−日記帳(N0.1495)2006年01月17日−
「男たちの大和」を観て
−日記帳(N0.1496)2006年01月18日−
ライブドア粉飾疑惑で株価暴落


「男たちの大和」のPRポスター

今日は、図らずも観劇・画デーとなりました。午前11時から妻と名古屋の御園座に中村美津子特別好演「おゆき」と「中村美津子初春オン・ステージ」を観劇しました。御園座は音響効果がよく、座席がゆったりとして前が観やすい上、花道が観やすく、更には回転舞台による舞台の切り替えがスムースで私のお気に入りの劇場ですので年に2,3回は行くことにしております。

中村美津子さんは昨年の紅白に出場できませんでしたが、久しぶりに生の声を聞いて以前より歌が上手くなったように思いました。それに客席に握手サービスにきた彼女の顔をまじかで見ましたが以前よりふっくらとしてでチャーミングになったように感じられました。オリジナルではなかったものの「涙そうそう」「みだれ髪」は彼女なりの歌い方をしておりましたし、新曲の瀬戸内寂聴作詞、弦哲也作曲の「風まかせ」は彼女の新境地を思わせる落ち着いた歌い方で好感が持てました。

終演後は妻と別れて、名古屋駅前で友人と待ち合わせして、「男たちの大和」を観劇しました。戦艦大和についてはこの日記帳でも次のように特集しております。

戦艦大和物語(1) 名曲「群青」に寄せる思い
戦艦大和物語(2) 戦艦大和沈没60年周年
戦艦大和物語(3) 護衛駆逐艦物語(1)
戦艦大和物語(4) 護衛駆逐艦物語(2)
戦艦大和物語(5) 護衛駆逐艦物語(3)
戦艦大和物語(6) 護衛駆逐艦物語(4)
戦艦大和物語(7)「男たちの大和」公開に思う

ほぼ、予想していた内容で見終えた直後の率直な感想としては満足できるものでした。尾道に総額6億円をかけて全長190m、最大幅40m、艦橋の高さ15mの実寸大の大和を作って撮影が行なわれたことに加え、CG画像も採用されただけあって洋上を航行する大和の雄姿や艦橋での戦闘シーンは迫力が有り、それだけでも大和ファンには満足できたのではないでしょうか。ただ戦争を知らない方々が見るとその巨大さやリアル感に気を奪われてこの映画の意図する、戦争の空しさと悲劇を理解しないまま見終わってしまのではと気になります。

鹿児島県の枕崎の老漁師の神尾(仲代達矢)は、何故か港から約200km離れたある海域には何故か近づこうともしませんでした。実は彼は少年兵として大和乗艦を命じられ奇跡的に生還したものの、その後を生き恥を晒す人生と思い込み空しい思いで過ごしており、そこは思い出したくもない大和沈没海域だったのがその理由でした。そこへある日港に現れた内田真貴子(鈴木京香)と名乗る若い女性にその海域に連れてって欲しいと懇願された神尾は、元大和乗組員で最近亡くなった父の遺骨を仲間達が眠るこの海域に散骨したいとの彼女の切なる願いにほだされ彼女の願いを聞き入れ心臓病発作の危険をおかして出港していきました。

このシーンがこの映画のイントロで、彼女の父が大和で神尾が世話になり生死をともにした内田下士官(中村獅童)と判り、彼との関係を彼女との語らうシーンと神尾と内田下士官との大和での様子が回想シーンが交互に現れて映画は進行していきます。そして神尾にとってこれまで空しいと思っていた自分の人生が彼女が大和沈没海域で父の遺骨を散骨しているシーンを見て決して空しくなかったことを悟って彼女に礼を述べるシーンで、長渕剛の主題歌「CLOSE YOUR EYES:試聴できます」が流れながら幕を閉じていきます。

確かに、このラストシーンだけでは戦艦大和を通して戦争の悲劇を伝えきれていないように思われ、戦争を知らない若い世代の観客たちが大和の巨大さや戦闘シーンのリアル感にのみ気を奪われてしまうのも無理ないように思われます。15歳のあどけない少年たちをも犠牲にした戦艦大和を旗艦とする無謀な水上特攻作戦で海底の藻屑となった3,000名もの将兵たち、そして映画では伝えていなかった巡洋艦「矢矧」以下の護衛艦隊で戦死された将兵たちについて、もう少し触れて欲しかったように思います。

