなに凄い探査計画だとは想像も出来ませんでした。子供の時、宇宙ってどこまで続くのだろうと想像して、無限ってなんだろう凄いな、と思った記憶があります。今現実に私達家族全員の名前が遙か彼方の惑星に届けられ、永遠に宇宙に残ったことを知り、大変光栄に感じております。肉眼では見えないものでしょうが、夜空を探してみたい気持ちで一杯です。関係各位の皆様の御努力に心からの敬意を表すと共に、一言感謝の言葉を申し上げたく、メールをお送りさせて頂きました。おめでとうございます。そして、ありがとうございました。」

このメッセージは中日ドラゴンズ内野手・川相昌弘さんが、地球から太陽までの距離の約2倍の3億kmの彼方にある小さな小惑星イトカワに着地したターゲットマーカーに彼の家族全員のサインが刻まれていることに感謝してJAXAに宛てた礼状です。

イトカワは長径500m程度の小さい星で質量が小さいため、ゆっくりと降下させるために地球から指令電波を出す必要が有ります。ところが地球上から「イトカワ」への電波は16分もかかるため地球上からの電波指令では降下に必要な微小制御ができません。そのためには、探査機の「はやぶさ」自身が制御して着陸しなければなりません。そのために、先にターゲットマーカーを落としておいて、そこからのフラッシュを頼りに着陸するわけです。

ところが、これを単純に「はやぶさ」から投下するとバウンドしてはずみ宇宙の彼方に飛び去ってしまいます。そこで、技術者がヒントにしたのがお手玉でした。しかし、お手玉も形状が完全に球体でなければはね返ってしまいます。薄いアルミ板で球体を作る技術が要求され、これを東京の下町の零細企業が優れたアルミの絞りの技術を駆使してターゲットマーカーの製作に成功し、「はやぶさ」に搭載されました。そして、11月20日にこのターゲットマーカーが「はやぶさ」から「イトカワ」に32mの高さから投下され見事に成功し、上の左側の写真に見られるように「イトカワ」の表面に着地しているのが確認されました。

このターゲットマーカーには、打上げ前にISASと日本惑星協会が実施した「星の王子さまに会いに行きませんか ミリオンキャンペーン」に応募した88万人の人々の名前がアルミ箔に刻まれています。半導体の微細な構造を作っていく特殊な技術を駆使して、0.03 mm角の大きさのアルファベットで綴られているのです。そして11月20日にこのターゲットマーカーめがけて、秒速10cmの微速で「はやぶさ」はゆっくりと着地し2回バウンドしてから見事に着陸に成功したのでした。

このキャンーペンには、冒頭の川相選手をはじめ阪神優勝の時の星野監督と阪神の全選手、ポール・ニューマン(俳優)、スティーヴン・スピルバーグ(映画監督)、バズ・オルドリン(アポロ11号で月面に降り立った飛行士)、アーサー・C・クラーク(SF作家)等の著名人も参加しております。自分のサインが宇宙の彼方の星に永久に保存されているのは素晴らしいことですね。

イトカワ小惑星「イトカワ」のこと(1)
イトカワ小惑星「イトカワ」のこと(2)
イトカワ小惑星「イトカワ」のこと(3)
イトカワ小惑星「イトカワ」のこと(4)



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