戦艦大和の悲劇は、世界最強にして最大の不沈戦艦として建造が計画されながら進水した時点では、空母を中心とした米・機動艦隊に対抗するに足る戦略価値が無くなっていたことに始まり、3,000名もの将兵たちとともに徳山沖を出港して坊の岬沖で撃沈された時点でクライマックスに達しました。

草鹿参謀長から大和を旗艦とする水上特攻命令の伝達を受けた特攻作戦最高責任者、伊藤第二艦隊司令長官は「こんな見込みの無い作戦で7,000名の部下を無駄死にさせるわけにはいかない」と反対したものの「帝国海軍の栄光を後世に伝え、一億総特攻の魁となれ」との言葉に敢えて自らの死に場所を求めるかのように静かに頷き反対意見を主張しなかったとの史実に基づき、この映画でも渡哲也扮する伊藤第二艦隊司令長官の「我々は死に場所を与えられたのだ」の言葉に戦艦大和の悲劇、ひいてはこの太平洋戦争の悲劇が凝集されているように私には感じられました。改めて、戦争で尊い命を落とされた多くの方々のご冥福をお祈りします。 合掌


株価暴落を伝える電光掲示板

東京株式市場は昨日、「ライブドアショック」が広がり、同社が上場している東証マザーズやジャスダックなどの新興市場を中心にIT(情報技術)関連銘柄が急落し、ライブドアとグループ企業の計7社の株は朝方から売り注文が殺到し、値幅制限いっぱい(ストップ安)の売り気配で売買が成立しないまま午前の取引を終え、結局この日は462.08円安の15805.95円で終りました。今日もその基調は変わらず、80.31円安の寄り付きで始まって急落しましたが直ぐに買戻しが入って反転し始めましたが9時半過ぎになって再び下げに転じ結局、前日比410.29円(2.60%)安の15,395.66円で午前中の取引を終えました。

後場に入って50円ほど持ち直しましたので、やれやれと思ったのも束の間、1時過ぎから恐怖のジェットコースター暴落が始りました。私も今日は、朝からPC画面に見入っておりましたが午後1時頃から恐怖のジェットコースターのような下げが始りました。通常、ワンクリック、つまり約1秒間での株価変動幅は一桁か多くても10円台ですが、今日はそれが数十円単位で急落していくのです。私の持ち株の評価損も数十万単位で目減りしていきますので、途中から手が震えてクリックするのが恐くなって暫く止めました。10分ほどしてから再びクリックしたところ、驚愕しました。下げ幅は700円を越え800円に迫っていたのです。そして午後1時21分に746円安まで下げてしまいました。

こんな大暴落はこれまで経験したことがなく、これはライブドア関連の悪材料だけではなく他の悪材料が相乗していると直感しましたが、まさにそのとおりでした。マネックス・ビーンズ証券に続けて岩井証券が昨日、ライブドア関連5社に対する信用担保掛け目をいきなりゼロとする決定をしたため追証がかかった投資家による売りが売りを呼んだ上、東証が1時30分過ぎの段階で約定件数が344万株に達し売買停止になる恐れが有ることを示唆したため「売買が取引が出来なくなる!」「売れなくなる!」ことを懸念した投資家から売り急ぎの動きが強まるという悪材料が相乗したのが今日午後の暴落の原因でした。

評価損は200万円を遥かに超えてきましたので、破れかぶれになって、「止まれ!止まれ!」と念じながらクリックを続けていくと、1時21分に今日の最安値の746円安を付けてから急激に上げはじめました。下げ足も速かったですが上げ足も速く、700円台から僅か10分ぐらいで600円台になった1時30分過ぎに上げ足が止まり再び下げに転じました。これは東証が上述のように売買停止の可能性を示唆したのとタイミングが合致します。しかし2時過ぎから再び急激に上がり始め600円台、500円台、400円台そして2時30分頃ついに300円台の下げまで戻り、引け際に駆け込みの確定売りに押され、結局464.77円安の15,341.18円で今日の取引を終えました。こうして歴史に残る暴落相場は何時もより20分早く終了しました。


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